問138 消化器系に作用する薬物に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 a インフリキシマブは 腫瘍壊死因子α(TNFα) の中和抗体で 中等度から重度のクローン病の治療に用いられる。 b ポリカルボフィルカルシウムは 腸内水分保持作用及び内容物輸送調節作用を示し 過敏性腸症候群の治療に用いられる。 c ラミブジンは ウイルスの逆転写酵素を阻害し、C型肝炎の治療に用いられる。 d カモスタットは 脂質分解酵素を阻害し、急性膵炎及び慢性膵炎の急性増悪時に用いられる。 e ウルソデオキシコール酸は 胆汁酸を胆汁中に増加させ 外殻石灰化を認めないコレステロール胆石を溶解する。 1(a、b、c) 2(a、b、e) 3(a、c、d) 4(b、d、e) 5(c、d、e) 記述 a,b はその通りの記述です。 インフリキシマブは 抗ヒト TNF-α モノクローナル抗体です。 リウマチやクローン病などに適応があります。 クローン病とは、口から消化管までの全消化管における 原因不明の炎症性疾患です。 ポリカルボフィルカルシウムは、水分の調節を行う薬で 下痢にも便秘にも効果を示し、過敏性腸症候群の治療に 用いられます。 記述 c ですが ラミブジンは、細胞内でリン酸化を受けて活性化し DNA 合成を阻害したり、逆転写酵素を阻害することで 作用します。 C 型ではなく、B 型肝炎の治療に用いられます。 よって、記述 c は誤りです。 記述 d ですが カモスタットは、脂質分解酵素阻害ではなく タンパク分解酵素阻害薬です。 急性膵炎や、慢性膵炎の治療に用いられます。 よって、記述 d は誤りです。 記述 e ですが この通りの記述です。 参考) (薬理まとめました 3-2 4) へ) (薬理まとめました 3-2 5) へ) 以上より、正しいものの組み合わせは (a , b , e)です。 正解は 2 です。 |