99-266~99-285 解説一覧



問266
40歳男性。薬局で下記の成分を含有する一般用医薬品を購入した。




この一般用医薬品の主な効能・効果として適切なのはどれか。
1つ選べ。

1 胃酸過多、胸やけ、胃部不快感、胃痛
2 下痢、軟便
3 かぜの諸症状(のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみなど)の緩和
4 急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状の緩和
5 慢性便秘、常習性便秘



分量が多い所に注目すると
水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物
及び、酸化マグネシウムが配合されています。
よって、制酸剤であると考えられます。

制酸剤は、胃酸過多や胸やけなどに
使用される成分です。


よって、正解は 1 です。



ちなみに
メチルメチオニンスルホニウムクロライド(MMSC)は
キャベツの絞り汁から発見された成分です。
胃粘膜保護作用があります。
キャベジン等の有効成分の1つです。


又、ロートエキスは
胃酸の出すぎを抑える作用があります。
アルカロイドを含み、抗コリン作用を有します。
乳汁移行するので、授乳中は避けるべき成分です。






問267
40歳男性。
薬局で下記の成分を含有する一般用医薬品を購入した。





この患者が近医でマイコプラズマ肺炎と診断され
薬局に処方せんを持ってきた。

薬局では処方薬のミノサイクリン塩酸塩錠を調剤して
これを服用中は上記の一般用医薬品の服用を控えるように指導した。
その理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。


1 ミノサイクリンの溶解が促進され
吸収速度が上昇する。

2 難溶性のキレートが形成され
ミノサイクリンの吸収量が減少する。

3 ミノサイクリンの胃内での分解が促進され
吸収量が減少する。

4 ミノサイクリンの消化管上皮細胞内での代謝が抑制され
吸収量が増加する。

5 胃内容排出速度が低下し
ミノサイクリンの吸収が遅延する。



ミノサイクリンは
テトラサイクリン系の抗生物質です。
リボソーム 30S サブユニットに結合し
タンパク質合成を阻害することで
静菌的に作用します。


マグネシウム等、金属陽イオンと
難溶性のキレートを形成し
吸収が減少することが知られています。


よって、正解は 2 です。



ちなみに
服用時間をずらしたり
マグネシウム等が含まれない
胃腸薬(セルベール等)に変更する
といった対応も考えられます。







問268
32歳女性。消化器外来に通院中。
数日前からじん麻疹を発症し
抗アレルギー薬が追加処方されることになった。

担当医師から薬剤師に対して
「患者がなるべく眠くならない薬剤を希望しているが
推奨できるものは何か」と問い合わせがあった。

薬剤師が推奨すべき抗アレルギー薬として
最も適切なのはどれか。1つ選べ。


1 シプロヘプタジン塩酸塩水和物
2 エバスチン
3 フェキソフェナジン塩酸塩
4 セチリジン塩酸塩
5 ホモクロルシクリジン塩酸塩



眠くなりにくい抗アレルギー薬といえば
第一に、フェキソフェナジン(アレグラ)です。

添付文書に服用時の自動車運転等への
注意記載がなく、推奨できると考えられます。
(ちなみに、選択肢にはありませんが
ロラタジン(クラリチン)も、注意記載がありません。)


よって、正解は 3 です。



ちなみに、シプロヘプタジンは
商品名がペリアクチンです。
小児用シロップで
実習等でよく見かけたのではないかと思います。


エバスチンは、商品名がエバステルです。
第二世代抗ヒスタミン薬です。
眠気は少ないと言われていますが
添付文書には、運転などに注意喚起があります。


セチリジンは、商品名がジルテックです。
第二世代抗ヒスタミン薬です。
エバスチンと同様、眠気は少ないと言われていますが
添付文書には、運転などに注意喚起があります。


ホモクロルシクリジンは、商品名がホモクロミンです。
第一世代抗ヒスタミン薬です。
比較的速効性がある抗アレルギー薬です。







問269
32歳女性。消化器外来に通院中。
数日前からじん麻疹を発症し
抗アレルギー薬が追加処方されることになった。

担当医師から薬剤師に対して
「患者がなるべく眠くならない薬剤を希望しているが
推奨できるものは何か」と問い合わせがあった。


図は薬物の血液脳関門透過速度と
1-オクタノール/水分配係数の関係を
示したものである。

前問で選択した薬物について、正しい記述はどれか。1つ選べ。
ただし、B群の薬物においては
血液脳関門透過速度と分子量で補正した分配係数との間に
図に示す直線関係がみられている。






1 アミノ酸やグルコースなどの栄養物質と同様にA群に属する。
2 B群に属し、血液脳関門透過はpH分配仮説に従う。
3 B群に属し、脳内への移行にトランスポーターが関与している。
4 レボドパやバクロフェンと同様にC群に属する。
5 C群に属し、P-糖タンパク質によって脳内への移行が妨げられる。




フェキソフェナジン(アレグラ)は
P-糖タンパク質 (P-gp) の基質の一つです。
脳内移行が妨げられる事が知られています。

これにより、脂溶性と、脳関門通過速度が
単純な比例関係ではなく
脂溶性の割に、通過速度が小さくなります。
つまり、図の C 群に属します。


以上より、正解は 5 です。



ちなみに
「フェキソフェナジンが、P-gp の基質の一つ」と
知らなくても
「第二世代の抗ヒスタミン薬の中でも
とりわけ眠気が少ないと評価されている」
→「眠気が少ない=中枢移行が少ない?」
→「特別な排出機構があるのではないか?」
→「排出機構といえば、P-gp が代表的」
と推測していくことで、正解に辿り着けるのではないかと
考えられます。






問270
40歳男性。体重65kg。

病院で腎移植後
シクロスポリンを含む処方による治療を継続中である。
1年後の定期検診で脂質異常症と高血圧症を指摘された。


これらの症状を改善する次の薬物のうち
シクロスポリンと併用禁忌なのはどれか。1つ選べ。

1 アムロジピンベシル酸塩
2 イコサペント酸エチル
3 カルテオロール塩酸塩
4 コレスチラミン
5 ロスバスタチンカルシウム



シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)は
ピタバスタチン(リバロ) 及び
ロスバスタチン(クレストール) と
併用禁忌です。

(高脂血症薬であれば、リピトールやローコールならば
併用禁忌ではない。(併用注意)。)


このメカニズムですが
OATP1B1(有機アニオントランスポーターの一種)を
ネオーラルが阻害
→血中から肝臓への、スタチン取り込みが阻害
→スタチン系の血中濃度が上昇
です。


又、降圧薬では、アリスキレン(ラジレス)が
併用禁忌です。



以上より、正解は 5 です。




ちなみに、シクロスポリンによる副作用に
高脂血症があります。

よって、シクロスポリンによる治療中の患者に
高脂血症薬が用いられることは考えうることです。

そのため、このような禁忌については
確実に覚えておくよう、意識しておく必要があるといえます。







問271
40歳男性。体重65kg。

病院で腎移植後
シクロスポリンを含む処方による治療を継続中である。
1年後の定期検診で脂質異常症と高血圧症を指摘された。

前問において併用禁忌となる相互作用の
主なメカニズムはどれか。1つ選べ。

1 ペプチドトランスポーターを介した小腸吸収の阻害
2 有機アニオントランスポーターを介した肝取り込みの阻害
3 肝CYP3A4による代謝の冗進
4 糸球体ろ過速度の上昇
5 有機カチオントランスポーターを介した尿細管分泌の阻害


有機アニオントランスポーターを介した
肝取り込み阻害による相互作用です。


よって、正解は 2 です。






問272
23歳女性。体重45kg・てんかんと診断され、下記の処方による治療が開
始された。


(処方)
フェニトイン錠100mg1回1錠(1日3錠)
1 日3 回朝昼夕食後1 4 日分


この患者で予想される定常状態でのフェニトイン血中濃度とその解釈として、最
も適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、この患者におけるフェニトインの体内動態に関するパラメータとして、
ミカエリス定数 5 μg /mL、みかけの最大消失速度 10 mg / kg / day が得られている。


1 血中濃度は 10 μg / mL と予想され、有効濃度域を下回っていると考えられる。
2 血中濃度は 10 μg / mL と予想され、有効濃度域の下限付近と考えられる。
3 血中濃度は 10 μg / mL と予想され、有効濃度域の上限付近と考えられる。
4 血中濃度は 20 μg / mL と予想され、有効濃度域の下限付近と考えられる。
5 血中濃度は 20 μg / mL と予想され、有効濃度域の上限付近と考えられる。
6 血中濃度は 20 μg / mL と予想され、有効濃度域の上限を超えていると考えられる。




フェニトインの有効血中濃度は
10 ~ 20 μg/mL です。
よって、選択肢 1,3,4,6 は誤りです。


フェニトインの定常状態での血中濃度 (Css) は
以下の式により表されます。
(ミカエリス・メンテンの式の形。)

D/τ = (V max ・ Css) / Km + Css

※ D/τ ・・・ 投与量/投与間隔
※ Vmax・・・ みかけの最大消失速度
※ Css・・・ 定常状態の血中濃度
※ Km ・・・ ミカエリス定数


単位を合わせつつ、数字を代入します。

D/τ → 300 mg/day 
Vmax → 45 kg なので 450 mg/day
Css は、求める変数なので x (μg/mL)
Km → 5 μg/mL

mg と μg が混ざっている。
μg/mL = mg/L なので、全て mg/L にすると
単位がきれいにあう。

後は数字を代入して計算すると

300 = 450 x / 5 + x
300 (5 + x) = 450 x
150 x = 1500 

となるので
x = 10 (μg/mL) です。



以上より、正解は 2 です。







問273
23歳女性。体重45kg・てんかんと診断され、下記の処方による治療が開
始された。


(処方)
フェニトイン錠100mg1回1錠(1日3錠)
1 日3 回朝昼夕食後1 4 日分


フェニトインの投与量が増加したとき
代謝飽和のために値が小さくなる
薬物動態パラメータはどれか。1つ選べ。


1 全身クリアランス
2 分布容積
3 血中消失半減期
4 最高血中濃度/投与量
5 血中濃度時間曲線下面積/投与量



フェニトインは、1日投与量がある程度増えると
血中濃度が急激に上がることが知られています。
この理由は代謝飽和です。


この時、全身クリアランス、つまり
薬物を血中から体外へと排出する能力は
小さくなっています。


よって、選択肢 1 が正解です。



ちなみに
他の選択肢も検討しておくと

分布容積(Vd)は D/C0 で表されます。
初濃度 C0 は
D が増加すればその分増えるため
全体としては
かわらないと考えられます。

よって、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
半減期は、代謝がなかなかされないのだから
長くなります。

よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
最高血中濃度が高くなるので
分数の分子が大きくなるため
全体として、大きくなります。

よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
血中濃度時間曲線下面積 (AUC) は
血中濃度が高くなることで、大きくなると考えられます。

分数の分子が大きくなるため
全体として、大きくなります。

よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1 です。







問274
36歳男性。
体重70kg。気管支ぜん息の治療中である。
吸入ステロイド薬で良好にコントロールされていたが
急性発作により、夜間救急を受診した。

サルブタモール硫酸塩の吸入を反復したが改善せず
アミノフィリン点滴静注の処方が出された。


テオフィリンの溶解度を上昇させる目的で
アミノフィリン注射液に含有されて
いる添加剤はどれか。1つ選べ。


1 エチレンジアミン
2 ポリエチレングリコール
3 β-シクロデキストリン
4 ドデシル硫酸ナトリウム
5 ベンジルアルコール




アミノフィリンは
テオフィリン+エチレンジアミンの複合体 です。
(テオフィリン2分子と、エチレンジアミン1分子の塩。)

問題文の通り、エチレンジアミンは
溶解性の向上のため、添加されています。



よって、正解は 1 です。







問275
36歳男性。
体重70kg。気管支ぜん息の治療中である。
吸入ステロイド薬で良好にコントロールされていたが
急性発作により、夜間救急を受診した。

サルブタモール硫酸塩の吸入を反復したが改善せず
アミノフィリン点滴静注の処方が出された。


この患者における定常状態での血中テオフイリン濃度を15μg/mLとしたい。
テオフィリンの点滴静注速度(mg/h)として適切な値はどれか。1つ選べ。
ただし、この患者におけるテオフィリンの血中消失半減期は7時間
分布容積は32L、ln 2=0.693とする。


1  12 
2  24 
3  36 
4  48 
5  60



半減期(T1/2)が 7 (hr) なので
消失速度定数(Ke) は T1/2 = ( ln2 / ke) より
大体 0.1 です。

※薬剤師国家試験では、 ln 2 は、0.7 と近似して考えてよいです。


分布容積(Vd) が 32 (L) とわかっているので
クリアランス(CL) = ke ・ Vd より
CL = 0.1 × 32 = 3.2 (L/h) とわかります。


すると、定常状態の血中濃度(Css)は
Css = (D/τ)/CL で表されるため 代入して計算すると

15 = (?)/3.2

より、求める 点滴静注速度は 48 とわかります。


以上より、正解は 4 です。






問276
36歳男性。
体重70kg。気管支ぜん息の治療中である。吸入ステロイド薬
で良好にコントロールされていたが、急性発作により、夜間救急を受診した。サル
ブタモール硫酸塩の吸入を反復したが改善せず、アミノフィリン点滴静注の処方が
出された。



この患者にアミノフイリン注射液(250mg/10mL)を前問で求めたテオフイリ
ンとしての静注速度で1時間かけて点滴静注する場合、使用する薬液量(mL)と
して最も適切な値はどれか。1つ選べ。
ただし、アミノフイリン中のテオフイリン含量は80w/w%とする。


1 0 .6 
2 1 .2 
3 1.8 
4 2.4 
5 3.0



前問で、テオフィリンの静注速度は
48 mg/h と求めています。


10mL に、アミノフィリンが 250 mg 入っている。
→ 10 mL に、テオフィリンが 200 mg 入っている。
→ 何 mL に、テオフィリンが 48 mg 入っているのだろうか。

という問題になるので
こういう場合は 1 mL に 何 mg 入っているか
を計算するとわかりやすくなります。

1 mL に、テオフィリンは、20 mg 入っているので
48 mg 欲しいのであれば
48 ÷ 20 = 2.4 mL とればよいです。



以上より、正解は 4 です。






問277
36歳男性。
体重70kg。気管支ぜん息の治療中である。吸入ステロイド薬
で良好にコントロールされていたが、急性発作により、夜間救急を受診した。サル
ブタモール硫酸塩の吸入を反復したが改善せず、アミノフィリン点滴静注の処方が
出された。



アミノフィリン点滴静注を行う際の注意事項に関する記述のうち、
誤っているのはどれか。1つ選べ。



1 肝障害のある患者では
血中テオフィリン濃度が上昇しやすい。

2 喫煙習慣のある患者では
血中テオフィリン濃度が上昇しやすい。

3 ニューキノロン系抗菌薬を併用している患者では
テオフィリンの中毒症状が現れることがある。

4 過量投与では、痙れんが発現しやすい。

5 過量投与の処置としては
輸液による排泄促進が有効である。



選択肢 2 ですが
喫煙により、CYP 1A2 が誘導されます。
テオフィリンはこの代謝酵素により代謝を受けるため
喫煙習慣のある患者では
血中テオフィリン濃度が十分に上昇しないおそれがあります。
濃度が上昇しやすいわけでは、ありません。



選択肢 1,3,4,5 は、正しい記述です。



以上より、正解は 2 です。







問278 
22歳女性。
中等度のアトピー性皮層炎にて受診している。
今回、顔面、頚部、体幹、腕等に炎症を認めたため
次の薬剤が処方された。

(処方1)
タクロリムス水和物軟膏 0.1%    1回適量
1日2回   赤みが強い部位に塗布  全量 20g

(処方2)
デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏 0.12%  1回適量
1日2回   頚部、体幹、腕に塗布全量30g

(処方3)
ヒルドイドローション0.3%(注)1回適量
1日2回  全身に塗布全量 150g
(注:ヘパリン類似物質製剤)

(処方4)
アゼラスチン塩酸塩錠1mg    1回1錠 (1日2錠)
1 日2 回   朝食後就寝前7 日分


次の記述のうち
服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 タクロリムス水和物軟膏は
皮層萎縮の副作用があるので
顔面に使用しないように指導した。

2 デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏は
炎症が軽くなれば使用を直ちに中止するように指導した。

3 ヒルドイドローションは
入浴直後に使用すると効果的であると指導した。

4 アゼラスチン塩酸塩は眠気を誘発するため
車の運転をしないように指導した。



選択肢 1 ですが
皮膚萎縮とは、表皮が薄くなる副作用です。
ステロイドの代表的な副作用の1つです。

タクロリムス水和物軟膏(プロトピック軟膏)は
ステロイドではありません。
ステロイドによる皮膚萎縮などが心配される時に
用いられることもある薬です。

顔や首といった、皮膚のうすい部位での効き目が
よいことが知られています。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
炎症が軽くなってきた時に、どのように休薬していくかは
自己判断ではいけません。
症状の様子を見ながら、医師の判断に従います。
原則としては、徐々に弱いステロイドにしていきます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3,4 は、正しい記述です。




以上より、正解は 3,4 です。







問279
22歳女性。
中等度のアトピー性皮層炎にて受診している。
今回、顔面、頚部、体幹、腕等に炎症を認めたため
次の薬剤が処方された。

(処方1)
タクロリムス水和物軟膏 0.1%    1回適量
1日2回   赤みが強い部位に塗布  全量 20g

(処方2)
デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏 0.12%  1回適量
1日2回   頚部、体幹、腕に塗布全量30g

(処方3)
ヒルドイドローション0.3%(注)1回適量
1日2回  全身に塗布全量 150g
(注:ヘパリン類似物質製剤)

(処方4)
アゼラスチン塩酸塩錠1mg    1回1錠 (1日2錠)
1 日2 回   朝食後就寝前7 日分



ヒルドイドローション0.3%に含まれる
添加物とその役割との組み合わせのうち、正しいのはどれか。
1つ選べ。


    添加物           役割
1 グリセリン            緩衝剤
2 パラオキシ安息香酸エチル  保存剤
3 セタノール           抗酸化剤
4 白色ワセリン          乳化剤
5 モノステアリン酸グリセリン  等張化剤




選択肢 1 ですが
グリセリンは、主に等張化剤として用いられます。


よって、選択肢 1 は誤りです。




選択肢 2 は、その通りの記述です。
パラオキシ安息香酸エステル類の他
塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、クレゾール
などが代表的保存剤です。

ちなみに
輸液のような大量に用いる製剤には、添加しません。



選択肢 3 ですが
セタノールは、高級飽和脂肪族アルコールです。
乳化剤、界面活性剤、増粘剤などに用いられます。
抗酸化剤としては、用いられません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
白色ワセリンは、保湿剤です。
乳化剤としては、用いられません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
モノステアリン酸グリセリンは
乳化剤です。
等張化剤としては、用いられません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2 です。






問280
65歳女性。
関節リウマチで内服薬を服用していたが
十分な治療効果が認められなかったため
モノクローナル抗体(遺伝子組換え)製剤が投与されることとなった。



次の製剤のうち、関節リウマチに適応があるのはどれか。
2つ選べ。

1 アダリムマブ皮下注
2 ウステキヌマブ皮下注
3 トシリズマブ点滴静注用
4 トラスツズマブ注射用
5 バシリキシマブ静注用



選択肢 1 は、正しい選択肢です。
アダリムマブ(ヒュミラ)は
ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。

関節リウマチの他
クローン病や潰瘍性大腸炎などにも
適応があります。



選択肢 2 ですが
ウステキヌマブ(ステラーラ)は
ヒトインターロイキン12及び23の
p40サブユニットに対する
遺伝子組み換えヒトIgG1モノクローナル抗体です。

適応は、尋常性乾癬や関節症性乾癬です。
リウマチには適応がありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
トシリズマブ(アクテムラ)は
ヒトインターロイキン6レセプター
モノクローナル抗体です。

関節リウマチ等に適応があります。



選択肢 4 ですが
トラスツズマブ(ハーセプチン)は
細胞の増殖に関与する HER2タンパク質を標的とする
ヒト化モノクローナル抗体です。

乳がん等に適応がありますが
リウマチには適応がありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
バシリキシマブ(シムレクト)は
ヒトインターロイキン2受容体に対する
ヒト/マウス キメラ型モノクローナル抗体です。

適応は、腎移植後の急性拒絶反応の抑制です。
リウマチへの適応は、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,3 です。







問281
65歳女性。
関節リウマチで内服薬を服用していたが
十分な治療効果が認められなかったため
モノクローナル抗体(遺伝子組換え)製剤が投与されることとなった。


前問で選択した2種の注射剤に共通する記述として
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 密閉容器に保存されている。
2 遮光し、2~8℃で保存する。
3 生理食塩液に対する浸透圧の比は6である。
4 無菌試験法に適合する。



選択肢 1 ですが
密閉容器とは、固体の侵入を許さない容器で
代表例は、紙袋や箱です。

注射剤の容器は、密閉容器ではありません。

(ちなみに
固体及び液体の侵入を許さないのが
気密容器です。

気体も通さず、最も密閉度の高い容器が
密封容器です。

注射器は、密封容器にあたります。)


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、その通りの記述です。
ペプチドなので、分解や変性を避けるため
遮光し、冷所保存します。

また、凍結を避けるために
このような温度範囲に規定されています。



選択肢 3 ですが
浸透圧比が5を超えたあたりからは
末梢静脈からの投与が難しく
中心静脈からの投与となります。


よって、選択肢 3 は誤りです。

(ちなみに、ヒュミラについては浸透圧比が
約1とのことでした。
又、アクテムラについては浸透圧比が
0.5~1 ということでした。)



選択肢 4 は、その通りの記述です。
注射剤であることから、正しいと判断できたのではないかと
考えられます。



以上より、正解は 2,4 です。






問282
55歳男性。
体重67kg。C型‘慢性肝炎の治療のため、以下の薬剤が処方された。

(処方1)
注射用ペグインターフェロンアルファー2b(遺伝子組換え)
100μg/0.5mL用
(溶解液:日本薬局方「注射用水」0.7mL添付)
皮下注射  1バイアル

(処方2)
リバビリンカプセル200mg 1回2カプセル(1日4カプセル)
1 日2 回 朝夕食後 7 日分



上記処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ウイルス陰性化率は、ウイルスの遺伝子型の影響を受ける。
2 リバビリンは、単剤で強い抗ウイルス効果を示す。
3 B型慢性肝炎にも著効を示す。
4 主な副作用として発熱がある。
5 葛根湯は併用禁忌である。



選択肢 1 は、その通りの記述です。



選択肢 2 ですが
リバビリンは、インターフェロンとの併用で
効果を発揮する抗ウイルス薬です。
単独で強い抗ウイルス効果を示すわけでは
ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
リバビリンを併用するインターフェロン療法は
B 型肝炎には適応がありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。




選択肢 4 ですが
その通りの記述です。



選択肢 5 ですが
葛根湯は、併用禁忌ではありません。
ちなみに、小柴胡湯が併用禁忌です。



よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,4 です。







問283
55歳男性。
体重67kg。C型‘慢性肝炎の治療のため、以下の薬剤が処方された。

(処方1)
注射用ペグインターフェロンアルファー2b(遺伝子組換え)
100μg/0.5mL用
(溶解液:日本薬局方「注射用水」0.7mL添付)
皮下注射  1バイアル

(処方2)
リバビリンカプセル200mg 1回2カプセル(1日4カプセル)
1 日2 回 朝夕食後 7 日分



ペグインターフェロンアルファ-2bは
インターフェロンアルファー2bに
メトキシポリエチレングリコールを結合させたものである。
この結合の目的として、誤っているのはどれか。1つ選べ。


1 水溶性の向上
2 抗原性の低下
3 タンパク質分解酵素に対する安定性の向上
4 肝臓への標的指向化
5 糸球体ろ過の抑制


ポリエチレングリコールを結合させることを
PEG化といいます。

PEG化の目的は
水溶性の向上
血中濃度の維持(糸球体ろ過の抑制 など)
抗原性の低下
タンパク質分解酵素に対する安定性向上
などです。

PEG 化により血中濃度が維持され
全身に長く存在するようになる、というのが
大きなメリットの一つです。
肝臓への標的指向化という
目的はありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



以上より、正解は 4 です。







問284
65歳男性。
血液透析が施行されており、以下の薬剤を処方されていた。

(処方)
カルタン錠500(注1) 1回2錠 (1日6錠)
1 日3 回 朝昼夕食直後 1 4 日分
(注1:沈降炭酸カルシウム500mgを含む錠剤)


今回の検査において
eGFR(推算糸球体ろ過速度)15mL/min/1.73m2
血中リン濃度5.5mg/dL
補正血中カルシウム濃度 11.0 mg/dL
血中アルブミン濃度 3.7 g/dLという結果となり
以下の処方に変更になった。

(処方)
セベラマー塩酸塩(注2)錠 250mg
1回8錠 (1日24錠)
1 日3 回 朝昼夕食直前 1 4 日分
(注2:プロパ-2-エン-1-アミンと
1-クロロー2,3-エポキシプロパンの重合物の塩酸塩)


上記処方に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 カルタン錠は
血中リン濃度を上昇させる目的で処方された。

2 今回の処方変更は
血中カルシウム濃度が高値を示しているためである。

3 セベラマー塩酸塩錠は
経口投与されたカルシウムの吸収を促進させる。

4 セベラマー塩酸塩錠は
血中リンの排泄を促進する薬剤である。

5 セベラマー塩酸塩錠の重大な副作用として
腸管穿孔や腸閉塞がある。



選択肢 1 ですが
カルタン錠は、高リン血症 に用いるリン吸着薬です。
血中リン濃度を減少させる目的で処方されます。
上昇させる目的では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、その通りの記述です。

セベラマー塩酸塩(フォスブロック、レナジェル)は
カルシウムや金属を含まないため
血清カルシウム値が高く、炭酸カルシウム製剤が
使いにくい場合に有用な薬です。



選択肢 3 ですが
選択肢 2 の解説で述べたように
セベラマー塩酸塩は
カルシウムを含まず、血清カルシウムへの影響が
小さい点が特徴です。

また、カルシウムの吸収を促進させるといった働きは
ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
セベラマー塩酸塩は
食物から遊離したリンを吸着することにより
リンの体内への吸収を抑制する薬です。

血中に存在するリンの排泄を
促進する薬では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、その通りの記述です。

服用開始や、増量後に
便秘が悪化したり腹部膨満感などの症状が現れたり
腹痛や嘔吐などの異常が現れた場合は
すぐ相談するように服薬指導時を行う必要があります。



以上より、正解は 2,5 です。






問285
65歳男性。
血液透析が施行されており、以下の薬剤を処方されていた。

(処方)
カルタン錠500(注1) 1回2錠 (1日6錠)
1 日3 回 朝昼夕食直後 1 4 日分
(注1:沈降炭酸カルシウム500mgを含む錠剤)


今回の検査において
eGFR(推算糸球体ろ過速度)15mL/min/1.73m2
血中リン濃度5.5mg/dL
補正血中カルシウム濃度11.0mg/dL
血中アルブミン濃度3.7g/dLという結果となり
以下の処方に変更になった。

(処方)
セベラマー塩酸塩(注2)錠 250mg
1回8錠 (1日24錠)
1 日3 回 朝昼夕食直前 1 4 日分
(注2:プロパ-2-エン-1-アミンと
1-クロロー2,3-エポキシプロパンの重合物の塩酸塩)


セベラマー塩酸塩錠に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1つ選べ。

1 主薬は、消化酵素で分解されて活性体となる。
2 主薬は、カチオン性ポリマーである。
3 主薬は、水に速やかに溶解する。
4 胃で作用する製剤である。
5 浸透圧を利用して主薬を放出する。



選択肢 1 ですが
セベラマー塩酸塩は、吸収や代謝を受けずに
作用します。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、その通りの記述です。



選択肢 3 ですが
セベラマー塩酸塩は
水分吸収により、膨潤します。
溶解するわけではありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
作用するのは、リンの吸収が行われる
腸管です。
胃で作用するわけではありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 ですが
浸透圧を利用して主薬を放出する
というのは、オロス に関する記述です。

セベラマーは、フィルムコーティング錠で
浸透圧による主薬放出では、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 2 です。







問286~問305(実践 病態・薬物治療) 解説一覧へ



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