問151 生体内情報伝達をつかさどる 受容体に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。 1 細胞膜受容体には Gタンパク質共役型、イオンチャネル内蔵型及び 1回膜貫通型がある。 2 神経筋接合部に存在する ニコチン性アセチルコリン受容体は Gタンパク質共役型である。 3 血管内皮増殖因子(VEGF)受容体は 1回膜貫通型である。 4 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体は イオンチャネル内蔵型である。 5 サイトカイン受容体は、核内に存在する。 問152 アドレナリン作動薬の基本骨格に関する記述のうち 誤っているのはどれか。1つ選べ。 1 基本骨格はフェニルエチルアミンである。 2 芳香環とアミノ基の間に炭素原子が3個存在する場合に 最も強いアドレナリン受容体刺激作用を示す。 3 アミノ基に結合しているアルキル置換基が大きいほど アドレナリンβ受容体刺激作用が強い。 4 芳香環の3,4位にヒドロキシ基がつくことで アドレナリンα及びβ受容体刺激作用は最大となる。 5 芳香環のヒドロキシ基がなくなると 中枢作用が強くなる。 問153 眼に作用する薬物に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ラニビズマブは 血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑制し 脈絡膜の血管新生を抑制する。 2 イソプロピルウノブロストンは アドレナリン α1 受容体を選択的に遮断し、 眼房水流出を促進する。 3 アプラクロニジンは アドレナリン α2 受容体を刺激し、眼圧を低下させる。 4 ピロカルピンは コリンエステラーゼを阻害し、瞳孔括約筋を収縮させる。 5 トロピカミドは 毛様体の炭酸脱水酵素を阻害し、眼圧を低下させる。 問154 運動神経を付けたまま摘出した ラット神経一骨格筋標本を用いた実験において 終板の膜電位変化と筋の張力変化を同時に記録した。 下図は、運動神経の電気刺激で発生する 終板の活動電位(図中 A)と 筋の張力変化(図中 B)を示したものである。 次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 A型ボツリヌス毒素は、A に影響せず、B を抑制する。 2 ベクロニウムは、A 及び B を抑制する。 3 スキサメトニウムは、A に影響せず、B を抑制する。 4 ダントロレンは、A に影響せず、B を抑制する。 問155 痛みの治療に用いられる薬物に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 トラマドールは Ca 2+ チャネルを直接遮断して グルタミン酸の過剰放出を抑制する。 2 フェンタニルは ノルアドレナリンの再取り込みを促進して 下行性の痛覚抑制系を活性化する。 3 プレガバリンは オピオイドμ受容体を刺激して 上行性の痛覚伝導系を抑制する。 4 メキシレチンは Na + チャネルを遮断して 知覚神経軸索における興奮伝導を抑制する。 5 ゾルミトリプタンは セロトニン 5-HT1B 及び 5-HT1D 受容体を刺激して 脳血管を収縮させる。 問156 抗てんかん薬に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ガバペンチンは γ-アミノ酪酸(GABA)トランスポーターを阻害して シナプス間隙の GABA 量を増加させる。 2 クロバザムは ベンゾジアゼピン受容体に結合し GABA 作動性神経伝達を増強する。 3 スルチアムは 炭酸脱水酵素を阻害し 神経細胞の過剰興奮を抑制する。 4 フェノバルビタールは 神経細胞内へのCl-流入を抑制し 神経細胞膜を過分極させる。 問157 末梢循環を改善する薬物の作用機序に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 イソクスプリンは 血管平滑筋のアドレナリン β2 受容体を刺激する。 2 エポプロステノールは 血管平滑筋のプロスタノイド IP 受容体を刺激する。 3 力リジノケナーゼは 酵素作用によりキニノーゲンを産生させる。 4 タダラフイルは 血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼを阻害する。 5 ボセンタンは エンドセリン ETB 受容体を選択的に遮断する。 問158 利尿薬に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 トルバプタンは 集合管のバソプレシン V2 受容体を刺激する。 2 トラセミドは 抗アルドステロン作用を有するため フロセミドと比較して低カリウム血症を起こしにくい。 3 イソソルビドは 遠位尿細管から集合管の アルドステロン受容体を遮断する。 4 インダパミドは ヘンレ係蹄上行脚における Na + - K+ - 2Cl- 共輸送系を阻害する。 5 アセタゾラミドは 近位尿細管での HCO3- の排泄を増加させる。 問159 肝臓疾患治療薬に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ラクツロースは 腸内細菌により分解されてアンモニアを生成し 血中アンモニア濃度を上昇させる。 2 インターフェロンは 種々の抗ウイルスタンパク質の合成を誘導する。 3 ラミブジンは DNA卜ポイソメラーゼを阻害し C 型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。 4 エンテカビルは DNAポリメラーゼを阻害し B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。 問160 ホルモン関連薬に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 チアマゾールは ペルオキシダーゼを阻害し 甲状腺ホルモンの産生を抑制する。 2 トリロスタンは 3β - ヒドロキシステロイド 脱水素酵素を阻害し コルチゾールの産生を促進する。 3 ゴナドレリンは 副腎皮質を刺激し 糖質コルチコイドの産生を促進する。 4 テルグリドは ドパミン D2 受容体を遮断し プロラクチン遊離を抑制する。 5 オキシトシンは 子宮平滑筋を収縮させ、分娩を誘発する。 問161 糖尿病治療薬に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 ミグリトールは α-グルコシダーゼ阻害作用と α-アミラーゼ阻害作用により 食後高血糖を抑制する。 2 グリベンクラミドは 血糖依存的にインスリン分泌を促進する。 3 ピオグリタゾンは アディポネクチンの産生を高め インスリン抵抗性を改善する。 4 メトホルミンは AMP依存性プロテインキナーゼを抑制することにより 肝臓での糖新生を抑制する。 5 ミチグリニドは スルホニル尿素(SU)構造を持たないが 豚β細胞のSU受容体に結合する。 問162 血小板に作用する薬物に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 チクロピジンは ADPのP2Y12受容体を遮断することで アデニル酸シクラーゼ活性を増強し サイクリックAMP(cAMP)を増加させる。 2 シロスタゾールは ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害し cAMPを増加させる。 3 サルポグレラートは セロトニン5-HT1受容体を遮断し 細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。 4 オザグレルは プロスタノイドTP受容体を遮断し 細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。 5 ベラブロストは プロスタノイドIP受容体を刺激し サイクリックGMP(cGMP)を増加させる。 問163 非ステロイド性抗炎症薬及び 解熱鎮痛薬に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 セレコキシブは シクロオキシケナーゼ(COX)-2を 選択的に阻害するため 血栓塞栓症のリスクは低い。 2 メフェナム酸は 成人ぜん息患者のぜん息発作を 誘発することはない。 3 アスピリンは 水痘やインフルエンザに感染している小児に ライ(Reye)症候群を起こすことがある。 4 ロキソプロフェンは 消化管障害の軽減を目的としたプロドラッグである。 5 アセトアミノフェンは COX-1及びCOX-2を阻害するため 消化管障害が多い。 問164 感染症治療薬の作用機序に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 テイコプラニンは リボソームの 50S サブユニットに結合し タンパク質の合成を阻害する。 2 ジダノシンは ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の逆転写酵素を阻害し HIVの増殖を抑制する。 3 テルビナフインは スクアレンー2,3-エポキシダーゼを阻害し 真菌細胞膜成分の エルゴステロールの生合成を阻害する。 4 フルシトシンは ラノステロールC-14脱メチル化酵素を阻害し 真菌細胞膜成分の エルゴステロールの生合成を阻害する。 5 リファンピシンは ペプチドグリカン前駆体と結合し 細胞壁の合成を阻害する。 問165 抗悪性瞳傷薬に関する記述のうち 正しいのはどれか。2つ選べ。 1 メルカプトプリンは 生体内でチオイノシン酸に変換され アデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害する。 2 ビンクリスチンは DNA をアルキル化し がん細胞の S 期移行を阻害する。 3 ケムシタビンは 生体内でリン酸化され DNA トポイソメラーゼ Ⅱ を阻害する。 4 タモキシフェンは エストロゲン受容体を遮断し 乳がん細胞の増殖を阻害する。 5 トラスツズマブは CD20 抗原を有する細胞を 補体依存的に傷害する。 |