1) アミノ酸の構造、性質




アミノ酸とは
アミノ基(-NH2)と、カルボキシル基(-COOH)の
両方の官能基を持つ化合物の総称です。

特に生化学の分野では
α-アミノ酸が注目されます。

α-アミノ酸とは
カルボキシル基に隣接する炭素(α-炭素)に
アミノ基が結合しているアミノ酸のことです。
一般的には、下のような構造で表わされます。



R には、様々な構造が入ります。
この R の部分の違いが、アミノ酸の種類の違いです。
α炭素は、R の部分が水素(H)でない場合は
不斉炭素になります。

Fischer 投影式で
カルボキシル基を上に向けて書く時
左にアミノ基がくるものはL-アミノ酸
右にアミノ基がくるものはD-アミノ酸と呼ばれます。
※ 糖質と同様、このD,L表記と、右旋性、左旋性は無関係です。


天然のタンパク質は
L-アミノ酸だけで構成されるという特徴が知られています。
また、タンパク質は
20 種類のα-アミノ酸から、原則的に構成されます。


この 20 種類のアミノ酸に関しては
構造、3 文字表記、1 文字表記を
関連づけて覚えておくことが期待されます。

とはいえ、なかなか覚えられないものです。
そこで、20 種類のアミノ酸を
意外と思い出しやすかった分類を紹介します。
覚え方の、ひとつのきっかけになればと思います。


20 種類のアミノ酸を
大きく 3 グループに分けます。

3 つの大グループの中に
特徴に注目した小分類がいくつかあります。

小分類において
始めの 1 フレーズは、そのグループの名前です。

「→」の次は
側鎖部分の構造の特徴を端的に言っているフレーズです。
もう1個の「→」の次は、そのアミノ酸の名前です。



グループ 1  シンプルな仲間たち

・すごく単純 → R=H、CH
3 →グリシン、アラニン
・アスパラギンペア → Rの部分は、カルボン酸、アミドの順。
2個めのCで=O→アスパラギン酸、アスパラギン
・グルタミンペア → R は、カルボン酸、アミドの順。
3個めのCで=O→グルタミン酸、グルタミン
・分岐鎖→炭素数は、3、4、4。
1個めで枝分かれすると、イソ。
原則先っぽが割れる→バリン、ロイシン、イソロイシン

ここまでの文字表記が
Gly,G Ala、A
Asp、D、Asn、N
Glu、E、Gln、Q
Val、V、Leu,L Ile、I

ここまでを表にまとめると、以下のようになります。

続きです。
グループ2 Sとか芳香族とか、目立つ特徴のある仲間たち

・S含む → メチルチオール、炭素2こ-S-メチル基
→ システイン、メチオニン
・芳香族 → メチルベンゼン、+OH を p 位、インドール環
→ フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン
・Nが多い → C
でアミン、メチルイミダゾール(C5、N2)、Cでグアニジン
→リシン、ヒスチジン、アルギニン

ここまでの文字表記が
Cys、C Met、M
phe、F Tyr、Y Trp、W
Lys,K His、H Arg、R

ここまでを表にまとめると、以下のようになります。
最後です。
グループ3 余りもの仲間たち

・OH基を持つ→メタノール、バリンを書いて、先に OH
→セリン、トレオニン
・なんとも言えない→N から、C でまいて、元の C とつなぐ
→プロリン

ここまでの文字表記が
Ser、S、Thr、T
Pro、P

です。表にまとめると、以下のようになります。
演習)