国試103回 解説185~189


185

 

てんかんとその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.脳に器質的な損傷があるために起こる症候性てんかんと、脳に明確な障害がなく原因が特定できない特発性てんかんがある。

2.単純部分発作は意識消失を起こす。

3.欠神発作は、身体の一部が瞬間的に強く収縮する発作で、意識障害を認める。

4.てんかんの診断には、脳波検査よりもCTMRIなどによる頭部画像検査が有用である。

5.原発性てんかん患者において抗てんかん薬を中止するには、2年間以上の発作消失が必要である。

 

 

正解 (1)(5)

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 2 ですが

てんかんの発作は

意識消失の有無・程度により

次の3つに分類されます。

 

「部分発作(意識消失なし)

欠神(けっしん)発作(数秒間意識消失)

強直間代発作(数分程度の意識消失)」

 

単純部分発作は

意識消失を起こさない発作です。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

てんかんの発作は、大きく

部分発作と、全般発作に

分類することもあります。

 

欠神発作は

全般性発作の一つです。

意識消失し、けいれん等は

おきないタイプの発作です。

「身体の一部が瞬間的に強く収縮する発作」

という記述が明らかに誤りです。

 

 

選択肢 4 ですが

てんかんの診断では

脳波検査が最も有用な検査です。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい記述です。

本試験時、ガイドラインにおいて

「2年以上発作が寛解してから

治療終結を考慮する」とあります。

 

 

以上より、正解は 1,5 です。

 


 

186

 

8歳男児。学校の授業中に先生の話を聞いていない。着席しても落ち着かず、離席もあり、集中できず、ミスが多く、忘れっぽい。休み時間に大声を出したり、動き回ったりし、順番を待つことができない。

知能は正常であるが周囲の子ども達となじめず、親が心配して病院を受診させたところ、注意欠陥・多動性障害と診断された。

この疾患の病態及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.メチルフェニデート塩酸塩徐放錠が使用できる。

2.アトモキセチン塩酸塩は他の治療薬に比べて依存性が強い。

3.環境調節などの配慮の必要はない。

4.主症状には、不注意、多動性、衝動性の3つがある。

5.主症状は成人期以降に消失する。

 

 

正解 (1)(4)

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

メチルフェニデート塩酸塩徐放錠

(コンサータ)の適応はADHDです。

 

 

選択肢 2 ですが

アトモキセチン(ストラテラ)は

即効性が無いが、依存性は「低い」

という点が特徴です。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

薬物療法と共に

注意力を奪うものを取り除く 

といった配慮が重要です。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 5 ですが

症状は年齢と共に軽減していく傾向にある

といった所です。

「消失する」とはいえません。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 1,4 です。

 


 

187

 

じん麻疹及び薬疹に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

1.じん麻疹は、主に血管透過性亢進により生じる。

2.じん麻疹の症状の1つに、血管性浮腫がある。

3.じん麻疹の多くは、そう痒感を伴わない。

4.中毒性表皮壊死症の早期に発熱はみられない。

5StevensJohnson症候群の治療には、副腎皮質ステロイド薬の局所投与を行う。

 

 

正解 (1)(2)

 

選択肢 1,2 は、正しい記述です。

血管付近の肥満細胞が

何らかの原因でヒスタミン放出

→ヒスタミンが神経を直接刺激しかゆみを感じる。

 

また、ヒスタミンの作用により

血管拡張し「血管透過性亢進」

→血管外へ血漿成分が流出

→「浮腫」という流れです。

 

 

選択肢 3 ですが

さきほどの解説のとおり

肥満細胞から放出される

ヒスタミンによる神経の直接刺激により

そう痒感を伴います。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 ですが

中毒性表皮壊死症(T.E.N)は

高熱や全身倦怠感等を伴う

全身性の疾患です。

 

「早期に発熱が見られない」は

明らかに誤りと考えられます。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 ですが

原因薬物中止、熱傷の治療の後

ステロイド「内服」が行われます。

局所投与ではありません。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 1,2 です。

 


 

188

 

全身性エリテマトーデス(SLE)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2選べ。

 

1.自己抗体により形成される免疫複合体が組織に沈着し、臓器に慢性の炎症を引き起こす。

2.特徴的な症状として両側頬部にわたる蝶形紅斑が認められる。

3.関節所見としては関節痛や関節炎が主体で、骨破壊はまれである。

44050歳代の女性に好発する。

5.肝機能の悪化はSLEの予後を左右する最も重要な因子である。

 

 

正解 (4)(5)

 

選択肢 1 ~ 3 は、正しい記述です。

 

SLE

免疫複合体の関与する全身性の慢性的炎症による

様々な症状が引き起こされる疾患です。

 

S systematic で「全身性」を意味します。

L,E lupus erythematosus で 「紅斑性狼瘡」です。

lupus がドイツ語で狼だそうです。

 

 

20-40歳女性に特に多く

患者ほぼ全員が抗核抗体を持っている

という特徴があります。

 

治療は

ステロイド、免疫抑制剤を用いる。

 

予後規定因子として重要なのは

SLEと併発しやすい腎障害です。

 

以上より、選択肢 4,5 は誤りです。

 

 

従って、正解は 4,5 です。

 


 

189

 

76歳女性。長期入院中。ベッド接触面の皮膚に、圧迫しても消退しない限定的な発赤ができている。

本患者に対する治療として提案すべきことはどれか。2選べ。

 

1.精製白糖・ポビドンヨードによる創面保護

2.積極的な体位変換

3.トリアゾラムの服用

4.湿潤を保つためのドレッシング剤の使用

5.栄養状態の改善

 

 

正解 (2)(5)

 

褥瘡の分類における

ステージⅠに分類される状態です。

 

積極的な体位変換や

栄養状態の改善が求められます。

選択肢 2,5 が、正しい記述です。

 

 

選択肢 1 ですが

精製白糖・ポビドンヨードは

滲出液の吸収・殺菌を行う薬剤です。

 

この段階で用いるべき薬剤ではないと

考えられます。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

トリアゾラムは、Bz系薬です。

褥瘡の治療薬としては不適切です。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 ですが

ドレッシング剤は

滲出液の吸収・保持を行い

湿潤環境を形成する目的で

用いられる薬剤です。

 

この段階で用いるべき薬剤ではないと

考えられます。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 2,5 です。

 

 

類題 102-218219、101-278279、100-310311

 



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