問99-11 解説



問11 気管の内面を覆う上皮組織を表す模式図はどれか。
1つ選べ。








気管の内面を覆う上皮組織は
大部分が多列円柱上皮細胞です。



選択肢 1 は
単層扁平上皮細胞です。

この構造は、うすっぺらく
かきむしるといった少しの刺激ですぐはがれます。

保護機能は弱いけれど
物質交換機能に優れる形態です。
血管内皮細胞などに見られます。

気管の内面の模式図としては、不適当です。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は
単層円柱上皮細胞です。

この構造は
ロケット弾を装てんするために
細長く筒状になっている構造と考えるとよいです。

ロケット弾にたとえたのは消化液です。
消化液は、細胞の外に分泌されます。
胃や腸といった消化管の内壁などに見られる構造です。

気管の内面の模式図としては、不適当です。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は 
重層扁平上皮細胞です。

この構造は
次から次へと生まれては消費されている構造
と考えるとよいです。

一番表面は、単層扁平上皮細胞と同様に
軽くかきむしっただけでぼろぼろはがれます。
これがフケなどの実体です。
皮膚上皮が代表例です。

気管の内面の模式図としては、不適当です。

よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は
重層立方上皮細胞です。

外部からの刺激が多く、保護機能を高めるために多層構造であり
かつ、分泌液を放出するため、表面の細胞の体積が大きくなっている
という構造と考えるとよいです。
唾液腺が代表例です。
(口の中なので、異物がたくさんだから、保護機能が必要
かつ、唾液の分泌を行うような器官であるためと考えられます。)

気管の内面の模式図としては、不適当です。


よって、選択肢 4 は誤りです。


(選択肢 3,4 は
見た目が重層であることに注目して誤りであると
判断すると、分かりやすいと思われます。)



選択肢 5 は
多列円柱上皮細胞です。


選択肢 5 は正しいです。



以上より、
正解は 5 です。



ちなみに、この問題について
それぞれの上皮細胞の分類を知っていることは
おそらく期待されていなかったと思われます。

むしろ、1つの考え方としては
気管が分泌液を排出している点に注目し
そのような機能を有するのであれば
「ところどころ穴が開いている」
ような模式図であるのではないか
と推測するとよいのではないかと考えられます。

他の考え方としては
「表面には毛があるはず」と考えて
「表面が一番つるっとしていない」模式図はどれか
と推測しても、正解を選べたのではないかと考えられます。

(もちろん
代表的な組織と器官の対応を
思い出すことができたのであれば
それで問題ありません。)





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参考)
肺、気管支の機能と構造