国試103回 解説46~50



46

 

糸球体ろ過速度に対する腎クリアランスの比がほぼ1に等しいのはどれか。1つ選べ。

 

1.アンピシリン

2.イヌリン

3.インドシアニングリーン

4.グルコース

5.パラアミノ馬尿酸

 

 

正解 (2)

 

問題文から

糸球体ろ過速度と

腎クリアランスが等しくなるような

物質がどれか、と考えるとよいです。

 

糸球体ろ過速度(GFR)の

理想的測定法はイヌリン投与して

尿中への排泄量を測定する

ことです。

 

なぜなら、イヌリンは

再吸収も分泌も受けないため

イヌリンの腎排泄量がわかれば

糸球体ろ過された血液量がわかる

というわけです。

 

 

このイヌリンの投与をCLという観点から

改めて考えてみると

 

まず、腎CL

= 「糸球体ろ過 CL + 「分泌 CL

- 「再吸収 CL」です。

 

ここで

イヌリンの場合、分泌と再吸収がないので

CL=糸球体ろ過CL といえます。

 

 

以上より、正解は 2 です。

 


 

47

 

肝クリアランスに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

 

1.上限は肝固有クリアランスである。

2.上限は肝血流速度である。

3.下限は肝固有クリアランスである。

4.下限は肝血流速度である。

5.肝血流速度に反比例する。

 

 

正解 (2)

 

『肝クリアランスは

血流量を超えない』

というポイントを思い出せば

正解は 2 です。

 

 

また、クリアランスの式として

以下を思い出すことができれば

 

 

「最高にクリアランスが高い時(上限)」 というのは

「薬物を最高にきれいに除去出来る時」

Cout が0の時と考えることができます。

 

すると、両辺を Cin で割ることで

Qin = CL」 となる、という点から

考えることもできると思います。

 

 

参考 薬剤まとめ 2-3 9)

 


 

48

 

乳糖粉末の粒子径分布と粒子形状の両方を測定できる方法はどれか。1つ選べ。

 

1.光学顕微鏡法

2.ふるい分け法

3.コールターカウンター法

4.動的光散乱法

5.遠心沈降法

 

 

正解 (1)

 

顕微鏡で見れば

大きさも形もわかるのでは・・・と感じると思います。

 

確認のため他の選択肢を見ると

選択肢 2,5 だと粒子径しかわからないのは

想像できるのではないでしょうか。

 

 

選択肢 3 ですが

コールターカウンター法とは

「電圧をかけて、粒子を通過させ」

数及び大きさを測定するというものです。

 

方法がイメージできれば

粒子の形はわからないと判断できると思われます。

 

 

選択肢 4 ですが

動的光散乱法とは

粒子のブラウン運動を

散乱光強度の揺らぎとして観測することで

粒子径や粒子径分布を測定するというものです。

 

やはり方法がイメージできれば

粒子の形はわからないと判断できると思われます。

 

 

以上より、正解は 1 です。

 


 

49

 

ソルビタンモノラウレート(HLB値=8.6)とポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(HLB値=15.0)の等質量混合物のHLB値として最も近いのはどれか。1つ選べ。

HLBHydrophileLipophile Balance

 

16

29

312

415

524

 

 

正解 (3)

 

HLB値とは

界面活性剤の水及び油への

親和性の程度を表す尺度です。

7より大きいと親水性です。

 

異なる HLB 値を持つ

界面活性剤を混ぜた時の HLB 値は

それぞれのHLB値に

重み付けをして平均を取ります。

 

すなわち

本問であれば「等量」なので

8.6/2 + 15.0/2 = 11.8 です。

 

最も近いのは12 なので

正解は 3 です。

 

 

類題 97-175,100-174

 


 

50

 

腸溶性の高分子でないのはどれか。1つ選べ。

 

1.セラセフェート

2.メタクリル酸コポリマー

3.ヒドロキシプロピルセルロース

4.ヒプロメロースフタル酸エステル

5.ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル

 

 

正解 (3)

 

水溶性コーティングに

使われる物質として

代表的なものが

ヒドロキシプロピルセルロースや

ヒプロメロースなどです。

 

従って、正解は 3 です。

 

 

ちなみに

セラセフェートは

酢酸フタル酸セルロースのことです。

腸溶性コーティング剤に用いられます。

 

メタクリル酸コポリマー

及びヒプロメロースフタル酸エステル

ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルも

腸溶性コーティング剤として用いられます。

 

 

参考 製剤まとめ 3-2 4)

 



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