1) 腎における排泄機構


※本項目は

生化まとめました 1-8 1)

(腎臓、膀胱の機能と構造) 

の内容を前提とします。




腎臓における排泄は

大きく3つの過程によります。


1:糸球体ろ過

2:尿細管分泌

3:尿細管再吸収 です。



イメージは以下になります。




※分泌は、主に近位尿細管。

※再吸収は尿細管のあらゆる所と考えて OK 。


それぞれの過程について

詳しく説明していきます。




【1:糸球体ろ過】

糸球体ろ過された液体を原尿と呼びます。

原尿には、薬物など様々な物質が含まれます。



糸球体ろ過により通過できる物質は

糸球体の基底膜による 

「サイズ(分子量)バリア

+チャージ(負電荷)バリア」 を

通過できる物質です。


具体的には

低分子 かつ 負電荷なし の物質 が

糸球体ろ過により通過し、原尿に含まれる物質となります。



低分子はほぼ通過なので

大抵の薬物は通過し、原尿に含まれます。

ただし、血中タンパク質に結合している薬物は

糸球体を通過せず、原尿に含まれません。



タンパク質は原則、通過しません。

なぜなら、サイズが大きいし

負電荷を帯びているからです。


※何らかの原因で

タンパク質が糸球体を通過すると

尿タンパク質が出ます。

一方で、血中タンパク質が減ります。

糸球体腎炎が代表的原因です。




糸球体ろ過速度を GFR と呼びます。

100mL/min ぐらいです。



GFRの測定は

イヌリン(糖の一種)を投与し

尿排泄を測定すれば理想的です。

ただし、イヌリンの投与から何時間も

尿を採取して溜める必要があります。


時間がかかるので

実際には、採血により

「血中クレアチニン値」を測定し

そこから計算する eGFR という値から

GFR を推定します。


eGFR とは

たくさんの患者のデータをもとに

血中クレアチニン値、年齢、性別から

GFR を簡便に推定する値のことです。




【2 尿細管分泌】

「尿細管の周りの血管を流れる血液」 から 

「尿細管」 への物質の流れ を

尿細管分泌 といいます。


主に 近位尿細管で行われ

担体タンパク質である

様々なトランスポーターが関与する過程です。



代表的トランスポータが

有機アニオン系トランスポータ(OAT)です。

アニオン(陰イオン)系の物質を輸送します。


運ばれる代表的薬物は

キニジン 、メトトレキサート、プロベネシド です。


(残りは余裕あれば。

有機カチオン系 

→ シメチジン、メトホルミンなど。


P-糖タンパク質 

→ キニジン、ジゴキシンなど。)




【3 再吸収】 

再吸収とは

「尿細管」から

「尿細管の周囲の血管を流れる血液」への

物質の流れのことです。



近位尿細管における再吸収は

様々なトランスポータが関与します。



遠位尿細管における再吸収では

単純拡散がメインとなります。

単純拡散では、pH により再吸収される量が変化します。



具体的な例として

「サリチル酸」(弱酸性薬物の例)を投与時に

pH が低くなるとどうなるか考えてみましょう。


弱酸性薬物は

pH が低い、つまり酸性環境において

分子形率↑。

これにより、単純拡散による再吸収量が↑。


その結果

サリチル酸の腎排泄は、減少します。

※この論理を自分で追えるように!




これら3つの過程を経て
尿として体外に、様々な物質が排泄されます。

以上、腎における排泄機構です。






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