3-1 1) 神経系の興奮と伝導の調節機構






神経系の興奮とは
神経細胞の膜の一部の膜電位が変化することです。
どこかで神経が興奮すると
その興奮は神経細胞の膜上をどんどん伝わっていきます。
これを興奮の伝導と呼びます。



まず、興奮がどのようにおきるかを説明します。
神経細胞の興奮のイメージは以下のようになります。



神経細胞は
興奮していない時は、内側の方がマイナスの電位を持っています。
このマイナスの電位は、静止膜電位と呼ばれます。

これは細胞膜上のNa+,K+-ATPase による
Naイオンの外への汲み出しにより実現されています。

イメージとしては
いつでも刺激を伝える準備を、ATPを用いて整えているというイメージです。


刺激がくると、Naチャネルが開き
外にあったNaイオンが細胞内に流れ込んできます。
これにより細胞の膜電位が変化します。
具体的にはプラスの電位を持ちます。
この現象は脱分極と呼ばれます。

ある程度 Na+ が入ってくると
それを刺激として、細胞膜上にある Kチャネルが開きます。
これにより細胞内の電位は再びマイナスへと傾きます。
これを再分極と呼びます。


神経系の興奮は、以上のように
静止膜電位→脱分極→再分極という過程を通じて調節されています。
調節を担う分子的実態はイオンチャネルです。




興奮の伝導は
神経線維が有髄か無髄かで大きく異なります。


有髄神経では
跳躍伝導により興奮は伝導されます。
この伝導は、伝導速度が速いことが特徴です。


無髄神経では
隣り合った部分に電流が流れることが刺激となり
興奮が伝導されていきます。
有髄神経の興奮伝導と比べ
速度が遅いことが特徴です。


イメージとしては
有髄神経の伝導は、のろし台における情報伝達です。
1箇所ののろし台から煙が立ち上がるのを見た
遠くにある次ののろし台が煙をあげる
というプロセスを繰り返すことにより
遠くへ情報を速く伝達しています。

それに対し、無髄神経の伝導は
手紙を運ぶ飛脚が、交代交代に手紙を運ぶような情報伝達といえます。


伝導の大きな特徴は
両方向性の伝導であることです。
すなわち、ある点に刺激があると
そこから両方に興奮が伝わっていくということです。