◆第一級アミンの付加反応◆ アルデヒドやケトンに第一級アミンを反応させると、アミンの付加反応に続く脱水反応が起こり、結果、イミンが生成します。 イミンとは、アルデヒド(またはケトン)のカルボニル基( C=O )の部分がイミノ基( C=N-R )になっているような化合物です。 また、この反応の反応機構は以下のとおりです。 求核剤が第一級アミンだけではなく、アンモニアでも同様の反応が起こります。 第一級アミンの中でも、ヒドロキシルアミンやヒドラジンなど、特徴的な構造を持ったアミンを使うと、その生成物もオキシムやヒドラゾンなど、少し変わったものになります。 ◆第二級アミンの付加反応◆ 第二級アミンをアルデヒドまたはケトンと反応させたときも、第一級のときと同様の反応が起こります。 しかし、脱水反応の際に第一級アミンではアミン自身のH+が抜けていましたが、第二級には該当する水素原子がないため、基質の H+ が抜け落ちます。 その結果、生成物はイミンではなく、エナミンになります。 ◆Grignard 試薬による C-C 結合反応◆ 有名かつ重要な反応に、この「 Grignard (グリニャール)試薬」を用いた炭素-炭素結合生成反応があります。 教科書によっては「グリニャール」ではなく「グリニャー」と書いてあるかもしれませんが、同じものです。 また、Grignard 試薬を用いる反応なので、「Grignard 反応」とあっさりした書き方をすることもあります。 さて、この反応は上述のとおり、2つの炭素原子間で結合を作りたいというときに活躍します。 まずは Grignard 試薬についてですが、これは R-MgX で示される化合物群の総称で、R にアルキル基、X にハロゲンが入ります。 たとえば、CH3 CH2 MgBr といった感じです。 アルデヒドやケトンにこの Grignard 試薬を反応させると、以下のような反応機構によって、アルコールが生成します。 上図を見てもわかるように、Grignard 試薬は R の部分が δ- に帯電しているため、求核剤になります。 この求核剤が、アルデヒド(またはケトン)のカルボニル炭素を攻撃することで C-C 結合が生成し、 水で後処理をすることによって、アルコールを得ることができます。 基質がアルデヒドのときには、この反応により第二級アルコールが生成し、 基質がケトンのときには、この反応により第三級アルコールが生成します。 また、Grignard 試薬の代わりにアルキルリチウム試薬( R-Li )を用いても、同様の反応が進行します。 |