96-159 解説


問159
薬物の経口投与量 (D) を増加させたときに
増加するパラメータの正誤について、正しい組合せはどれか。
ただし、血中薬物濃度時間曲線下面積をAUCとする。

 a 消化管吸収過程に飽和がある薬物のAUC/D


 b 分布容積が大きく、組織との結合率は投与量によらず一定で

かつ血漿タンパク結合に飽和がある薬物の分布容積


 c 代謝過程のみで消失し、代謝過程に飽和がある薬物のAUC/D


 d 腎尿細管分泌過程に飽和がある薬物のAUC/D


   a  b  c  d
 1 正 正 誤 正
 2 正 誤 誤 誤
 3 誤 正 正 誤
 4 誤 誤 正 誤
 5 誤 正 正 正



記述 a ですが
消化管吸収に飽和があるならば
経口投与量をある程度増やすと
一定量以上吸収されないから
AUC が一定値となります。

そして D が増加すると
AUC/D は、分母だけ大きくなり
全体としては小さくなると考えられます。

記述 a は誤りです。


記述 b ですが
血漿タンパク質結合に飽和がある ということは
D がある程度以上増えると
全て血中でタンパク質と結合せず
フリーになる ということです。

フリーな薬物は、組織に移行するのだから
投与した量に対し、組織へ移行する量が増えます。
すると、血中濃度が下がります。

分布容積は、D/C0 と表されるので
血中濃度が下がり、D が増えれば
分子の値が小さくなり、分母の値が大きくなる ので
全体として大きくなると考えられます。

記述 b は正しいです。


記述 c ですが
投与量と AUC が初めのうちは比例すると
考えられます。

そして、ある程度の量から
代謝が飽和することで
Dの増加に伴う AUC の増加がより大きくなる 
と考えられます。
従って  AUC/D は増加する と考えられます。

記述 c は正しいです。


選択肢 d ですが
分泌というのは、体外への排泄過程です。
これが飽和すると
血中により多く薬物が残存する
→AUC がより大きくなる。 と考えられます。
従って、AUC/D は増加する と考えられます。

記述 d は正しいです。



以上より、正解は 5 です。