問96-204 解説



問204

肺癌とその治療に関する記述のうち
正しいものの組合せはどれか。

a 我が国では
肺癌による死亡数は
成人男性における悪性腫瘍死の第1位である。

b 非小細胞肺癌の非進行症例の治療において
化学療法は外科手術よりも優先される。

c 小細胞肺癌治療には
シスプラチンとエトポシドの併用療法が適応となる。

d ゲフィチニブの重篤な副作用として
急性肺障害や間質性肺炎がある。

e イリノテカン塩酸塩水和物は
癌細胞の増殖にかかわるチロシンキナーゼを阻害する作用を持つ。

1(a、b、c) 2(a、b、e) 
3(a、c、d)
4(b、d、e) 5(c、d、e)



記述 a ですが
成人男性の悪性腫瘍死の第1位は
1999 年以降、肺がんが1位です。
年間、約70000人です。(H 21 人口動態統計より)


よって、記述 a は正しいです。



記述 b ですが
非小細胞肺がんでは、非進行症例においては
外科手術が、化学療法よりも優先されます。
参考) 非小細胞肺がんの治療方針
(リンク先は がんを学ぶ HP)



記述 c ですが
小細胞肺がん治療では
化学療法が中心です。


標準的な治療法として
シスプラチン+エトポシド (PE)療法が
用いられます。


よって、記述 c は正しいです。



記述 d ですが
ゲフィチニブには、急性肺障害や、間質性肺炎が
副作用として見られます。


ちなみに、遺伝子変異があるヒトに
ゲフィチニブはよく効くことが、調査によりわかっています。


現在では、事前に遺伝子検査を行い
EGFR 遺伝子という遺伝子に変異が見られる場合に
希望によりゲフィチニブによる治療を選択することが
できるようになっています。


よって、記述 d は正しいです。



記述 e ですが
イリノテカンは、トポイソメラーゼ阻害薬です。
トポイソメラーゼⅠを阻害することにより
抗ガン作用を示します。
チロシンキナーゼ阻害では、ありません。


ちなみに、トポイソメラーゼとは
DNA の切断と再結合を補助する酵素です。
DNA 複製において重要な役割を果たしています。


よって、記述 e は誤りです。



以上より、正しいものの組み合わせは
(a,c,d)です。


正解は 3
です。



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