問96-210 解説



問210

50歳男性。
15年前に健康診断で尿タンパクを指摘された。
5年ほど前から高血圧も指摘されるようになった。

最近、排尿時に力まないと尿が出にくく
夜間に尿意で何度も目が覚めるようになったため来院した。
現在、薬物療法は受けていない。


 身体所見:
  身長160 cm、体重66 kg、血圧165/95 mmHg、.胸腹部異常なし、
  下肢に浮腫あり、直腸指診にて前立腺肥大あり、
  胸部X線:心胸郭比 (CTR) 52%。


 血液検査:
  赤血球315×104/μL、白血球6,000/μL、血小板数2.5×105/μL、
  血清総タンパク5.4 g/dL、血中尿素窒素 (BUN) 50 mg/dL、
  血清クレアチニン (Scr) 2.4 mg/dL、
  アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST) 25 IU/L、
  アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT) 20 IU/L、
  γ-グルタミルトランスペプチダーゼ (γ-GTP) 40 IU/L、
  Na 138 mEq/L、K 5.2 mEq/L、Cl 102 mEq/L、Ca 9.2 mEq/L、
  総コレステロール300 mg/dL、HDLコレステロール30 mg/dL、
  トリグリセリド310 mg/dL、空腹時血糖108 mg/dL、HbA1c 5.6%、
  前立腺特異抗原 (PSA) 3.0 ng/mL (基準値 4.0 ng/mL以下)。


 尿検査:
  タンパク(3+)、糖(-)、潜血(±)。



この患者の高血圧治療に関する記述の正誤について
正しい組合せはどれか。

a 降圧目標値は、通常の高血圧患者よりも低く設定すべきである。

b アンギオテンシンII 受容体遮断薬を用いる場合には、急激な腎機能低下に注意する。

c チアジド系利尿薬の使用が推奨される。

d 体液中の電解質を改善するため、アルドステロン受容体遮断薬が推奨される。

e 前立腺肥大症を合併しているので、アドレナリンα1受容体遮断薬が推奨される。

  a  b  c  d e
1 正 正 誤 誤 正
2 正 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤 正
4 誤 正 正 正 誤
5 正 誤 誤 正 誤
6 誤 正 誤 正 正



記述 a はその通りの記述です。
通常の高血圧患者の降圧目標値は
合併症などがないという場合の値です。


本患者では、腎障害を伴う高血圧であるため
通常の高血圧患者よりも低く設定すべきです。


参考) 高血圧降圧目標のガイドライン
(日本心臓財団のHP へ)



記述 b ですが
その通りの記述です。



記述 c ですが
降圧のために、チアジド系利尿薬を用いることは
重篤な腎障害のある患者には、慎重投与となっています。
推奨は、されません。



記述 d ですが
アルドステロン受容体遮断薬とは
K 保持性利尿薬のことです。


血清K値が高めであるため
推奨されません。



記述 e ですが
この通りの記述です。


ちなみにα1受容体遮断薬とは
ブラゾシンや、テラゾシンなどです。


以上より、正しい組み合わせは
正正誤誤正 です。


正解は 1
です。



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