問96-11 解説



問11

イリノテカン塩酸塩水和物に関する記述のうち
正しいものの組合せはどれか。



a R 配置の不斉炭素が存在する。

b ア~エの窒素のうち
最も塩基性が強い窒素はアである。

c ウの窒素の非共有電子対(孤立電子対)は
p 軌道に存在する。

d 植物アルカロイドであるカンプトテシンの誘導体である。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 

4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)



記述 a ですが、不斉炭素は
右下の OH 基がついている炭素です。

不斉炭素周辺を切り取ったイメージが
以下になります。

一番優先度の低い
CH
基で終わっている炭素を目線上におき
天の方に OH が来るように
少しだけ回転させたら、以下のように見えるはずです。




すると、優先度の高い方から左回りなので
R 配置ではなく、S 配置です。


よって、記述 a は誤りです。



記述 b ですが
イ と エ の N は、アミド(N-C = O)の N なので
反応性が低く、塩基性も低いと考えられます。


ア と ウ の N ですが
ア が、sp3 の窒素、ウが sp2 の窒素なので
アの方が、塩基性が高いと考えられます。


よって、記述 b は正しいです。


記述 c ですが
ウの窒素の非共有電子対は
sp
2 軌道に存在すると考えられます。
p 軌道ではありません。

(ちなみに、非共有電子対が
p 軌道に存在するのは
アの窒素やイの窒素です。)



記述 d ですが
イリノテカンは、カンプトテシンの誘導体です。
又、カンプトテシンは、クサミズキなどに含まれる
植物アルカロイドです。


よって、記述 d は正しいです。


以上より、正しいものの組み合わせは
(b , d)です。


正解は 5
です。



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