問99-269 解説




問269
32歳女性。消化器外来に通院中。
数日前からじん麻疹を発症し
抗アレルギー薬が追加処方されることになった。

担当医師から薬剤師に対して
「患者がなるべく眠くならない薬剤を希望しているが
推奨できるものは何か」と問い合わせがあった。


図は薬物の血液脳関門透過速度と
1-オクタノール/水分配係数の関係を
示したものである。

前問で選択した薬物について、正しい記述はどれか。1つ選べ。
ただし、B群の薬物においては
血液脳関門透過速度と分子量で補正した分配係数との間に
図に示す直線関係がみられている。






1 アミノ酸やグルコースなどの栄養物質と同様にA群に属する。
2 B群に属し、血液脳関門透過はpH分配仮説に従う。
3 B群に属し、脳内への移行にトランスポーターが関与している。
4 レボドパやバクロフェンと同様にC群に属する。
5 C群に属し、P-糖タンパク質によって脳内への移行が妨げられる。




フェキソフェナジン(アレグラ)は
P-糖タンパク質 (P-gp) の基質の一つです。
脳内移行が妨げられる事が知られています。

これにより、脂溶性と、脳関門通過速度が
単純な比例関係ではなく
脂溶性の割に、通過速度が小さくなります。
つまり、図の C 群に属します。


以上より、正解は 5 です。



ちなみに
「フェキソフェナジンが、P-gp の基質の一つ」と
知らなくても

「第二世代の抗ヒスタミン薬の中でも
とりわけ眠気が少ないと評価されている」
→「眠気が少ない=中枢移行が少ない?」
→「特別な排出機構があるのではないか?」
→「排出機構といえば、P-gp が代表的」

と推測していくことで、正解に辿り着けるのではないかと
考えられます。