チオール類とは、R-SH で示される化合物のことです。 -SH 基のことを、チオール基もしくはスルファニル基といいます。 O 原子と S 原子は同族であるため、チオール( R-SH )は基本的にはアルコール( R-OH )と似た性質を持ちます。 ただし、チオールは特有の臭い(腐敗臭と表現されることもあります)を持つことが多いです。 また、チオールはアルコールに比べて酸性度が高く、弱酸性を示します。 ◆チオール類の反応◆ チオールは S 原子が非共有電子対を有するので、求核剤として働きます。 これは、O 原子を持つアルコールの同じ考え方です。 また、チオール特有の反応として、ジスルフィド結合の生成があります。 まずは以下の反応式を見てください。 このように、2 分子のチオールが酸化反応によって 1 分子のジスルフィドを生成します。 この「-S-S-」という結合を、ジスルフィド結合といいます。重要なのでぜひ覚えてください。 また、ジスルフィドを還元すれば、逆反応が起こってチオールが生成します。 前項では、フェノール性水酸基が含まれているかどうかを調べる定性試験がありましたが、チオールにも定性試験があります。 チオール類を含む場合、酢酸鉛((CH3COO)2Pb)を反応させると、酢酸鉛の Pb2+ とチオールとの反応で硫化鉛(PbS)の黒色沈殿が生じるので、これで確認ができます。 |