1-1 8) ルイス酸・ルイス塩基









酸といえば酢酸や硫酸を思い浮かべるかと思います。
塩基といえばアンモニアや水酸化ナトリウムなどが挙げられます。
では、酸・塩基の定義は何かと問われると、その定義の仕方によって主に3つの答え方があります。
   ① アレニウス(Arrhenius)の定義
   ② ブレンステッド・ローリー(Brønsted–Lowry)の定義
   ③ ルイス(Lewis)の定義


◆アレニウス(Arrhenius)の定義◆

アレニウスの定義では、
   酸  → 水素イオンを生じる物質
   塩基 → 水酸化物イオンを生じる物質
という、至ってシンプルな分け方をしています。
しかし、水溶液中ではこの説明で通用したとしても
非水溶媒では適用できないこともあり、不完全な定義といえます。


◆ブレンステッド・ローリー(Brønsted–Lowry)の定義◆

ブレンステッド・ローリーの定義では上述の問題点を改良し
酸・塩基反応をプロトンの移動であると考えています。
つまり
   酸  → プロトン供与体
   塩基 → プロトン受容体
と定義しています。
HClは相手にH+を渡すため酸であり、NH3はH+を受け取ってNH4+となるため塩基である、といった具合です。
しかし、アレニウスの定義より適用範囲の広いブレンステッド・ローリーの定義ですが、まだ問題点があります。
それは、プロトンを持つ物質でしか適用できないということです。


◆ルイス(Lewis)の定義◆

そこで、ルイスの定義が登場します。その定義は以下のようなものです。
   ルイス酸  → 電子対を受け取る物質
   ルイス塩基 → 電子対を供与する物質

ルイスの定義による酸・塩基はそれぞれ、ルイス酸・ルイス塩基と呼ばれます。


電子対を受け取る物質とは、外殻が閉殻構造をとるのに少なくとも2電子不足している化学種のことで
電子を受け取ることで安定構造となります。


一方、電子対を供与する物質とは、少なくとも1対の非共有電子対を持つ化学種のことです。
ルイス塩基の
非共有電子対がルイス酸と共有されて新しい結合ができます。

この定義ならば、プロトンを持たない物質の酸・塩基についても適用が可能です。
プロトンを持たない酸とは、例えばBF3、AlCl3などが挙げられます。
もちろん、プロトンを含んでいる酸もルイス酸と呼ぶことができます。

以下に、ルイス酸とルイス塩基の酸・塩基反応の例を示します。





                 図1




                           図2


以上をまとめると、下の表のようになります。







演習)