アルケンは分子内に二重結合を1つ持つ炭化水素のことです。その一般式はCnH2nで表されます。 その代表例はC2H4で表されるエチレンであり、この炭素はsp2混成軌道を取ります。 または、二重結合は単結合に比べ、その結合距離が短いという特徴があります。 (参考:エチレンのC=C結合が1.33Åであるのに対し、エタンのC-C結合は1.54Å) ◆アルケンの安定性◆ アルケンは二重結合を有しますが、その二重結合の置換基は最大で4つとなります。下図のR1~R4のことです。 R1~R4には主にアルキル基または水素原子が入ります。 アルケンの安定性はこの置換基の数が大きく関係し、R1~R4にアルキル基が多いほど安定となります。 つまり、次のような関係になります。 安定性大 ← 4置換 > 3置換 > 2置換 > 1置換 > 0置換(エチレン) → 安定性小 ここで、2置換アルケンに注目すると、これは cis 体と trans 体の2種が考えられます。 この2つでも安定性が異なり、同じ置換基の場合には cis 体よりも trans 体のほうが安定となります。 その理由は、cis 体だと置換基同士の立体反発が生じる分、不安定となるためです。 一方の trans 体だと置換基同士が遠いため、その立体障害は問題となりません。 |