99-246~99-265 解説一覧



問246
65歳女性。
咳と痰がひどいため近医を受診。
保険薬局で薬剤師が以下の処方せんを受け付け
お薬手帳を確認し処方監査を行った。

(処方)
テオフイリン徐放錠 200mg (12~24時間持続)
1回1錠(1日2錠)
1 日2 回朝食後就寝前

アンブロキソール塩酸塩錠15mg
1回1錠(1日3錠)
1 日3 回朝昼夕食後
28日分


パルミコート200μgタービュヘイラ-56吸入(注)1本
(注:ブデソニド1回吸入量200μgの
ドライパウダー吸入式ステロイド薬)
1 回1 吸入1 日2 回
朝夕食後吸入



お薬手帳には以下の薬剤が記載されていた。
この中で上記処方と併用した場合
処方医に対し、疑義照会の対象になる薬剤はどれか。
2つ選べ。


1 モンテルカストナトリウム錠
2 フルボキサミンマレイン酸塩錠
3 八味地黄丸エキス穎粒
4 葛根湯エキス穎粒
5 ガスター10(ファモチジンを含有する一般用医薬品)



処方からは、ざっと
テオフィリン→気管支ぜん息薬。キサンチン誘導体。
気管支が広がって楽になる薬。

アンブロキソール→肺サーファクタント分泌促進。
痰の切れをよくする薬。

パルミコート→吸入。ステロイド。
抗炎症、ぜん息に使用。吸入後うがい指導。

ぐらいの事を想起します。



そして、選択肢の薬ですが
モンテルカスト→LT 受容体拮抗薬。
アレルギー性鼻炎などに使用。

フルボキサミン→SSRI 。
うつ等に使用。

八味地黄丸→尿の問題、膀胱炎
前立腺肥大(本問では女性なので、不要。)
老人性白内障などに使用。

葛根湯→風邪の初期、肩こりなどに使用。
マオウ含有。

ガスター10 → H2 ブロッカー。
胃酸分泌抑制。

ぐらいを連想します。



相互作用についてですが
テオフィリンは、CYP 1A2 で代謝される薬です。
(これは有名なので、記憶すべきポイントです。)

代表的な相互作用として
CYP 1A2 を阻害するフルボキサミンとの併用により
テオフィリンの血中濃度上昇が知られています。
(フルボキサミンが、CYP 1A2 阻害剤という印象は
あまり強くないかもしれませんが、臨床上重要なポイントです。)

又、葛根湯に含まれるマオウが
テオドール類似の作用(中枢興奮)を示すため
注意が必要です。
(マオウの中枢興奮作用については
漢方一般で、常に留意が必要なポイントです。)



以上より、正解は 2,4 です。




ちなみに、代替案の一例としては
テオフィリンの代わりに、β2 刺激薬の併用を提案することが
考えられます。

すなわち、吸入で、β2 刺激薬のホルモテロールと
ステロイドのブテゾニドの配合剤である
シムビコートの使用を提案するという対応が
考えられます。

そうすると、葛根湯についても
継続して服用して問題なくなります。
(あくまで、一例です。)






問247
65歳女性。
咳と痕がひどいため近医を受診。
保険薬局で薬剤師が以下の処方せんを受け付け
お薬手帳を確認し処方監査を行った。

(処方)
テオフイリン徐放錠 200mg (12~24時間持続)
1回1錠(1日2錠)
1 日2 回朝食後就寝前

アンブロキソール塩酸塩錠15mg
1回1錠(1日3錠)
1 日3 回朝昼夕食後
28日分


パルミコート200μgタービュヘイラ-56吸入(注)1本
(注:ブデソニド1回吸入量200μgの
ドライパウダー吸入式ステロイド薬)
1 回1 吸入1 日2 回
朝夕食後吸入



処方された薬剤及び
お薬手帳に記載されていた薬剤に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 テオフィリンは
ホスホジエステラーゼを阻害し
気管支拡張作用を示す。

2 ブデソニドは
細胞膜に発現する
特定の1回膜貫通型受容体に結合することで
炎症メディエーターの産生を抑制する。

3 アンブロキソールは
肺サーファクタン卜の産生を促進し
去痰作用を示す。

4 モンテルカストは
5-リポキシケナーゼを阻害することで
ロイコトリエンの産生を抑制する。



お薬手帳に記載されていた薬剤については
問246 参照。本問に関連するのは、モンテルカストのみ。


選択肢 1 は、その通りの記述です。


選択肢 2 ですが
ブテゾニドは、ステロイド受容体に結合して
抗炎症作用を示します。


ステロイド受容体は、核内受容体の一種です。
細胞膜に発現する膜貫通型受容体では、ありません。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい記述です。



選択肢 4 ですが
モンテルカスト(シングレア、キプレス)は
ロイコトリエン(LT)受容体拮抗薬です。
5-リポキシゲナーゼ阻害薬では、ありません。


以上より、正解は 1,3 です。






問248
40歳男性。
心室頻拍・心室細動の既往歴がある。
内科診療所にて、ピロリ菌の除菌を行うこととなった。
また、同時に貧血があることを指摘され
除菌と同時に治療することとなり、以下の薬剤が処方された。

(処方1)
ランサップ400(注)
1 日1 シート7 日分
注:( ランソプラゾールカプセル 30 mg
1回1カプセル(1日2カプセル)

アモキシシリンカプセル 250 mg
1回3カプセル(1日6カプセル)

クラリスロマイシン錠 200 mg
1回1錠(1日2錠) )

1 日2 回朝夕食後

(処方2)
酪酸菌錠(宮入菌として)20mg
1回1錠(1日3錠)
1 日3 回朝昼夕食後7 日分

(処方3)
クエン酸第一鉄ナトリウム錠50mg
1回1錠(1日2錠)
1 日2 回朝夕食後2 1 日分
(ピロリ菌除菌終了後に服用開始)


処方された薬剤の作用に関する記述として
いずれの薬剤にも該当しないのはどれか。1つ選べ。

1 酸性条件下で
H+,K+-ATPaseを可逆的に阻害する。

2 細菌のリボソームに結合し
タンパク質合成を阻害する。

3 細菌のトランスペプチダーゼを阻害し
細胞壁合成を阻害する。

4 腸内細菌叢を正常化し
整腸作用を示す。

5 鉄欠乏性貧血患者において
血清鉄を増加させる。



選択肢 1 ですが
ランソプラゾールは
プロトンポンプ阻害薬( PPI )です。


PPI は、酸性条件下で
不可逆的に H+,K+-ATPase を
阻害します。
可逆的にでは、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ~ 5 は、正しい記述です。



以上より、正解は 1 です。







問249
40歳男性。
心室頻拍・心室細動の既往歴がある。
内科診療所にて、ピロリ菌の除菌を行うこととなった。
また、同時に貧血があることを指摘され
除菌と同時に治療することとなり、以下の薬剤が処方された。
(処方1)
ランサップ400(注)
1 日1 シート7 日分
注:( ランソプラゾールカプセル 30 mg
1回1カプセル(1日2カプセル)

アモキシシリンカプセル 250 mg
1回3カプセル(1日6カプセル)

クラリスロマイシン錠 200 mg
1回1錠(1日2錠) )

1 日2 回朝夕食後

(処方2)
酪酸菌錠(宮入菌として)20mg
1回1錠(1日3錠)
1 日3 回朝昼夕食後7 日分

(処方3)
クエン酸第一鉄ナトリウム錠50mg
1回1錠(1日2錠)
1 日2 回朝夕食後2 1 日分
(ピロリ菌除菌終了後に服用開始)


問249 (実務)
上記処方の中で
この患者の既往歴に対して
最も注意が必要な薬剤はどれか。
1つ選べ。

1 ランソプラゾールカプセル
2 アモキシシリンカプセル
3 クラリスロマイシン錠
4 酪酸菌錠
5 クエン酸第一鉄ナトリウム錠



心疾患既往があるため
クラリスロマイシンの服用に注意が必要です。


クラリスロマイシンの代表的な副作用に
QT 延長等があり
心疾患の既往歴がある患者には
注意が必要です。


具体的には、薬を服用中に
めまい、動悸、胸が痛むなどの症状がみられた場合に
すぐに医師・薬剤師に連絡するよう指導すること 
が必要であると考えられます。



(心室頻拍 の PDF へ)


以上より、正解は 3 です。






問250
37歳男性。
食欲不振、消化不良の症状があった。
自らの判断で、六君子湯
(ニンジン、ハンケ、ブクリョウ、ソウジュヅ
タイソウ、チンピ、カンゾウ、ショウキョウ)を購入し
服用していた。

しかし、下血を伴う下痢と腹痛を繰り返すようになり
近医を受診したところ、潰傷性大腸炎と診断され
以下の薬剤が処方された。

(処方1)
サラゾスルファピリジン錠500mg
1回1錠(1日4錠)
1 日4 回朝昼夕食後、就寝前2 1 日分

(処方2)
プレドニゾロン錠5mg 1回3錠(1日6錠)
1 日2 回朝夕食後2 1 日分


処方された薬剤及び
六君子湯に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。


1 六君子湯は
グレリンの分泌を介して
食欲不振などの胃腸症状を改善する。

2 サラゾスルファピリジンは
腸内細菌により
5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解される。

3 サラゾスルファピリジンは
潰傷性大腸炎以外に消化性潰傷の治療に用いられる。

4 プレドニゾロンは
コルチゾールに比べ、鉱質コルチコイド作用が強く
糖質コルチコイド作用が弱い。

5 治療を長期間継続する場合には
サラゾスルファピリジンを徐々に減量して
レドニゾロンによる維持療法とする。



選択肢 1,2 は、正しい選択肢です。


グレリンとは
主に胃から分泌される、28アミノ酸残基よりなる
食欲を亢進させるペプチドです。
ホルモンの一種です。
成長ホルモン分泌促進作用を持ちます。



選択肢 3 ですが
サラゾスルファピリジンは
選択肢 2 の記述のように
腸内細菌により分解されて、有効成分が作用します。

よって、消化性潰瘍、すなわち
主に胃酸が要因となって生じる潰瘍には
用いられません。

なぜなら、まだ胃においては
サラゾスルファピリジンは
腸内細菌による分解を受けていないからです。

又、サラゾスルファピリジンの代表的な副作用が
消化性潰瘍です。


以上より、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 ですが
プレドニゾロンは、コルチゾールに比べ
糖質コルチコイドが強いです。
又、鉱質コルチコイド作用は、弱いです。


よって、選択肢 4 は誤りです。


ちなみに、糖質コルチコイドの作用は
血糖値上昇、抗炎症作用などです。


鉱質コルチコイド作用の作用は
腎臓での Na+ 再吸収促進です。
結果として、高血圧になります。

Na+ 再吸収促進→→→高血圧 を
詳しく見ると、以下のようになります。

Na+ 再吸収促進に伴い
血中のNa+ 濃度が上昇
→上昇した分を薄めようと、浸透圧により水分が移動
→血液中に水分が移動することで血圧が上昇
という流れです。


抗炎症作用など、有益な作用がある一方で
大量に使うと、高血圧などの副作用につながるという
ステロイドホルモンの特徴がありました。

そこで、化学的な修飾をほどこし
糖質コルチコイド活性を高めつつ
鉱質コルチコイド活性をできるだけ少なくしたのが
プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンといった
ステロイド剤です。



選択肢 5 ですが
治療が長期間に渡る場合は
ステロイドの長期投与による
副作用を避けるために、症状の改善に伴い
ステロイド剤は漸減中止が望ましいと
されています。

(2014.3 月時点、潰瘍性大腸炎治療指針より)

サラゾスルファピリジンを漸減し
プレドニゾロンによる維持療法を行うというのは
明らかに誤りであると考えられます。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,2 です。







問251
37歳男性。
食欲不振、消化不良の症状があった。
自らの判断で、六君子湯
(ニンジン、ハンケ、ブクリョウ、ソウジュヅ
タイソウ、チンピ、カンゾウ、ショウキョウ)を購入し、服用していた。

しかし、下血を伴う下痢と腹痛を繰り返すようになり
近医を受診したところ、潰傷性大腸炎と診断され
以下の薬剤が処方された。

(処方1)
サラゾスルファピリジン錠500mg
1回1錠(1日4錠)
1 日4 回朝昼夕食後、就寝前2 1 日分

(処方2)
プレドニゾロン錠5mg 1回3錠(1日6錠)
1 日2 回朝夕食後2 1 日分



六君子湯の重大な副作用はどれか。2つ選べ。

1 間質性肺炎
2 偽アルドステロン症
3 血圧低下
4 ミオパシー



六君子湯の重大な副作用は
偽アルドステロン症と、ミオパシーです。


カンゾウに含まれるグリチルリチンにより
偽アルドステロン症と呼ばれる重大な副作用が
おきる場合があります。

偽アルドステロン症とは
アルドステロン(鉱質コルチコイドの一種)類似の作用を
グリチルリチンが示すことにより
高血圧や、低カリウム血症が引き起こされる症状です。

低カリウム血症は
Na+再吸収が増加
→Na+/K+ 交換系を介してK+の尿中排出が亢進
→低カリウム血症 という流れで引き起こされます。


この低カリウム血症によって
引き起こされることがあるのが
ミオパシーです。


ミオパシーとは
筋肉が萎縮し、力が入らない症状のことです。


ちなみに、低カリウムで
なぜ筋肉に力が入らなくなるかというと
そもそもカリウムには、ナトリウムと協働して
筋肉の収縮と弛緩を調節するという働きがあるからです。

カリウムが不足することで
収縮と弛緩をうまく調節できなくなると
考えられます。



以上より、正解は 2,4 です。



ちなみに、選択肢 1 の
間質性肺炎が代表的な副作用である漢方は
小柴胡湯です。


選択肢 3 の
血圧低下が代表的な副作用である漢方
なのですが

そもそも降圧薬としては
カルシウム拮抗薬や ARB などがありますし
何らかの治療に漢方薬を使っていて
血圧低下が副作用として
問題となるケースが思い当たりませんので
何かわかり次第、補足しようと思います。
(ずっと補足されないかもしれません。。)







問252
37歳女性。
脂質異常症のため
病院で以下の薬剤が処方されている。

(処方)
ピタバスタチンカルシウム錠2mg
1回1錠(1日1錠)
1 日1 回夕食後2 1 日分


ピタバスタチンなどの
スタチン系薬に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 3-ヒドロキシー3-メチルグルタリルCo
(HMG-CoA)還元酵素を非競合的に阻害する。

2 肝細胞膜表面の
低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させ
血中からの LDL  コレステロール取り込みを促進する。

3 血中トリグリセリド濃度には影響しない。

4 肝細胞以外で
高密度リポタンパク質(HDL)受容体を増加させ
血中 HDL コレステロールを低下させる。

5 重大な副作用として
横紋筋融解症を引き起こすことが報告されている。



選択肢 1 ですが
非競合的ではなく、競合的に阻害します。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、その通りの記述です。



選択肢 3 ですが
スタチンは、LDL-コレステロールだけでなく
中性脂肪も下げる作用があります。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4  ですが
スタチンを使用すると
HDL コレステロールは上昇します。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 は
その通りの記述です。

特に、本問のような処方の新患さんには
横紋筋融解症の初期症状
(赤褐色の尿、筋肉痛、手足のしびれや脱力)
を伝えておき、症状が見られた時には
休薬して医療機関の受診を行うよう
しっかりと服薬指導しておく必要があります。



以上より、正解は 2,5 です。







問253
37歳女性。
脂質異常症のため病院で以下の薬剤が処方されている。

(処方)
ピタバスタチンカルシウム錠2mg
1回1錠(1日1錠)
1 日1 回夕食後2 1 日分


この患者が、自宅で熱傷を負い緊急受診し
抗菌薬を投与されることとなった。
担当医師より抗菌薬の選択について問い合わせがあった。

ピタバスタチンカルシウム錠との併用において
薬物動態上、注意を要する抗菌薬はどれか。
1つ選べ。

1 レポフロキサシン水和物
2 クリンダマイシン塩酸塩
3 エリスロマイシンステアリン酸塩
4 セフカペンピボキシル塩酸塩
5 アジスロマイシン水和物




選択肢の中で
ピタバスタチン(リバロ)錠との併用において
肝臓への取り込みが阻害されることにより

(OATP1B1 (トランスポーターの一種)による
リバロの血中→肝臓への取り込み を
エリスロマイシンがトランスポーターを阻害することによる
取り込み阻害 とのこと。)

急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症の
おそれがあるとされているのが
3 のエリスロマイシン です。



よって、正解は 3 です。







問254
一般用医薬品であるリアップ X5(5%ミノキシジル製剤)
を求めて女'性が薬局を訪れた。


ミノキシジルはATP感受性K+チャネル開口作用を持つ。
この作用により引き起こされる可能性のあるものはどれか。
2つ選べ。

1 血糖上昇
2 気道収縮
3 冠動脈収縮
4 反射性徐脈
5 末梢血管拡張



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

高血糖に用いられる代表的な薬として
SU 薬 があり、そのメカニズムが
ATP感受性 K+ チャネルの close であったことから
逆の開口作用を持つミノキシジルが 
血糖上昇の可能性がある、と推測できるのでは
ないかと思います。



選択肢 2 ~ 4 は、誤りです。
このような可能性はないと考えられます。



選択肢 5 は、正しい選択肢です。

リアップの有効成分であるミノキシジルは
元々、高血圧患者に用いる、血管拡張薬の一つでした。
そのため、末梢血管拡張が引き起こされる
可能性がある、と推測できるのでは
ないかと思います。



以上より、正解は 1,5 です。







問255
一般用医薬品であるリアップ ×5(5%ミノキシジル製剤)
を求めて女性が薬局を訪れた。


販売時の来局者への対応として
重要性の最も低いのはどれか。1つ選べ。

1 使用者の年齢を確認した。
2 使用者の性別を確認した。
3 使用者に気管支ぜん息の既往歴がないことを確認した。
4 使用者に高血圧の既往歴がないことを確認した。
5 使用者に心臓・腎臓の障害がないことを確認した。



選択肢 1 ですが
高齢者(65歳以上)において
好ましくない症状がおきやすいため
注意が必要です。

年齢確認の重要性は低くないと
考えられます。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 ですが
女性に対する安全性が確立しておらず
リアップ ×5 は使用してはいけません。
(2014.3 月時点)
女性には、リアップシリーズの女性用製品を
使用します。

性別確認の重要性は低くないと
考えられます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
気管支ぜん息の既往確認は
仮に既往ありだとしても
特に使用に際して注意する必要は
ありません。


よって、選択肢 3 は、正しいです。



選択肢 4,5 ですが
リアップ ×5 は、血圧への影響
(高血圧、低血圧 共に。)
及び、心臓や腎臓への影響の可能性があるため
既往歴や障害の確認の重要性は
低くないと考えられます。


よって、選択肢 4,5 は誤りです。




以上より、正解は 3 です。







問256
80歳女性。
軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、ドネペジル塩酸塩
(5mg/日)で内服治療を続けてきた。
認知症が進行し、10mg/日に増量しても効果が認められなかった。
そのため医師より中等度から高度アルツハイマー型認知症
適応をもつ併用可能な薬剤の相談を受けた。


推奨すべき薬剤の成分はどれか。1つ選べ。
1 ガランタミン臭化水素酸塩
2 リバスチグミン
3 メチルフェニデート塩酸塩
4 メマンチン塩酸塩
5 アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物



中等度から高度アルツハイマー型認知症の
適用をもつ薬剤は
メマンチン(メマリー)です。


よって、正解は 4 です。



ちなみに、選択肢 1 ですが
ガランタミン(レミニール)は
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症
に用いられる薬です。


選択肢 2 ですが
リバスチグミン(イクセロン、リバスタッチ)は
経皮吸収型の、アルツハイマー病治療薬です。
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症
に用いられる薬です。



選択肢 3 ですが
メチルフェニデート(リタリン、コンサータ)は
ナルコレプシー(病的眠気)や
注意欠陥/多動性障害(ADHD)
に用いられる薬です。



選択肢 5 ですが
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(アデホスなど)は
めまいなどに用いられる薬です。







問257
80歳女性。
軽度のアルツハイマー型認知症と診断され
ドネペジル塩酸塩(5mg/日)で
内服治療を続けてきた。

認知症が進行し、10mg/日に増量しても効果が認められなかった。
そのため医師より中等度から高度アルツハイマー型認知症
適応をもつ併用可能な薬剤の相談を受けた。



前問で推奨された成分の作用機序として
正しいのはどれか。1つ選べ。

1 脳エネルギー代謝の賦活
2 アセチルコリンエステラーゼの可逆的阻害
3 ニコチン性アセチルコリン受容体の刺激
4 グルタミン酸NMDA受容体の非競合的遮断
5 ブチリルコリンエステラーゼの可逆的阻害


メマンチンの作用機序は
グルタミン酸 NMDA 受容体の
非競合的遮断です。


よって、正解は 4 です。



ちなみに、本問患者が服用していた
ドネペジルの作用機序は
選択肢 2 の
アセチルコリンエステラーゼの可逆的阻害です。






問258
30歳男性。
会社内昇格人事で1年前に営業職のリーダーを命じられた。
リーダーとしての仕事に順応できず
ストレスを抱え、入眠困難、食欲低下が半年続いた。
今回かかりつけのクリニックを受診し、軽症のうつ病と診断された。
主治医より、治療薬について問い合わせがあった。



主治医に推奨すべき薬剤の成分はどれか。
2つ選べ。

1 パロキセチン塩酸塩水和物
2 クロザピン
3 イフェンプロジル酒石酸塩
4 ミルタザピン
5 ラモトリギン



選択肢 1 は、正しい選択肢です。

パロキセチン(パキシル)は、SSRI です。
セロトニンの再取り込みを行うトランスポーターを
選択的に阻害します。抗うつ薬の一種です。

軽症のうつ病と診断された本問患者への
推奨すべき薬剤の成分として適切であると
考えられます。



選択肢 2 ですが
クロザピン(クロザリル)は
治療抵抗性統合失調症の治療薬です。

軽症のうつ病と診断された本問患者への
推奨すべき薬剤の成分としては
不適切であると考えられます。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 ですが
イフェンプロジル(セロクラール)は
脳梗塞後遺症(や、それに伴うめまい)に
用いる薬です。

軽症のうつ病と診断された本問患者への
推奨すべき薬剤の成分としては
不適切であると考えられます。


よって、選択肢 3 は誤りです。



選択肢 4 は、正しい選択肢です。

ミルタザピン(リフレックス、レメロン)は
NaSSA (ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)
に分類される抗うつ薬の一種です。

シナプス前の α受容体の阻害を介して
中枢のノルアドレナリン、セロトニンの
神経伝達を増強します。

又、5-HT2、5-HT受容体を阻害することで
選択的に 5-HT受容体を活性化します。

軽症のうつ病と診断された本問患者への
推奨すべき薬剤の成分として適切であると
考えられます。



選択肢 5 ですが
ラモトリギン(ラミクタール)は
てんかんの予防や、双極性障害に
用いられる薬です。

軽症のうつ病と診断された本問患者への
推奨すべき薬剤の成分としては
不適切であると考えられます。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,4 です。







問259
30歳男性。
会社内昇格人事で1年前に営業職のリーダーを命じられた。
リーダーとしての仕事に順応できず
ストレスを抱え、入眠困難、食欲低下が半年続いた。
今回かかりつけのクリニックを受診し、軽症のうつ病と診断された。
主治医より、治療薬について問い合わせがあった。


前問で推奨した成分の作用機序として正しいのはどれか。
2つ選べ。

1 Na+ チャネル遮断による
神経興奮の抑制

2 Cl- チャネル遮断による
GABA 作動性神経系の抑制

3 セロトニントランスポーター阻害による
セロトニン作動性神経系の活性化

4 ノルアドレナリントランスポーター阻害による
ノルアドレナリン作動性神経系の活性化

5 シナプス前部のアドレナリン α2 受容体遮断による
セロトニンとノルアドレナリンの放出促進




前問の解説 の繰り返しになりますが
パロキセチン(パキシル)は、SSRI です。

セロトニントランスポーターを阻害
→セロトニンの再取り込みを阻害
→セロトニン作動性神経系の活性化
が作用機序です。


又、ミルタザピン(リフレックス、レメロン)は
NaSSA です。

シナプス前部のアドレナリン α2 受容体遮断による
セロトニンとノルアドレナリンの放出促進
が作用機序です。

又、5-HT2、5-HT受容体を阻害することで
選択的に 5-HT受容体を活性化します。



以上より、正解は 3,5 です。






問260
68歳男性。
10年前より、糖尿病の治療を継続中である。
定期検診時に随時尿の
尿中アルブミン/クレアチニン比が 350 mg/g であった。
本日の診察時の血圧は 150 / 95 mmHg であり
高血圧治療のためロサルタンカリウム錠 25 mg が追加となった。


この患者にロサルタンカリウム錠が追加された理由
及びその使用上の留意点について誤っているのはどれか。
2つ選べ。

1 腎動脈狭窄のある患者へも安全に使用することができる。
2 タンパク尿を伴う2型糖尿病の糖尿病性腎症に適応がある。
3 血清カリウム値を確認する必要がある。
4 血清クレアチニン値の経過を確認する必要がある。
5 血糖値が上昇する可能性がある。



選択肢 1 は、正解です。
使用上の留意点について、誤っています。


ロサルタン(ニューロタン)は
ARB (アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)です。


ARB や ACE 阻害薬は
腎保護機能があるといわれます。
腎保護を担う、1つの大きな機能は
糸球体内圧の減少です。

ARB や ACE 阻害薬を投与すると
糸球体における輸入、輸出の両動脈を
拡張させます。
この際、輸出側の動脈に薬が強く作用します。

その結果、糸球体の中の血がより輸出されることで
内圧が下がります。
(下図イメージ参照)
ところが、腎動脈狭窄(つまり、糸球体動脈も狭窄)時は
そもそも腎臓への血液流入が減少しています。

そのため、ARB の使用により
さらに血流が減少し、腎機能がむしろ悪化することが
あります。

このため、両方の腎臓が狭窄している場合は
ARB は使用禁止です。

片方の腎臓のみの狭窄については
腎機能に注意しつつ使用されることもあります。


どちらにせよ、安全に使用できるという記述は
誤りです。



選択肢 2 ~ 4 は、正しい選択肢です。
使用上の留意点について正しいです。
(つまり、本問の正解では、ありません。)



選択肢 5 は、正解です。
使用上の留意点について、誤っています。


ARB の副作用として
まれにおける低血糖が知られています。
つまり、留意すべきは、血糖値の低下です。
血糖値の上昇の可能性では、ありません。



以上より、正解は 1,5 です。







問261
68歳男性。
10年前より、糖尿病の治療を継続中である。
定期検診時に随時尿の
尿中アルブミン/クレアチニン比が 350 mg/g であった。
本日の診察時の血圧は 150 / 95 mmHg であり
高血圧治療のため
ロサルタンカリウム錠 25 mg が追加となった。


ロサルタンに関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 主代謝物(カルボン酸体)も
アンギオテンシンⅡAT1受容体を遮断する。

2 アルドステロンの産生を促進する。

3 腎の輸出細動脈を拡張させて
糸球体内圧を低下させる。

4 グルカゴンの分泌を促進する。

5 ブラジキニン分解酵素(キニナーゼⅡ)を阻害する。



選択肢 1 は、正しい選択肢 です。



選択肢 2 ですが
ロサルタンは ARB です。
アンギオテンシン受容体(AT1 受容体)
を遮断することで
アルドステロン産生を抑制します。


よって、選択肢 2 は誤りです。



選択肢 3 は、正しい選択肢です。
(前問解説 参照)



選択肢 4 ですが
グルカゴンの分泌を促進させるという作用は
知られていません。


よって、選択肢 4 は誤りであると
考えられます。



選択肢 5 ですが
キニナーゼⅡというのは
ACE のことです。
つまり、ACE 阻害薬に関する記述です。

ARB であるロサルタンは
キニナーゼⅡを、阻害しません。


よって、選択肢 5 は誤りです。



以上より、正解は 1,3 です。







問262
64歳男性。
大腸がんのため腫傷摘出手術を受けた。
その後、外来にて
オキサリプラチン・カペシタビン療法を
半年間続けている。



処方された抗悪性腫傷薬の
作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。

1 微小管を安定化し
細胞分裂を抑制する。

2 DNA鎖に架橋を形成し
DNA複製を阻害する。

3 血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害し
血管新生を抑制する。

4 生体内で5-フルオロウラシルに変換され
DNA合成を阻害する。

5 ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し
プリン生合成系を抑制する。



オキサリプラチン(エルプラット)は
白金製剤の一種です。
アルキル化剤です。

DNA に架橋を形成することで
DNA 合成を阻害する薬です。



カペシタビン(ゼローダ)は
代謝拮抗薬の一種です。

肝臓及び腫瘍細胞で代謝を受け
5-FU へと代謝活性化されて
効果を示します。


以上より、正解は 2,4 です。




ちなみに
選択肢 1 の作用機序を持つのは
ドセタキセルなどの
タキサン系の抗がん剤です。


又、選択肢 3 の作用機序を持つのは
ベバシズマブ(アバスチン)のような
抗 VEGF 抗体です。


選択肢 5 の作用機序を持つのは
メトトレキサートのような
葉酸代謝拮抗薬です。







問263
64歳男性。
大腸がんのため腫傷摘出手術を受けた。
その後、外来にて
オキサリブラチン・カペシタビン療法を
半年間続けている。


薬剤師が患者と面談中
「最近、朝の洗顔時
水が手先にぴりっとくることがあります。
また、手足の皮層が硬くなり、ひび割れが起きました。」
との訴えがあった。

この患者の症状の原因として
最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。

1 オキサリプラチンによる
骨髄抑制に伴う症状

2 オキサリプラチンによる
末梢神経障害

3 カペシタビンによる
手足症候群

4 カペシタビンによる
下肢浮腫

5 カペシタビンによる
皮層粘膜眼症候群



手足の皮層が硬くなったり、はがれたりする
といった症状や
手や足のしびれや感覚の異常といった症状から
これは、手足症候群であると考えられます。


手足症候群を起こす可能性がある代表的な薬は
カペシタビンや、キナーゼ阻害剤です。



よって、正解は 3 です。






問264
60歳男性。
肺がん治療のため
シスプラチンとエトポシドの併用療法と
放射線治療を行う予定である。

主治医より制吐薬に関する
問い合わせがあった。


薬剤師としての回答内容について
誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 放射線照射に伴う悪心・嘔吐には
グラニセトロンが有効である。

2 急性悪心・嘔吐には
グラニセトロンが有効である。

3 遅発性悪心・嘔吐には
アプレピタントが有効である。

4 予測性の悪心・嘔吐には
ロラゼパムが有効である。

5 グラニセトロンとアプレピタントは
併用できない。



選択肢 1,2,3,4 はその通りの記述です。


グラニセトロン(カイトリル)は
5-HT3 受容体拮抗薬です。

抗がん薬投与後の、即時型の吐き気に
著効します。
予防的に、抗がん薬の投与前に服用することが
一般的です。


アプレピタント(イメンド)は
選択的 NK1 受容体拮抗型制吐薬です。
急性期だけでなく、遅発性の嘔吐にも有効です。


予測性の嘔吐とは
抗がん剤のことを考えただけで
吐き気・嘔吐が出るという症状です。
ロラゼパム(ワイパックス)などの
抗不安薬が有効です。



選択肢 5 ですが
グラニセトロンとアプレピタントの併用は
よくある組み合わせです。
併用できないわけでは、ありません。


よって、選択肢 5 は誤りです。




以上より、正解は 5 です。







問265
60歳男性。
肺がん治療のため
シスプラチンとエトポシドの併用療法と
放射線治療を行う予定である。
主治医より制吐薬に関する
問い合わせがあった。


嘔吐を抑制する薬物の作用機序に関する記述のうち
正しいのはどれか。2つ選べ。

1 グラニセトロンは
求心性迷走神経終末の
セロトニン 5-HT 受容体を遮断する。

2 アプレピタントは
中枢神経系の
タキキニン NK 受容体を遮断する。

3 アプレピタントと同様の
制吐作用機序を持つ薬物として
ジメンヒドリナートがある。

4 ロラゼパムは
中枢神経系のドパミン D 受容体を刺激する。

5 ロラゼパムと同様の
制吐作用機序を持つ薬物として
アルプラゾラムがある。



選択肢 1 ですが
グラニセトロンは、5-HT 受容体拮抗薬です。
5-HT 受容体遮断薬では、ありません。


よって、選択肢 1 は誤りです。



選択肢 2 は、正しい選択肢です。



選択肢 3 ですが
ジメンヒドリナートは、H1 受容体拮抗薬です。
抗がん薬による治療の際に、制吐薬として
しばしば用いられます。
しかし、アプレピタントと同様の機序ではありません。


よって、選択肢 3 は誤りです。




選択肢 4 ですが
ロラゼパム(ワイパックス)は
ベンゾジアゼピン系抗不安薬です。
D2 受容体刺激作用はありません。


よって、選択肢 4 は誤りです。



選択肢 5 はその通りの記述です。
ロラゼパム、アルプラゾラム共に
ベンゾジアゼピン系の薬です。



以上より、正解は 2,5 です。








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