問96-136 解説



問136

呼吸器系に作用する薬物に関する記述の正誤について
正しい組合せはどれか。 

a カルボシステインは
ムコタンパク質中のジスルフィド結合反応を促進して
痰を凝集させる。

b ナロキソンは
延髄の呼吸中枢を直接刺激して
呼吸興奮を引き起こす。

c ノスカピンは
延髄の咳中枢を抑制して
鎮咳作用を示す。

d プロカテロールは
選択的アドレナリンβ2受容体刺激薬であり
心臓への直接作用は弱い。

e ドキサプラムは
頸動脈小体の化学受容器を刺激して
呼吸興奮を引き起こす。


  a  b  c  d  e
1 誤 誤 正 正 正
2 正 誤 正 誤 正
3 誤 正 誤 正 誤
4 誤 誤 正 誤 正
5 正 正 誤 誤 誤



記述 a ですが
システイン系の去痰薬は
S-S 結合(ジスルフィド結合)を
開裂させたりすることで
痰のねばねばを低下します。

ジスルフィド結合反応を
促進させるわけではありません。


よって、記述 a は誤りです。



※記述 a について補足

システイン系の去痰薬の中でも
カルボシステインは少し特殊です。
特殊というのは、SH 基を持たないのです。

そのため、他のシステイン系とは異なり
S-S結合の開裂ではなく
痰中のシアル酸とフコースの構成比の調節等が
作用機序です。



記述 b ですが
ナロキソンは、μ受容体拮抗薬です。
延髄の呼吸中枢を直接刺激することは、ありません。


よって、記述 b は誤りです。



記述 c ですが
ノスカピンは、非麻薬性中枢性鎮咳薬です。


咳中枢の抑制により
鎮咳作用を示します。


よって、記述 c は正しいです。



記述 d ですが
プロカテロールは
選択的 β2 刺激薬です。


心臓に発現している、主な受容体は β1 受容体です。
そのため、心臓への直接作用は弱いです。


よって、記述 d は正しいです。



ちなみに、β1 受容体は、477 アミノ酸残基
β2 受容体は、413 アミノ酸残基からなります。
遺伝子がコードされている染色体も違います。



記述 e ですが
ドキサプラムは、呼吸興奮薬です。


頚動脈小体を介して
反射的に呼吸中枢を刺激し、呼吸興奮を
引き起こします。


よって、記述 e は正しいです。



以上より、正しい組み合わせは
誤誤正正正 です。


正解は 1
です。



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