国試103回 解説208~213



208209

 

78歳女性。高血圧症とパーキンソン病で処方1を服用していた。

パーキンソン病症状のコントロールが困難になったため、新たに処方2が追加された。

 

(処方1)

ニルバジピン錠2mg 11(12) 12回 朝夕食後 14日分

レボドパ250mg・カルビドパ配合錠 11(13) 13回 朝昼夕食後 14日分

 

(処方2)

セレギリン塩酸塩錠2.5mg 11(11) 11回 朝食後 14日分

 

208

 

本症例において処方2が追加された原因として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

1.ウェアリング・オフ

2.ジスキネジア

3.悪性症候群

4.動悸

5.異常興奮

 

 

正解 (1)

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

 

ウェアリング・オフとは

薬が効かない時間が出てくる現象のことです。

レボドパ治療継続に伴い現れてくる現象です。

 

COMT阻害薬、MAO-B阻害薬

ゾニサミド、アデノシンA2A受容体拮抗薬

などで対応します。

 

 

選択肢 2 ですが

ジスキネジアとは

意思に反して手足が勝手に動いたりする

現象のことです。

 

 

選択肢 3 ですが

悪性症候群とは

発熱、意識障害などを伴う

抗ドパミン薬における

代表的副作用の一つです。

 

 

動悸、異常興奮については

特に追加する記述はありません。

 

 

以上より

208 の正解は 1 です。

 

 

 

209

 

以下に示すACはセレギリン、レボドパ又はカルビドパのいずれかである。

これらの医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

 

1ACは、同じ標的分子の別の部位に結合することにより、代謝反応によるドパミンの分解を阻害する。

2Bは、生体内でドパミンに変化することによって活性を発現するプロドラッグである。

3Bは、脳内で芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素による代謝を受ける。

4Cは、一置換ヒドラゾン構造をもつ。

5Cは、Bと同様に血液脳関門を通過しやすい。

 

 

正解 (2)(3)

 

A はセレギリンです。

B はレボドパです。

C はカルビドパです。

 

選択肢 1 ですが

A のセレギリンは

MAOBmonoamine oxidases B

阻害薬です。

 

C のカルビドパは

脱炭酸酵素阻害剤です。

 

従って

標的分子は同じではありません。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2,3 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 4 ですが

ヒドラ「ゾン」ではなく、ヒドラジンです。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

ちなみにヒドラゾン構造は

R2CNNR2) という構造です。

 

 

選択肢 5 ですが

カルビドパは

BBB(血液脳関門)を非通過です。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 2,3 です。

 


 

210211

 

6歳男児。体重20kg。身長120cm。扁桃炎と診断され、この男児の処方箋を、母親が薬局に持参した(処方1)

 

(処方1)

セフジニル細粒10% 10.5g(11.5g) 13回 朝昼夕食後 5日分

 

セフジニル細粒10%の添付文書には、「通常、小児に対してセフジニルとして1日量918mg(力価)/kg3回に分割して経口投与する」と記載されている。

お薬手帳を確認したところ、男児は鉄欠乏性貧血で溶性ピロリン酸第二鉄を服用していることが判明した(処方2)

 

(処方2)

溶性ピロリン酸第二鉄シロップ5% 14mL(112mL) 13回 朝昼夕食後 14日分

 

210

 

セフジニルは鉄イオンに配位し、キレートを形成する。

矢印で示したセフジニルの原子のうち、鉄イオンに最も配位しにくいのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

正解 (4)

 

アミド結合の N は塩基性が低く

最も配位しづらいと考えられます。

よって、正解は 4 です。

 

 

 

211

 

本症例に対し、薬剤師が行う対応の中で適切なのはどれか。2選べ。

 

1.セフジニル細粒10%の投与量について医師に疑義照会する。

2.セフジニル細粒10%からレボフロキサシン水和物製剤への処方変更を医師に提案する。

3.セフジニル細粒10%は鉄剤と一緒に服用するように指導する。

4.症状が途中で改善したら服用を終了するように指導する。

5.尿や便が赤色調を呈することがあると説明する。

 

 

正解 (1)(5)

 

選択肢 1

適切な記述と考えられます。

 

セフジニルと鉄のキレート形成により

吸収が低下するため、この投与量では

適切な薬効が期待できない、という点から

疑義照会する という対応です。

 

 

選択肢 2 ですが

レボフロキサシンも鉄とのキレートを形成します。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

キレート形成を避けるため

服用時期を「ずらすよう」指導すべきです。

「一緒に服用」ではありません。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 ですが

耐性菌の発生を避けるため

症状が改善しても5日分飲み切るように

指導します。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 は、正しい記述です。

代謝物により、色がつくことがあります。

 

 

以上より、正解は 1,5 です。

 


 

212213

 

85歳女性。再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の治療を受けている。

この患者の処方箋を、家族が薬局に持参した。

 

(処方)

オメプラゾール錠10mg 11(11) 11回 夕食後 14日分

 

家族より、最近飲み込む力が弱まり服用の際に苦労しているので、薬が飲みやすくなる方法はないかとの相談を受けた。

 

212

 

薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2選べ。

 

1.オメプラゾール錠を正確に半錠に分割して調剤する。

2.オメプラゾール錠を乳鉢で粉砕して調剤する。

3.ラベプラゾールNa錠へ変更し、乳鉢で粉砕して調剤することを医師に提案する。

4.ランソプラゾールカプセルへ変更し、脱カプセルして調剤することを医師に提案する。

5.ランソプラゾール口腔内崩壊錠への変更を医師に提案する。

 

 

正解 (4)(5)

 

オメプラゾール、ラベプラゾールは

粉砕不可という点がポイントになります。

また、半錠に分割するのは

解決になっていません。

 

以上より、選択肢 1~3 は誤りです。

よって、正解は 4,5 です。

 

 

PPI

大体粉砕不可ですが

ランソプラゾール(タケプロン)は

緩やかにであれば粉砕可能です。

 

 

 

213

 

オメプラゾールが薬理作用を示す際の生体内における変化(AD)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

 

 

1Aの反応はpH7より大きいと加速される。

2Bの過程で不斉中心は消失する。

3Cは酸化還元反応である。

4Dでは酵素のシステイン残基と反応する。

 

 

正解 (2)(4)

 

オメプラゾールは弱塩基性薬物であり

酸分泌が生じている所に集積し

特異的に活性化されて作用を示します。

 

選択肢 1 ですが

A の反応は、酸による活性化です。

従って、 pH 7 より小さいと考えられます。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 3 ですが

H2Oが抜けているので脱水反応と

考えられます。

酸化還元反応ではありません。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。

 

 

以上より、正解は 2,4 です。

 



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