国試103回 解説341~345



341

 

医療の高度化と専門化、さらにヘルスケアの医療概念の拡大に伴って患者・クライアント自身の主観的な価値判断を抜きにして医療を実践することができなくなってきている。

このような中、医療の高度専門化やチーム医療への対応を妨げるのはどれか。1つ選べ。

 

1.インフォームドコンセント

2.医療従事者中心の医療

3.患者の権利の擁護

4.人格の尊厳の尊重

5.根拠に基づく医療

 

 

正解 (2)

 

問題文に

「患者・クライアント自身の

主観的な価値判断を抜きにして

医療を実践することが

できなくなってきている」とあります。

 

明らかに、選択肢 2 が矛盾します。

よって、正解は 2 です。

 


 

342

 

36歳女性。重症嘔吐と摂食不良により、低カリウム血症となり、L-アスパラギン酸K注射液を投与することになった。

 

<注射処方箋>

末梢 (自然滴下、1時聞かけて点滴)

1000

L-アスパラギン酸K注射液10mEq/10mL/アンプル 1

生理食塩液(200mL/ボトル) 1

 

末梢 (自然滴下、1時聞かけて点滴)

1300

L-アスパラギン酸K注射液10mEq/10mL/アンプル 1

生理食塩液(200mL/ボトル) 1

 

末梢 (自然滴下、1時聞かけて点滴)

1600

L-アスパラギン酸K注射液10mEq/10mL/アンプル 1

生理食塩液(200mL/ボトル) 1

 

注意:L-アスパラギン酸カリウムとして、通常成人11.715.14g(カリウムとして1030mEq:本剤13)を日本薬局方注射用水、5%ブドウ糖注射液、生理食塩液又は他の適当な希釈液で希釈する。

その液の濃度は0.68w/v%(カリウムとして40mEq/L)以下として、1分間8mLを超えない速度で点滴静脈内注射する。

1日の投与量は17.1g(カリウムとして100mEq:本剤10)を超えない量とする。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

 

この注射処方箋で疑義照会すべき内容はどれか。1つ選べ。

 

1.生理食塩液の量が少ない。

2.点滴速度が速い。

3L-アスパラギン酸カリウム濃度が低い。

4L-アスパラギン酸カリウムの1日の投与量が過量である。

5L-アスパラギン酸カリウムの1日の投与量が不足である。

 

 

正解 (1)

 

L-アスパラギン酸K

10mEq/10mL

生理食塩水 200mL を混ぜると

全量が 210mL 中に

10mEq のカリウムとなります。

 

210mL 中に 10mEq ということは

1 L 中に 50mEq 弱のカリウムになり

40mEq 以下とする、という注意に

矛盾しています。

つまり、生理食塩水の量が少ないといえます。

 

以上より、正解は 1 です。

 


 

343

 

68歳男性。交通外傷で右上腕を開放骨折していることが判明し、骨接合術が予定された。

術前管理として薬剤師が持参薬を確認した。

次の持参薬の中で手術に向けて注意の必要な薬物はどれか。2選べ。

 

1.ロスバスタチン

2.タムスロシン

3.ダビガトラン

4.ロキソプロフェン

5.テルミサルタン

 

 

正解 (3)(5)

 

選択肢 1 ですが

ロスバスタチンは、スタチンです。

HMG-CoA 還元酵素阻害薬です。

 

 

選択肢 2 ですが

タムスロシンは

α受容体遮断薬です。

 

 

選択肢 3 ですが

ダビガトランは腎排泄型の

直接トロンビン阻害薬です。

血液の抗凝固薬です。

手術では出血が避けられず

注意が必要といえます。

 

 

選択肢 4 ですが

ロキソプロフェンは NSAIDs です。

 

 

選択肢 5 ですが

テルミサルタンは

AT1受容体拮抗薬です。

降圧薬です。

手術に伴う降圧が予想されるため

注意が必要といえます。

 

 

以上より、正解は 3,5 です。

 


 

344

 

APPROACHJは、冠動脈疾患一次予防高リスク群の脂質異常症患者に対する脂質管理目標値の妥当性及び生活習慣の改善が脂質コントロールに及ぼす影響を明らかにすることを目的に実施された日本人の治療実態下における実践的研究である。

APPROACHJでは各項目の遵守をスコア化し、以下の図に示す結果が得られた。

 

 

グラフから読み取れることとして、適切なのはどれか。2選べ。

 

1.服薬アドヒアランスが1点上昇すると、LDLC値は約6.6mg/dL減少する。

2.適切な運動を維持するとLDLC値が上昇する。

3.喫煙や飲酒の制限をすると、HDLC値が上昇する。

4.良好な食事バランスを維持すると、「LDLC値/HDLC値」が小さくなる。

5.トリグリセリド値を改善するには、高脂質食品の制限の方が服薬アドヒアランスよりも効果が大きい。

 

 

正解 (1)(4)

 

選択肢 1 は、正しい記述です。

棒グラフは「遵守スコア 1 点あたりの

脂質変化量」と書いてあります。

LDL-C についての表に注目することで

確かに読み取ることができます。

 

 

選択肢 2 ですが

適切な運動の維持による結果には

*がついていません。

有意差がないため

上昇するとはいいきれません。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 ですが

HDL-C についての表に注目すると

喫煙・飲酒の制限により

マイナス側に有意差ありです。

つまり、HDL-Cは「減少」します。

上昇ではありません。

よって、選択肢 3 は誤りです。

 

 

選択肢 4 は、正しい記述です。

良好な食事バランスを維持することで

LDL-Cには変化があるかわかりませんが

HDL-C値は上昇します。

 

その結果、LDL-CHDL-C は

分母が大きくなるため、全体の値は小さくなります。

 

 

選択肢 5 ですが

TGについて、服薬アドヒアランス も

高脂質食品の制限も有意差なしなので

効果がどちらが大きいかは読み取れません。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 1,4 です。

 


 

345

 

35歳男性。乗物酔い防止薬の購入のため薬局を訪れた。

男性は、自分と5歳の子供の両方が服用できる一般用医薬品を希望している。

子供は錠剤やカプセル剤を服用できる。

薬剤師がこの男性に勧める医薬品の成分と用量として適切なのはどれか。2選べ。

 

 

 

正解 (1)(2)

 

一般用医薬品における

乗り物酔い防止薬は

ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン や

メクリジンなどの抗ヒスタミン薬です。

 

 

選択肢 3,4

成人1回量が

1カプセル、1錠となっており

5歳の子供に服用させるために

調節することが不可能なので

不適切です。

 

 

選択肢 5

イブプロフェン(解熱鎮痛)

メチルエフェドリン(鎮咳)などが入っており

総合かぜ薬と考えられます。

 

乗り物酔い防止薬としては

明らかに不適切です。

 

 

以上より、正解は 1,2 です。

 



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