1) モノアミン系神経伝達物質


モノアミン系神経伝達物質とは、構造式の中にアミノ基(-NH2)を持つ神経伝達物質の総称です。

代表例として、カテコールアミンと、セロトニンがあげられます。

カテコールアミンとは、カテコール構造(ベンゼン環に、2 つ o 位に OH 基 がある構造) と、アミノ基を持つ化学物質の総称です。

具体的には、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミンがあげられます。


カテコールアミンの生合成について解説します。

カテコールアミンは、チロシンを原料に生合成されます。

チロシン→ドパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンという経路で合成されます。


構造は、以下の図のようになります。構造が変わっている部分に赤丸をつけています。

点線の赤丸は、無くなっていることを示しています。

チロシン → L-ドパは、チロシン水酸化酵素

L-ドパ → ドパミンは、芳香族 L-アミノ酸脱炭酸酵素

ドパミン → ノルアドレナリンは、ドパミン β-水酸化酵素

ノルアドレナリン → アドレナリンは、N-メチル転移酵素 という酵素がそれぞれ触媒します。


カテコールアミンの分解・代謝は、モノアミン酸化酵素(MAO:monoamine oxidases)や

カテコール-O-メチル転移酵素(COMT:catechol-o-methyl transferas

という酵素により代謝、分解されます。



ドパミンは、ドパミン受容体に作用することにより、生理活性を示します。

ドパミン受容体には、D1、D2 受容体といったサブタイプが存在します。

サブタイプごとに、器官における発現が異なり、それぞれの器官において様々な反応を引き起こします。


代表的な作用としては、中枢神経系における作用があげられます。

ドパミンは、中枢神経系の、黒質-線条体系などにおいて、神経伝達物質として働いており、手足の動作をスムーズにするといった機能を担っています。そのため、ドパミンが減少すると、パーキンソン病をきたすことが知られています。



ノルアドレナリン、アドレナリンは、アドレナリン受容体に作用することにより、生理活性を示します。

ドパミン受容体と同様に、アドレナリン受容体にも、α1、α2、β1、β2 受容体といったサブタイプが存在します。

サブタイプごとに、器官における発現が異なり、それぞれの器官において様々な反応を引き起こします。


代表的な作用としては、心臓、血管系への作用があげられます。

ノルアドレナリン、アドレナリンは、心臓の β1 受容体を刺激することで、心機能を更新させます。

又、血管の α1 受容体を刺激することで、血管平滑筋を収縮させます。

どちらも、血圧を上昇させる作用といえます。




次に、セロトニンの生合成を説明します。

セロトニンは、トリプトファンを原料に生合成されます。

トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP:5-Hydorxytryptophan

→セロトニン(5-HT:5-hydroxytryptamine)という経路で合成されます。


構造は、以下の図のようになります。構造が変わっている部分に赤丸をつけています。

点線の赤丸は、無くなっていることを示しています。


セロトニンの分解・代謝は、モノアミン酸化酵素(MAO:monoamine oxidases)などによって行われます。



セロトニンは、セロトニン受容体に作用することにより、生理活性を示します。

セロトニン受容体にも、5-HT1、5-HT2 受容体といったサブタイプが存在します。

サブタイプごとに、器官における発現が異なり、それぞれの器官において様々な反応を引き起こします。


代表的な作用としては、消化管の収縮、腸蠕動運動の更新及び、嘔吐を引き起こすといった作用が知られています。



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