問143 眼に作用する薬物に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 a ブナゾシンは アドレナリン α1 受容体を遮断し ぶどう膜強膜流出路からの眼房水の流出を促進する。 b ナファゾリンは 血管平滑筋のアドレナリン α1 受容体を刺激し 表在性充血を除去する。 c イソプロピルウノプロストンは 瞳孔径に影響せず 眼房水の流出を促進する。 d トロピカミドは 瞳孔括約筋のアセチルコリン M3 受容体を刺激し 縮瞳を起こす。 e グルタチオンは タンパク質とキノン体の解離を阻害し 水晶体タンパク質の変性を防止する。 1(a、b、c) 2(a、b、e) 3(a、c、d) 4(b、d、e) 5(c、d、e) 記述 a ですが ブナゾシンは、α1 受容体遮断薬です。 眼房水の排出を促進します。 ちなみに、房水は、毛様体で作られて 眼球を循環した後、隅角の近く、シュレム管から主に(80%ぐらい) 排出されます。 房水の10%ぐらいが、ぶどう膜強膜流出路により 強膜(眼球の一番外側)へと流出します。 又、ぶどう膜とは、毛様体、脈絡膜、虹彩の3つの総称です。 眼球全体を包み込むように広がっている部分の総称といえます。 記述 b ですが ナファゾリンは、α1 受容体刺激薬です。 血管を収縮させることで、充血を取り除く作用があります。 よって、記述 b は正しいです。 記述 c ですが イソプロピルウノプロストンは プロスタグランジン F2α の代謝物誘導体です。 房水流出を促進します。 瞳孔系には、影響しません。 よって、記述 c は正しいです。 記述 d ですが トロピカミドは、抗コリン薬です。 アセチルコリン受容体を遮断します。 アセチルコリン受容体を、刺激するわけではありません。 よって、記述 d は誤りです。 記述 e ですが グルタチオンは、水晶体タンパク質のSH基が S-S結合を形成するのを 阻害することで、水晶体の混濁を防ぎます。 タンパク質とキノン体の乖離を阻害するのは |