問134 虚血性心疾患治療薬の作用機序に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 a アテノロールは アドレナリンβ1 受容体を選択的に遮断し 心筋の酸素消費量を減少させる。 b ニコランジルは、一酸化窒素 ( NO ) 遊離作用と K+ チャネル遮断作用により、血管を拡張させる。 c ニトログリセリンは NO を遊離して可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し 血管を拡張させる。 d ジピリダモールは アデノシンの赤血球などへの取り込みを抑制し アデノシンの血管拡張作用を増強する。 e アルテプラーゼは 選択的に循環血中のプラスミノーゲンを活性化し 血栓溶解を促進する。 1(a、b、c) 2(a、b、e) 3(a、c、d) 4(b、d、e) 5(c、d、e) 記述 a ですが アテノロールは、選択的 β1 遮断薬です。 心臓に働くことで、心筋収縮力と心拍数を低下させることにより 心筋の酸素消費を減少させます。 よって、記述 a は正しいです。 記述 b ですが ニコランジル(シグマート)は、硝酸薬です。 NO 遊離により、血管拡張を引き起こします。 又、ATP感受性 K+ チャネルを開口させることで 血管拡張の作用もあります。 K+チャネル遮断作用では、ありません。 よって、記述 b は誤りです。 記述 c ですが ニトログリセリンは、硝酸薬です。 NO 遊離により、血管拡張を引き起こします。 もう少し、詳しくメカニズムを説明すると NO は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼを活性化します。 その結果 GTP からの cGMP 生成が促進されます。 この結果、冠動脈の血管拡張が引き起こされます。 よって、記述 c は正しいです。 記述 d ですが ジピリダモールは、アデノシン増強薬です。 アデノシンの分解を抑制するなどにより 冠動脈に存在する A2 受容体へのアデノシン結合量を増加させ 冠血管拡張を引き起こし それにより心筋への酸素供給量を増加させます。 よって、記述 d は正しいです。 記述 e ですが アルテプラーゼは 組織プラスミノーゲンアクチベータです。 心筋梗塞治療薬として用いられます。 フィブリン親和性が高いです。 そのため、血栓に特異的に吸着します。 (フィブリンは、血栓の構成要素タンパク質です。) そして、血栓中で、プラスミノーゲンをプラスミンに変えます。 プラスミンは、フィブリンを分解するタンパク質です。 血栓溶解が、促進されます。 循環血中のプラスミノーゲンを活性化するわけでは |