国試103回 解説41~45



41

 

食事による胃内容排出速度の低下によって、吸収量が増大するのはどれか。1つ選べ。

 

1.アセトアミノフェン

2.エリスロマイシン

3.セファクロル

4.リファンピシン

5.リボフラビン

 

 

正解 (5)

 

リボフラビンは

担体輸送される薬物です。

 

そのため、GERが小さい方が

担体の飽和を避けることができるため

吸収量は増大します。

よって、正解は 5 です。

 

 

ちなみに

胃に入った薬物が

どれくらいの速度で小腸に到達するかを

GER といいます。

 

GER の主要な変動要因としては

食事や抗コリン薬があります。

食事や抗コリン薬で、遅くなります。

 

また、空腹やメトクロプラミドの投与で

GERは速くなります。

 

 

参考 薬剤 2-1 6)

 


 

42

 

親水性薬物の経皮吸収における最大の障壁はどれか。1つ選べ。

 

1.皮脂腺

2.真皮層

3.毛嚢

4.角質層

5.毛細血管

 

 

正解 (4)

 

皮膚は

「表皮」の下に「真皮」があります。

 

表皮は更に、表面から

角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分類されます。

表面の角質層がバリア機能を有します。

 

以上より、正解は 4 です。

 

 

参考 生化 1-4 1)

類題 100-111

 


 

43

 

分布容積が最も大きいのはどれか。1つ選べ。

 

1.アミオダロン

2.バンコマイシン

3.ヘパリン

4.リチウム

5.ワルファリン

 

 

正解 (1)

 

分布容積が著しく大きい薬物として

アミオダロンや

三環系抗うつ剤

ジゴキシンなどがあります。

 

アミオダロンや三環系抗うつ剤は

極めて脂溶性が高いため

組織移行性が高く、分布容積が高くなります。

 

従って、正解は 1 です。

 

 

ちなみに

ワルファリンは

タンパク結合率が大きい

代表的薬物の1つです。

 

リチウム、バンコマイシンは

タンパク結合率が小さい薬物の

代表例です。

 

 

参考 薬剤 2-2 6)

 


 

44

 

生体内で主にUDP-グルクロン酸転移酵素で代謝されるのはどれか。1つ選べ。

 

1.アセタゾラミド

2.アミカシン

3.イソニアジド

4.サラゾスルファピリジン

5.モルヒネ

 

 

正解 (5)

 

モルヒネは麻薬性鎮痛薬です。

肝臓において

グルクロン酸抱合で代謝されることがよく知られています。

 

従って、正解は 5 です。

 

 

以下

モルヒネについて関連事項をまとめます。

 

モルヒネは

強い μ 受容体刺激作用があります。

又、他にκ(カッパ)やδ(デルタ)受容体も刺激します。

 

μ受容体の刺激により

下行性痛覚抑制系を

賦活化(ふかつか)することで

鎮痛作用を示します。

 

又、モルヒネには

催吐作用や、縮瞳作用もあります。

 

催吐作用は

延髄嘔吐中枢の化学受容器

CTZchemoreceptor trigger zone)において

D受容体を刺激することにより作用がおきます。

 

縮瞳作用は

中脳の動眼神経核の κ 受容体の刺激により

作用がおきます。

 

又、やはりよく知られた

モルヒネの性質として

便秘の副作用があります。

 

これは、μ受容体の刺激により

アセチルコリン遊離が抑制されることが原因です。

 

また

モルヒネの解毒薬はナロキソンです。

 

 

参考 薬理2-1 3)

 


 

45

 

ヘム鉄に配位することで、CYP3A4の活性を阻害するのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

正解 (3)

 

ヘム鉄に配位し

CYP 3A4 の活性阻害といえば

シメチジンやアゾール系抗菌薬です。

 

 

選択肢 1 ですが

これはカナマイシンです。

アミノグリコシド系抗生物質です。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

 

選択肢 2 ですが

これはメマンチン(メマリー)です。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

 

選択肢 3 は、正しい記述です。

シメチジンの構造です。

 

 

選択肢 4 ですが

これはウベニメクス(ベスタチン)です。

よって、選択肢 4 は誤りです。

 

 

選択肢 5 ですが

これはロキソプロフェンです。

よって、選択肢 5 は誤りです。

 

 

以上より、正解は 3 です。

 



前の問題・・問題に戻る・・次の問題

 

前の解説・・目次に戻る・・次の解説