問99-284 解説




問284
65歳男性。
血液透析が施行されており、以下の薬剤を処方されていた。

(処方)
カルタン錠500(注1) 1回2錠 (1日6錠)
1 日3 回 朝昼夕食直後 1 4 日分
(注1:沈降炭酸カルシウム500mgを含む錠剤)


今回の検査において
eGFR(推算糸球体ろ過速度)15mL/min/1.73m2
血中リン濃度5.5mg/dL
補正血中カルシウム濃度 11.0 mg/dL
血中アルブミン濃度 3.7 g/dLという結果となり
以下の処方に変更になった。

(処方)
セベラマー塩酸塩(注2)錠 250mg
1回8錠 (1日24錠)
1 日3 回 朝昼夕食直前 1 4 日分
(注2:プロパ-2-エン-1-アミンと
1-クロロー2,3-エポキシプロパンの重合物の塩酸塩)


上記処方に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 カルタン錠は
血中リン濃度を上昇させる目的で処方された。

2 今回の処方変更は
血中カルシウム濃度が高値を示しているためである。

3 セベラマー塩酸塩錠は
経口投与されたカルシウムの吸収を促進させる。

4 セベラマー塩酸塩錠は
血中リンの排泄を促進する薬剤である。

5 セベラマー塩酸塩錠の重大な副作用として
腸管穿孔や腸閉塞がある。



選択肢 1 ですが
カルタン錠は、高リン血症 に用いるリン吸着薬です。
血中リン濃度を減少させる目的で処方されます。
上昇させる目的では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、その通りの記述です。

セベラマー塩酸塩(フォスブロック、レナジェル)は
カルシウムや金属を含まないため
血清カルシウム値が高く、炭酸カルシウム製剤が
使いにくい場合に有用な薬です。



選択肢 3 ですが
選択肢 2 の解説で述べたように
セベラマー塩酸塩は
カルシウムを含まず、血清カルシウムへの影響が
小さい点が特徴です。

また、カルシウムの吸収を促進させるといった働きは
ありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
セベラマー塩酸塩は
食物から遊離したリンを吸着することにより
リンの体内への吸収を抑制する薬です。

血中に存在するリンの排泄を
促進する薬では、ありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は、その通りの記述です。

服用開始や、増量後に
便秘が悪化したり腹部膨満感などの症状が現れたり
腹痛や嘔吐などの異常が現れた場合は
すぐ相談するように服薬指導時を行う必要があります。



以上より、正解は 2,5 です。