10) 薬物の肝クリアランス、腎クリアランスの計算


薬物の各臓器のクリアランスを計算する場合は

簡単な状態に仮定して考えます。


すなわち、静脈投与された薬物は

1:肝臓で代謝されて、最終的に腎臓を通り尿中へ消失 or

2:ダイレクトに腎臓で排泄され、未変化体として消失 の

どちらか2通りの運命をたどると仮定して考えます。

(便、唾液中などへの排泄を、ひとまず無視します。)



例として

10mg 薬物を静脈投与したら

尿中に、未変化体が 4mg、代謝物が6mg 測定されたとします。


また、この薬物の全身クリアランスは

値がわかっており、ここでは 2 であるとします。



すると、「未変化体」が

ダイレクトに(肝臓で代謝を受けず)

排泄された薬物 です。


従って

4/10 = 0.4 。割合にすれば 40 % が

腎臓で処理されていることから


腎 CL = 0.4 × 全身 CL

= 0.4 × 2

= 0.8 と計算できます。


全身 CL = 肝CL + 腎 CL なので

2 = 肝CL + 0.8 より

肝 CL = 1.2 と求めることができます。



ちなみに、経口投与であれば

バイオアベイラビリティも考慮する必要があります。




以上です。




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