国試103回 解説336~340



336

 

汎発性血管内血液凝固症の治療のため下腿末梢静脈からガベキサートメシル酸塩(以下GMと略す)を点滴投与していた患者に、投与開始6日後になって注射部位から血管に沿って静脈炎が生じた。

同様事例の予防のため、考えられる対策として誤っているのはどれか。1つ選べ。

 

1GMはできるだけ太い血管より投与するよう医療スタッフに周知する。

2GMはできるだけ短時間で投与を終えるように、点滴速度の調整を医療スタッフに周知する。

3.今回起こった事例の背景要因について医療スタッフ間で情報共有する。

4GMを末梢血管から投与するときの濃度について処方監査を徹底する。

5.販売名の異なるGM製剤採用にあたっては静脈炎の危険性を改めて医療スタッフに周知する。

 

 

正解 (2)

 

ガベキサートメシル酸塩は

高濃度で血管内壁を障害し

血管に沿って静脈炎等をおこすことが

あります。

 

 

選択肢 1,3,4,5

正しい記述です。

 

 

選択肢 2 ですが

短時間で投与してしまうと

局所的に高濃度になることが予想され

不適切です。

 

 

以上より、正解は 2 です。

 


 

337

 

サリドマイドを服用する患者への説明として、適切なのはどれか。2選べ。

 

1.紛失した場合は、処方医又は調剤した薬剤師に連絡してください。

2.服用の必要がなくなった場合は、残った薬を速やかに破棄してください。

3(男性の場合)服用中でも避妊する必要はありません。

4(女性の場合)服用開始4週間前から服用終了4週間後まで必ず避妊してください。

5.服用中でも授乳してかまいません。

 

 

正解 (1)(4)

 

サリドマイドは

いったん医薬品市場から撤退したのですが

 

らい性結節性紅斑や多発性骨髄腫への

有効性が認められ

厳格な安全管理のもとで の使用を条件に

現在も用いられています。

 

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

安全管理手順によれば

患者が紛失した場合、薬剤師等へ

報告することが定められています。

 

 

選択肢 2 ですが

不要薬が発生した場合

調剤元の医療機関へと返却します。

患者自身に破棄してもらうわけでは

ありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

サリドマイドは、精液移行性があります。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。

 

 

選択肢 5 ですが

乳汁中への移行が報告されており

投与終了4週間まで授乳を避けます。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 1,4 です。

 


 

338

 

65歳男性。3年前から高血圧症を指摘され、治療中である。

5ヶ月前から空咳が続き、検診で右肺に陰影を指摘されていた。

最近は血痰が混じるようになり、精査加療目的のため入院となった。

精査の結果、非小細胞肺がん(扁平上皮がん、stage)と診断された。

 

【患者情報・検査値】

身長 165cm、体重 60kg、体表面積 1.6m2、血圧 120/75mmHg、脈拍 65/min、喫煙歴 40(30/)

 

この患者の肺がん発症リスクの指標となるブリンクマン指数はどれか。1つ選べ。

 

120

230

340

41,200

510,950

 

 

正解 (4)

 

関係ありそうな数字が

喫煙歴しかなくて

何となく「1日あたりの本数 × 年数」

じゃなかったっけ・・・

と思い出せれば正解が選べる問題です。

 

ブリンクマン指数は

400 を超えると、がん発症リスクが

高まると言われています。

 

 

本問では

1日あたり 30 本で

喫煙歴が 40 年なので

30 × 40 = 1200 です。

 

 

以上より、正解は 4 です。

 


 

339

 

28歳男性。双極性障害のために炭酸リチウム錠とバルプロ酸ナトリウム徐放錠で治療を行っている。

今回、うつ症状の改善がみられないため、主治医よりラモトリギン錠を追加したいと薬剤部に相談があった。

バルプロ酸ナトリウム徐放錠とラモトリギン錠の併用に関する情報提供の内容について適切なのはどれか。1つ選べ。

 

1.ラモトリギン錠はバルプロ酸ナトリウム徐放錠と併用禁忌である。

2.両剤の併用で血糖値上昇が考えられるので、定期的な検査を実施する。

3.併用開始後2週間までは、ラモトリギン錠を隔日投与する。

4.両剤の併用で血中アンモニア濃度の上昇が考えられるので、定期的な検査を実施する。

5.両剤の併用でラモトリギンの半減期が短くなるため、投与量を漸増する。

 

 

正解 (3)

 

ラモトリギンの投与により

中毒性表皮壊死融解症

Toxic Epidermal NecrolysisTEN

皮膚粘膜眼症候群

Stevens-Johnson症候群)等の

重篤な皮膚障害があらわれることがあります。

 

用法・用量を超えて投与した場合に

皮膚障害の発現率が高いため

特に注意が必要な薬剤です。

 

バルプロ酸ナトリウム併用時は

投与開始2週間まで、隔日投与にします。(成人のみ)

 

 

従って、正解は 3 です。

 


 

340

 

58歳男性。尿路結石の既往歴あり。健康診断で尿酸値が高いことを指摘され、受診を勧められた。

現在は痛風関節炎等の症状は認められないが、近医を受診した。

検査の結果、尿酸排泄低下型の高尿酸血症と診断され、薬物治療を行うことになった。

 

検査データ:尿酸値 9.3mg/dLeGFR 23mL//1.73m2AST 35U/LALT 33U/LLDH 230U/LALP 340U/L、γ-GTP 65U/L

 

本患者の治療に用いられる薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

1.フェブキソスタット

2.ブコローム

3.プロベネシド

4.ベンズブロマロン

5.ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)

 

 

正解 (1)

 

尿酸値が高いことに加え

eGFR 60 以下であり

腎機能低下が読み取れます。

 

腎機能低下や 尿路結石の既往がある場合

尿酸降下薬は「尿酸生成抑制薬」が用いられます。

 

選択肢 2~4

尿酸排泄促進薬なので

最も適切とはいえません。

 

 

選択肢 5 のラスブリカーゼは

高尿酸血症治療薬の一つです。

 

進化の過程でヒトでは失われた

尿酸オキシダーゼ

(尿酸→アラントインへ分解)です。

 

がん化学療法に伴う

高尿酸血症の治療に用いられます。

本症例では用いられないと考えられます。

 

 

以上より、正解は 1 です。

ちなみに、フェブキソスタットは

キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬です。

 



前の問題・・問題に戻る・・次の問題

 

前の解説・・目次に戻る・・次の解説