3-2 6) SN反応とE反応のまとめ







前項までに S反応(求核置換反応)とE反応(脱離反応)の解説をしてきましたので、この項では 3-2 章のまとめを載せます。
以下の表は、3-2 1)で載せたものと同じです。
この表をしっかりと理解して覚えることができれば、ハロアルカンの反応については大よそ問題ないかと思います。
  

求核剤の種類と例 →


ハロアルカン ↓

弱い求核剤

H2O

弱塩基の強い

求核剤

I

強塩基の求核剤

(立体障害なし)

CH3O

強塩基の求核剤

(立体障害あり)

(CH3)3CO

メチル

反応なし

SN2

SN2

SN2

第一級(立体障害なし)

反応なし

SN2

SN2

E2

第一級(立体障害あり)

反応なし

SN2

E2

E2

第二級

SN1, E1(反応遅い)

SN2

E2

E2

第三級

SN1, E1

SN1, E1

E2

E2



上表を見てわかる通り、例えば求核試薬として H2O を用いた場合、これは求核性が低いため反応が起こりづらいです。
ただし、ハロアルカンが第三級の場合はそのカチオンが安定であることから SN1 反応や E1 反応などが起こります。

次に、求核性は強いけれど弱塩基である求核試薬、例えば I‐ などを用いると、多くの場合、SN2 反応が起こります。
E2 反応は求核性が強く、かつ塩基性が強い時に起きる反応なので、今回のような求核試薬ではあまり起こりません。
また、基質が第三級ハロアルカンの場合はカチオンを経る SN1 反応や E1 反応になりやすいです。

また、CH3O‐ のような立体障害の小さい強塩基を求核試薬とすると、基質の立体障害が小さいときは SN2 反応となります。
基質の立体障害が大きいと、求核試薬が近づきづらくなるため、E2 反応が優先します。

最後に、(CH33CO‐ のように立体障害の大きな強塩基を求核試薬とした場合は、基本的には E2 反応が起こります。
基質のハロアルカンがメチル基の時のみ、基質の立体障害がごく小さいので SN2 反応が優先します。