問232-233
75歳女性。肺炎にて入院後、喀痰検査にてMRSAが原因菌と判断された。 バンコマイシンにて治療を開始したが改善が認められず、アルベカシンに変更した。 変更後も治療効果が認められず、さらに腎機能も低下していたことから、他の薬物の選択をICT(感染制御チーム)で検討することになった。
問232
薬剤師が提案する薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1.タゾバクタム・ピペラシリン 2.シプロフロキサシン 3.メロペネム 4.クリンダマイシン 5.リネゾリド
問233
MRSA及びその感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.感染症法*において、特定の職業への就業によって集団発生を起こし得る感染症とされている。 2.感染症法*に基づき、患者は状況に応じて第二種感染症指定医療機関に入院しなければならない。 3.消毒薬として、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムが有効である。 4.院内感染を起こす代表的な細菌であり、院内の耐性菌として検出される細菌のうち最も大きな割合を占めている。 5.外来患者から検出される黄色ブドウ球菌のうち、MRSAは80%以上を占める。
*感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
問234-235
2月のインフルエンザが流行している時期に、6歳の娘が体調を崩したと母親が薬局を訪れた。 患者は、咳が出て、38.0℃の熱があり、筋肉痛と倦怠感を訴えているとのことであった。
問234
薬局の薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
1.アスピリンを解熱鎮痛成分として含有する一般用医薬品を販売した。 2.インフルエンザの疑いがあるとして、医療機関への受診勧奨を行った。 3.半年前に近隣の医療機関から本人に処方された風邪薬を服用するように指導した。 4.筋肉痛を緩和するために、一般用医薬品のジクロフェナク貼付剤を販売した。 5.高熱が続くと脱水症状を起こすことがあるので、水分補給に努めるように指導した。
問235
インフルエンザに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1.インフルエンザウイルスはガーゼマスクの網目を容易に通過できる大きさであるが、その着用により飛沫の拡散を防ぐことができる。 2.インフルエンザは空気感染するので、手指を塩化ベンザルコニウム溶液で消毒しても予防できない。 3.新型インフルエンザウイルスは、毎年流行する季節性のウイルスとは抗原性が大きく異なり、ほとんどのヒトは抗体を持っていない。 4.高病原性烏インフルエンザのH5N1型及びH7N9型は、いずれも感染症法*では二類感染症に分類されている。 5.新型インフルエンザの感染者は、感染症法*で原則入院と定められている。
*感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
問236-237
55歳男性。身長160cm。体重70kg。会社の事務職をしており、日頃運動不足である。 会社の定期健康診断で、HbA1c値が基準値よりやや高いと指摘され、生活習慣について相談するため、薬局を訪れた。
問236
生活習慣の改善と目標に関する薬剤師の説明として適切でないのはどれか。2つ選べ。
1.HbA1c値は、過去3~4ヶ月の血糖値の平均値を反映する。 2.糖尿病の発症初期にはほとんど自覚症状がない場合が多い。 3.1回30分程度の歩行を毎日2回以上行うことを目標にする。 4.水中歩行は、膝などの関節への負担も少なく、血糖値のコントロールに有効である。 5.食事療法では、糖質の摂取量に注意すれば、他の栄養素の摂取は特に注意する必要はない。
問237
生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.腹囲が基準値を超え、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の3つすべてが当てはまったときにのみ、メタボリックシンドロームと判定される。 2.LDL-C(低密度リポタンパク質コレステロール)、HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)、中性脂肪の血中濃度が、いずれも基準値より高いと、脂質異常症と判定される。 3.現在、我が国の糖尿病患者のうち、90%以上は2型糖尿病である。 4.糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターとなる。 5.血糖値をコントロールすることにより、腎症、網膜症、神経障害などの合併症を予防することは、糖尿病の二次予防にあたる。
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