3) 糸球体ろ過速度




糸球体ろ過速度とは
糸球体を通過する液体(原尿)の通過速度です。
GFR と呼びます。
100mL/min ぐらいです。

腎機能の指標として
GFR が用いられます。

(ちなみにですが
新生児の GFR は大人と比べて小さく
大体2歳前ぐらいで
成人と同程度になるとのことです。
日本小児泌尿器科学会
http://jspu.jp/ippan_032.html より。)



GFR の測定は
理想的にはイヌリンという糖の一種を投与し
尿中への排泄量を測定します。

イヌリンは、ほぼすべてろ過される上に
分泌や再吸収をうけない という特徴があるため

イヌリンの腎排泄量がわかれば
糸球体ろ過された血液量がわかる
というわけです。

とはいえ、イヌリン投与後
長時間尿中排泄量を測定するのは大変です。
そこで血中のクレアチニンという物質の値から
簡便にGFRを推定します。


クレアチニンは体内(筋肉内)で合成され
一定の濃度が保たれています。

このクレアチニンのクリアランスに
注目することでも、腎機能を評価できます。

クレアチニンの腎クリアランスの測定には
イヌリンと同様に、理論的には、採血+蓄尿 を行い
それぞれのクレアチニン濃度を測定する必要があります。

しかし、実務では簡便に採血のみで推定できる
Cockcroft - Gault 式 という、以下の式で推定します。


推定される腎クレアチニンCL
=(140-年齢)×体重/72×血清クレアチニン濃度 
※女性の場合 × 0.85 。筋肉量が少ないため。



イヌリン 及び クレアチニン の
構造は以下の通りです。



ちなみに
腎機能の検査関連でもう1つ重要な物質が
パラアミノ馬尿酸です。
構造は、以下になります。




この物質は糸球体ろ過に加え
能動的分泌によりほぼ排泄され
かつ再吸収を受けない という特徴があります。

いいかえると、腎臓を血が1回通るだけで
ほとんどが排泄されるような物質ということです。

そのため
パラアミノ馬尿酸を投与した後に蓄尿して測定することで
腎臓にどれくらいの血液が流れているか
つまり、「腎血流量」等を知ることができます。

以上です。



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