問270 40歳男性。体重65kg。 病院で腎移植後 シクロスポリンを含む処方による治療を継続中である。 1年後の定期検診で脂質異常症と高血圧症を指摘された。 これらの症状を改善する次の薬物のうち シクロスポリンと併用禁忌なのはどれか。1つ選べ。 1 アムロジピンベシル酸塩 2 イコサペント酸エチル 3 カルテオロール塩酸塩 4 コレスチラミン 5 ロスバスタチンカルシウム シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)は ピタバスタチン(リバロ) 及び ロスバスタチン(クレストール) と 併用禁忌です。 (高脂血症薬であれば、リピトールやローコールならば 併用禁忌ではない。(併用注意)。) このメカニズムですが OATP1B1(有機アニオントランスポーターの一種)を ネオーラルが阻害 →血中から肝臓への、スタチン取り込みが阻害 →スタチン系の血中濃度が上昇 です。 又、降圧薬では、アリスキレン(ラジレス)が 併用禁忌です。 以上より、正解は 5 です。 ちなみに、シクロスポリンによる副作用に 高脂血症があります。 よって、シクロスポリンによる治療中の患者に 高脂血症薬が用いられることは考えうることです。 そのため、このような禁忌については 確実に覚えておくよう、意識しておく必要があるといえます。 |