4-5 3) 質量分析法(分析部)



フラグメントイオンを質量ごとに分離するための場所を分析部といいますが、その分離の方法にも様々な種類があります。
この項ではその中でも主要である以下の3種類の方法について解説していきます。

    ・ 磁場偏向型
    ・ 四重極型(Q)
    ・ 飛行時間型(TOF)


磁場偏向型

磁場偏向型のイメージは以下の図のような感じです。

    

イオンが磁場中を飛行して通っているとき、磁場から受ける力によってある程度、その軌道が曲げられてしまいます。
つまり、質量が大きいイオンはあまり曲がらず、質量が小さいイオンは大きく曲がるために、質量ごとに分離することができます。


四重極型(Q)

以下の図のように平行に並んだ4本の電極に電圧をかけ、この中にイオンを通して分離する方法が四重極型です。
四重極型質量分析計のことを Quadrupole Mass Spectrometer から、QMSということもあります。

    

ある電圧下ではある程度決まった質量のイオンだけがこの四重極を通過することができるため、
電圧を変化させていくことによって、目的とする質量のイオンを次々に分離していくことが可能となります。


飛行時間型(TOF)

飛行時間型質量分析計は、Time-of-Flight Mass Spectrometer の頭文字から、TOF-MSとも呼ばれています。

イオンにある一定の電圧をかけて加速させると、質量の小さなものは早く飛び、質量の大きなものはゆっくり飛びます。
このことを利用して、イオンを加速させた地点から検出器に到達するまでの時間を測定することで、
そのイオンがどのくらいの質量を持っているかを知ることができます。

    

この方法は測定可能な質量の幅が広い上、感度も良いため、優れた分析法といえます。