3-5 7) Wittig反応・Clemmensen還元など








3-5 1)にて、アルデヒド・ケトンの反応は

  • 求核付加反応
  • α水素での反応
  • その他の反応

に大別できると説明しました。
本項では、最後の「その他の反応」について解説をしていきます。
その他といってもおまけ的な位置づけではなく、紹介する4つの反応はどれも重要です。



◆Wittig 反応◆

Wittig (ウィッティヒ)反応は、アルデヒド(またはケトン)と Wittig 試薬が反応して、アルケンが生じる反応です。

Wittig 試薬というのはリンイリドのことで、以下のように、トリフェニルホスフィン( Ph3-C )とハロゲン化アルキル(R-X)が反応して生成します。


    


ここではハロゲン化アルキル( R-X )をブロモメタンにしています。
ちなみにイリドというのは、正電荷を持つヘテロ原子と負電荷を持つ炭素原子が結合している化合物群のことで、ヘテロ原子がリン( P )だと、リンイリドと呼ばれます。

次に、このリンイリドがアルデヒド(ケトン)と反応し、四員環の中間体を経てアルケンとなります。


    


反応機構は上に示したとおりですが、結局のところ以下のような反応式となり、カルボニル基( C=O )の酸素原子がWittig 試薬のアルキル基に置換されるかたちになります。


    



◆Baeyer-Villiger 酸化◆

Baeyer-Villiger (バイヤー・ビリガー)酸化はケトンと過酸の反応で、エステル生成反応です。
過酸とはペルオキシカルボン酸ともいい、ペル(=多い)+オキシ(=酸素)+カルボン酸( -COOH )から、RCOOOH の構造を持ちます。


    


反応機構は以下のとおりです。


    



◆Clemmensen 還元◆

Clemmensen (クレメンゼン)還元は、カルボニル基を還元してメチレン基にする反応です。
試薬は亜鉛アマルガム( Zn-Hg )を用い、塩酸などの強酸中で加熱することで反応が進行します。


    


ちなみに、アマルガムとは水銀と別の金属の合金をいいます。
亜鉛アマルガムといえば、亜鉛と水銀の合金です。



◆Wolff-Kishner 還元◆

Wolff-Kishner (ウォルフ・キッシュナー)還元も Clemmensen 還元と同様にカルボニル基をメチレン基に変える反応です。
ただし、反応試薬や条件が違い、こちらは塩基条件でヒドラジン( NH2NH)を作用させ、加熱します。