3-1 1) 生体-薬物間相互作用の官能基の役割






医薬品の多くは生体内高分子と結合して初めてその効果を発揮します。
その結合様式にはイオン結合、水素結合、ファンデルワールス力など様々で、官能基によってどのような結合の形成を担うかも異なります。
生体内高分子と薬物の相互作用におけるそれぞれの官能基の役割を、以下で説明していきます。


◆カルボキシル基◆

カルボン酸は生体内分子との水素結合を形成する際に、プロトン供与体として働きます。
また、カルボン酸が生体内ですでにイオン化している(=カルボキシラートイオン)場合、イオン結合を形成します。
カルボキシル基は酸性であるため、タンパク質中の塩基性アミノ酸側鎖との相互作用が起こりやすいです。



◆ヒドロキシル基◆

ヒドロキシル基はほとんどの場合、水素結合に関与します。
プロトン供与体として働くことも、逆にプロトン受容体として働くこともあります。



◆カルボニル基◆

ケトンの酸素原子は非共有電子対を持つことから、水素結合のプロトン受容体となります。
また、ケトンのC=O間はその電気陰性度の違いから分極しているため、双極子相互作用を起こすこともあります。



◆アルコキシ基◆

アルコキシ基とは-ORで表される官能基で、エーテルなどが代表例です。
酸素原子の非共有電子対により、プロトン受容体として水素結合を形成します。



◆アミノ基◆

アミノ基は水素結合の受容体となります。
また、アミノ基は生体内ではプロトン化して陽イオンになっていることが多いで、その場合はイオン結合を形成します。



◆アルキル基・芳香環◆

ベンゼン環などの芳香環やアルキル基は疎水性が高いので、タンパク質中の疎水性アミノ酸残基との間で疎水性相互作用が働きます。
アルキル基の場合は炭素数が多ければ多いほど疎水性も上がり、その作用も強くなります。