4-5 7) 高分解能マススペクトル



マススペクトル(MS)では普通、質量(正確には質量電荷比)がわかるだけでその原子の構成などはわかりません。
たとえば、ある分子量のうちの16が、「炭素1つ分と水素4つ分」に当たるのか、それとも「酸素1つ分」に当たるのか、
ぱっと見で判断することができません(フラグメントイオンなどを考えていけば推測することはできるかもしれませんが)。

しかし、炭素の原子量を12と考えるのではなく、より詳しい12.00までカウントして、同様に水素は1.008、
酸素は15.99とカウントすれば、「炭素1つと水素4つ」は16.03で「酸素1つ」は15.99なので、その差が出てきます。

このように、分子量を整数ではなく小数点以下まで検出できるマススペクトルを高分解能マススペクトルといいます。
一般的に分解能が10,000くらいあると高分解能マススペクトルに分類されるといえます。

分解能が10,000あれば、m/z の値が1000.0と1000.1である2つのピークを明確に区別することが可能です。
または、m/z の値が100.00と100.01である2つのピークを明確に区別することが可能、と表現することもできます。

つまり、分解能をR、あるピークの m/z の値をM、もうひとつのピークの m/z の値をM+ΔM とすると、

    

を満たす限りは、2本のピークを明確に区別できると考えることができます。