問96-134 解説



問134

虚血性心疾患治療薬の作用機序に関する記述のうち
正しいものの組合せはどれか。

a アテノロールは
アドレナリンβ1 受容体を選択的に遮断し
心筋の酸素消費量を減少させる。

b ニコランジルは、一酸化窒素 ( NO ) 遊離作用と
Kチャネル遮断作用により、血管を拡張させる。

c ニトログリセリンは
NO を遊離して可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し
血管を拡張させる。

d ジピリダモールは
アデノシンの赤血球などへの取り込みを抑制し
アデノシンの血管拡張作用を増強する。

e アルテプラーゼは
選択的に循環血中のプラスミノーゲンを活性化し
血栓溶解を促進する。

1(a、b、c) 2(a、b、e) 
3(a、c、d) 
4(b、d、e) 5(c、d、e)



記述 a ですが
アテノロールは、選択的 β1  遮断薬です。

心臓に働くことで、心筋収縮力と心拍数を低下させることにより
心筋の酸素消費を減少させます。

よって、記述 a は正しいです。



記述 b ですが
ニコランジル(シグマート)は、硝酸薬です。
NO 遊離により、血管拡張を引き起こします。

又、ATP感受性 K+ チャネルを開口させることで
血管拡張の作用もあります。
Kチャネル遮断作用では、ありません。


よって、記述 b は誤りです。



記述 c ですが
ニトログリセリンは、硝酸薬です。
NO 遊離により、血管拡張を引き起こします。


もう少し、詳しくメカニズムを説明すると
NO は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼを活性化します。
その結果 GTP からの cGMP 生成が促進されます。
この結果、冠動脈の血管拡張が引き起こされます。


よって、記述 c は正しいです。



記述 d ですが
ジピリダモールは、アデノシン増強薬です。

アデノシンの分解を抑制するなどにより
冠動脈に存在する A
2 受容体へのアデノシン結合量を増加させ
冠血管拡張を引き起こし
それにより心筋への酸素供給量を増加させます。


よって、記述 d は正しいです。



記述 e ですが
アルテプラーゼは
組織プラスミノーゲンアクチベータです。
心筋梗塞治療薬として用いられます。


フィブリン親和性が高いです。
そのため、血栓に特異的に吸着します。
(フィブリンは、血栓の構成要素タンパク質です。)


そして、血栓中で、プラスミノーゲンをプラスミンに変えます。
プラスミンは、フィブリンを分解するタンパク質です。
血栓溶解が、促進されます。


循環血中のプラスミノーゲンを活性化するわけでは
ありません。


よって、記述 e は誤りです。



以上より、正しいものの組み合わせは
(a , c , d)です。


正解は 3 です。