問131 リウマチ治療に用いられる薬物に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 a エタネルセプトは 腫瘍壊死因子α (TNFα) と結合し、その働きを抑制する。 b 金チオリンゴ酸ナトリウムは 白血球の貧食作用を促進し、炎症細胞を除去する。 c トシリズマブは インターロイキン-2 (IL-2) に対するモノクローナル抗体で IL-2による炎症反応を選択的に抑制する。 d サラゾスルファピリジンは T 細胞及びマクロファージからのサイトカイン産生を促進し 炎症反応を抑制する。 e ペニシラミンは 分子内にSH基を有し リウマトイド因子などのジスルフィド結合を解離させ 炎症反応を抑制する。 1(a、b) 2(a、e) 3(b、c) 4(c、d) 5(d、e) 記述 a ですが エタネルセプトは、完全ヒト型可溶性 TNFα/LTα レセプター製剤です。 TNF に対するおとりレセプターとして働き TNF を捕捉することで作用します。 ちなみに、可溶性 TNF-α は 157アミノ酸残基からなる、タンパク質です。 よって、記述 a は正しいです。 記述 b ですが 金チオリンゴ酸ナトリウムの作用機序は 選択的な自己抗体産生の抑制や、炎症性細胞の機能抑制です。 白血球の貪食作用促進では、ありません。 よって、記述 b は誤りです。 記述 c ですが トシリズマブは ヒト化抗ヒト IL-6 レセプターモノクローナル抗体です。 IL-2に対する抗体では、ありません。 よって、記述 c は誤りです。 記述 d ですが サラゾスルファピリジンは 潰瘍性大腸炎やクローン病に用いられる 炎症を抑える薬です。 サイトカイン抑制の方向に機能して、抗炎症作用を示します。 サイトカイン産生を促進するわけではありません。 よって、記述 d は誤りです。 記述 e ですが ペニシラミンは、免疫抑制剤です。 SH基を持つのが特徴です。 SH基が、免疫複合体のジスルフィド結合(S-S)を開裂させることで 免疫抑制、抗炎症作用を示します。 記述 e は正しいです。 以上より、正しい組み合わせは (a , e)です。 正解は 2 です。 問題へ戻る |