問149 抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち 正しいものの組合せはどれか。 a メトトレキサートは ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し テトラヒドロ葉酸を枯渇させてDNA合成を抑制する。 b ホスフェストロールは エストロゲン受容体を遮断し エストロゲン依存性乳癌の増殖を抑制する。 c エトポシドは DNAポリメラーゼを直接阻害し、DNA合成を抑制する。 d タモキシフェンは 下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌を阻害し エストロゲンの分泌を抑制する。 e リュープロレリンは 黄体化ホルモン放出ホルモン (LH-RH) 受容体の脱感作により 精巣のテストステロン合成・分泌を抑制する。 1(a、b) 2(a、e) 3(b、c) 4(c、d) 5(d、e) 記述 a はその通りの記述です。 ちなみに、メトトレキサートは関節リウマチの治療にも 用いられます。用法、用量が違うので、注意が必要な薬です。 記述 b ですが ホスフェストロールは、合成卵胞ホルモンです。 エストロゲン受容体を刺激します。 適応は、前立腺がんです。 よって、記述 b は誤りです。 記述 c ですが エトポシドは、トポイソメラーゼⅡ阻害薬です。 DNAポリメラーゼ阻害薬ではありません。 よって、記述 c は誤りです。 ちなみに、トポイソメラーゼは、DNA合成において ねじれの解消を担う酵素です。 ポリメラーゼは、DNA合成において 二本鎖の一方を鋳型として DNA鎖を伸長させる酵素です。 記述 d ですが タモキシフェンは、エストロゲン受容体遮断薬です。 性腺刺激ホルモンの分泌を阻害するわけではありません。 よって、記述 d は誤りです。 記述 e は、その通りの記述です。 以上より、正しいものの組み合わせは (a , e)です。 正解は 2 です。 問題へ戻る |