3) 脂肪酸の生合成経路




脂肪酸の生合成は
主に、細胞質、ミトコンドリア、小胞体において行われます。

脂肪酸の生合成の原料はアセチルCoAです。
重要な中間体はマロニルCoAです。


脂肪酸の生合成は、大きく3段階に分類されます。
1 : アセチルCoAにおけるアセチル基の、ミトコンドリアから細胞質への輸送
2 : 細胞質における、アセチルCoAのカルボキシル化による、マロニルCoAの合成
3 : 脂肪酸シンターゼによる、脂肪酸炭素鎖の延長


イメージは、下図になります。



3 段階目まで終わった時点で
飽和 C16 のパルミチン酸ができます。

更に、ミトコンドリアや小胞体において
炭素鎖が延長されたり
不飽和化されたりすることもあります。
それぞれの段階について詳しく説明します。


ミトコンドリアにおいて
クエン酸回路の中間生成物として生成される
オキサロ酢酸と、アセチルCoAを原料として
クエン酸シンターゼにより、クエン酸が合成されます。

このクエン酸合成により
アセチルCoAのアセチル基が、クエン酸へと受け渡されます。


アセチルCoAのままでは
ミトコンドリア内膜を通過できないのですが
クエン酸は、トリカルボン酸輸送系と呼ばれる
ミトコンドリア内膜における担体タンパク質により
細胞質側へと輸送されます。

結果的に、アセチルCoAにおけるアセチル基の
ミトコンドリアから細胞質への輸送が行われたことになります。


ちなみに、細胞質において、クエン酸は、ATP-クエン酸リアーゼにより
CoAと反応することでアセチルCoAになります。

ここまでが段階1の詳しい説明です。



細胞質において
アセチル CoA を原料として、アセチル CoA カルボキシラーゼにより
マロニル CoA が合成されます。
この反応は、脂肪酸合成の律速段階の1つです。

アセチルCoAカルボキシラーゼは、クエン酸や、ホルモン
更にはリン酸化部位によるリン酸化の有無といった
様々な要素により制御を受けることがわかっています。

ここまでが段階2の詳しい説明です。



細胞質において
C2 単位ずつ、マロニル CoA を原料として
脂肪酸炭素鎖は伸長していきます。

この反応を触媒するのが
脂肪酸シンターゼと呼ばれる、多機能酵素です。


マロニル CoA を原料とした
脂肪酸伸長反応は
具体的には数段階の反応を経て進行します。

それらの個々の反応を
1つの酵素で触媒するため、多機能酵素と呼ばれます。

反応の途中においては
C2 単位の炭素及び伸長中の脂肪酸は
脂肪酸シンターゼの一部
(その部分を、アシルキャリアータンパク質とも呼ぶ)
に結合しています。


脂肪酸シンターゼにおいて
多段階の反応を繰り返し経ることにより
脂肪酸は伸長していきます。

その結果として
飽和 C16のパルミチン酸が合成されます。

パルミチン酸合成の式は
化学反応式で表すと下の式のように表されます。

補酵素とは、NADPH です。
多段階の反応の途中で用いられます。
その他として、NADP+や、水が生成されます。


ここまでが段階3の詳しい説明です。