問129 免疫抑制薬に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 a バシリキシマブは ヒトインターロイキン-2受容体に対するモノクローナル抗体で T 細胞の増殖・分化を抑制する。 b シクロホスファミドは アルキル化により DNA 合成を阻害し リンパ球増殖を抑制する。 c シクロスポリンは 抗原刺激によるB細胞の増殖反応を選択的に抑制し 臓器移植の際の拒絶反応を防止する。 d タクロリムスは カルシニューリンを活性化し インターロイキンなどのサイトカイン産生を抑制する。 e ミゾリビンは 高分子核酸 (DNA、RNA) に取り込まれることにより 免疫細胞の増殖を抑制する。 1(a、b) 2(a、e) 3(b、c) 4(c、d) 5(d、e) 記述 a、b はこの通りの記述です。 記述 c ですが シクロスポリンは 主としてT細胞による、インターロイキン-2などの サイトカイン産生を阻害することにより 免疫抑制作用を有します。 具体的には 細胞内結合タンパクである、シクロフィリンと複合体を形成し T 細胞活性化のシグナル伝達において重要な役割を果たしている カルシニューリンに結合することにより 活性化を抑制するという作用機序です。 カルシニューリンインヒビターとも呼ばれます。 よって、記述 c は誤りです。 記述 d ですが カルシニューリンを活性化ではなく カルシニューリンを阻害します。 よって、記述 d は誤りです。 記述 e ですが ミゾリビンは、核酸アナログ(類似体)です。 核酸合成に関わる酵素を阻害することで DNA、RNA合成を抑制します。 DNA、RNAに取り込まれるわけではありません。 よって、記述 e は誤りです。 以上より、正しいものの組み合わせは (a , b)です。 正解は 1 です。 |