2015.10~2015.12



◆2015.12.30

Misty Mystery


頭上に雲がないのに雨が降ってくるのって、何が水の供給源になってるんだろう…?


(ICO)


 
◆2015.10.31

「患者のための薬局ビジョン」


医薬分業が社会に浸透してからしばらく経ち、今の医薬分業率(院外処方の割合)は約7割になっています。

医薬分業のおかげで、いくつもの病院に通っているヒトでも1つの薬局で一度にすべての薬が揃うため、
そのようなヒトにとっては手間が省けます。
また、そうすることで薬剤師側も服用している薬の状況を一元的に管理できるため、
重複投薬や危険な相互作用などに気づきやすくなります。
さらに最近では、後発医薬品(ジェネリック薬)の使用促進や薬剤師による在宅医療が盛んですが、
これらも医薬分業が進んだことによる良い取り組みと云えそうです。

一方で、医薬分業のせいでちょっと迷惑なことも起こります。
まず、患者さんの負担額が増えました。
今までのように病院に通ってその場で薬をもらうのと、病院と薬局のそれぞれで支払う額の合計を比べると、
後者のほうが計算上(診療報酬上)、値段が高くなります。
また、単一の病院しか受診しない場合だと、今まで1か所で済んでいたものを2か所(病院+薬局)行かなくては
いけないというのが、結構面倒です。
さらに、薬局の数が増えすぎて(全国57,000店くらい。街によってはコンビニのごとく乱立しているところも。)
どこに行けばいいのかわからないし、何が違うのかもわからない…といった感じです。


そんなこんなで長所も短所もある医薬分業ですが、それらを踏まえて、
良いところを残しつつ悪いところをできるだけ解消した、患者さん本位の医薬分業を実現しましょう、ということで、
先日(2015年10月23日)、厚生労働省から「患者のための薬局ビジョン」というものが公開されました。

平たく云うと、今から10年後(2025年)、20年後(2035年)の薬局の将来像を思い描いた報告書です。
キーワードは「かかりつけ薬剤師・薬局」で、ポイントは以下の3つです。

① 立地から機能へ
    今までは薬局の立地条件が重要視されていましたが、今後は、24時間体制だとか、在宅対応をするだとか、
    そういう機能面を重視していきましょう。という考え方です。

② 対物業務から対人業務へ
    薬剤を正確に調整すること(対物業務)、それはとても重要ですが、これからは
    それだけではなく、患者さんとのコミュニケーション(対人業務)にも力を入れましょう。という考え方です。

③ バラバラから一つへ
    患者さんがいくつもの薬局に行くのではなく、かかりつけ薬剤師やかかりつけ薬局を作ることで、
    情報を集約でき、質の高い健康管理やコミュニケーションを行えるようにする。という考え方です。


さて…内容を見ると、どれも良い感じです。うまく機能しさえすれば、素敵な未来が待っているような気がします。

このビジョンを見ていて思うのは、サービスの内容を充実させる道は見通し(やること)がはっきりしているので、
それに向かって進んでいくことは比較的やりやすそうです。
なので、成功の鍵はサービス提供側ではなく、サービスを受ける側の患者さん達の意識をどう変えていくかになりそうです。
「かかりつけ薬剤師・薬局」を作るメリットを患者さんが実感できればいいのですが、そうでなければ、
やっぱり各病院やクリニックの門前薬局に行くことになり、皮膚科の日と耳鼻科の日では別の薬局を利用してしまいそうです。


そんなわけで、このビジョンを実現するため、どのような情報公開や広報活動を展開するのか…
ちょっと楽しみにしながら見守っています。



もう少し詳しい内容を知りたい方は、以下のURLのサイトを参照してください。 
リンク先は、厚生労働省ホームページ内の報道発表資料のPDFです。 



さらに詳しい内容を知りたい方は、以下のURLのサイトを参照してください。 
リンク先は、同じく厚生労働省ホームページ内の報道発表資料のページです。 

報道発表資料
「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~ を策定しました


(ICO)


 
◆2015.10.21◆

「薬草栽培」 


TPPの影響で国内の野菜や果物を作っている農家に危機感がある中、より収益性の高い植物を育てれば良いということで、
漢方薬の原料となる薬用植物(生薬)の栽培に興味を持つ農家の方が増えているという話を聞いたことがあります。 

でも、生薬の栽培って結構難しいんじゃないだろうか…と思って調べてみると、やっぱり、
生薬のもともとの原産地と日本の気候の違いなどから、簡単に栽培できるものはなかなかなさそうでした。

けれど、三菱樹脂がこの夏に発表した情報によると、国内でも甘草を量産できる技術の確立が順調に進んでいるそうです。


漢方薬は複数の生薬を組み合わせてできますが、数ある生薬の中でも最も多用されるものの一つが甘草です。 

原産地は中国北部や中央アジア、地中海地方、アメリカ北部など比較的多くの国々が挙げられますが、
いずれも野生品がほとんどで、農作物と同様、その年の気象条件によって収穫量が大きく変わります。 

しかし、三菱樹脂とグリーンイノベーションという2社の共同研究によると、
人工光を利用したり、優良株を選抜して増殖させたりすることで、国内でも安定した生産ができそうだということです。 

今はまだ実際に量産化を始めているわけではないのですが、前に向かって進んでいることは確かです。 


これがTPP危機を受けている農家にとって逆転の一手となるかどうかはわかりませんが、
少なくとも、薬学の世界にとっては良いニュースであるように思えます。

国内産の生薬がこれからもっともっと増えて、新幹線の窓から生薬畑の風景を眺めることができたら、楽しいだろうなぁ…♪ 



より詳しい内容を知りたい方は、以下のURLのサイトを参照してください。 
リンク先は、三菱樹脂株式会社ホームページ内のニューリリースのコーナーです。 

「薬用植物「甘草(カンゾウ)」の国内量産技術の確立について」 


(ICO)