問142 血液・造血器官に作用する薬物に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 a 葉酸は、胃粘膜からのビタミン B12 の吸収を促進し 悪性貧血の治療に用いられる。 b メコバラミンは ヘム合成に必要なビタミン B6 の誘導体で 鉄芽球性貧血の治療に用いられる。 c エポエチンアルファは 赤芽球前駆細胞から赤血球への分化・増殖を促進し 腎性貧血の治療に用いられる。 d フィルグラスチムは 顆粒球コロニー刺激因子製剤で 好中球減少症の治療に用いられる。 1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d) 6(c、d) 記述 a ですが 悪性貧血とは、胃内因子と呼ばれる糖タンパク質の欠如により ビタミン B12 が吸収されなくなることが原因である貧血です。 治療には、ビタミン B12 の非経口投与が行われます。 葉酸は、悪性貧血の治療には、用いられません。 ちなみに、葉酸が不足しても、貧血がおきます。 この場合の貧血は、巨赤芽球性貧血と呼ばれます。 よって、記述 a は誤りです。 記述 b ですが メコバラミンは、ビタミン B12 製剤です。 ビタミン B6 の誘導体では、ありません。 また、用いられるのは、鉄芽球性貧血ではありません。 先ほどの解説でも出てきましたが、巨赤芽球性貧血や 悪性貧血の治療に用いられる薬です。 (また、末梢性神経障害=手足のしびれ・痛み等に よく用いられている成分です。) よって、記述 b は誤りです。 記述 c ですが エポエチンアルファは 遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン製剤です。 エリスロポエチンとは、腎臓で産生される、赤血球増殖因子です。 (165アミノ酸残基からなる、タンパク質です。) エポエチンアルファは 赤血球前駆細胞から、赤血球への分化・増殖を促進します。 腎性貧血の治療に用いられます。 よって、記述 c は正しいです。 記述 d ですが フィルグラスチムは G-CSF (granulocyte-colony stimulating factor:顆粒球コロニー刺激因子) 製剤です。 骨髄における白血球の分化・増殖を刺激し |