2-5 2) 代表的な鎮咳・去痰薬





鎮咳薬とは
咳を止める薬です。


咳は大きく
乾性咳(痰がない咳)と湿性咳(痰がある咳)に
分類されます。


咳は異物を気道から除去する生体防御反応です。
よって、必要以上に咳を抑えるべきではありません。
しかし、咳による不眠などを伴う場合は
鎮咳薬が用いられます。



鎮咳薬は
主に乾性咳に用いられます。
大きく 3 つに分類されます。


   ⅰ.麻薬性中枢性鎮咳薬
   ⅱ.非麻薬性中枢性鎮咳薬
   ⅲ.末梢性鎮咳薬




.麻薬性中枢性鎮咳薬

このタイプの代表的な薬は
   ・コデイン
   ・ジヒドロコデイン
などが挙げられます。


コデイン、ジヒドロコデインは
麻薬性中枢性鎮咳薬です。
延髄咳中枢を抑制することにより鎮咳作用を示します。
麻薬性は、依存性があります。




ⅱ.非麻薬性中枢性鎮咳薬

このタイプの代表的な薬は
   ・ノスカピン
   ・デキストロメトルファン(メジコン)
   ・チペピジン(アスベリン)
   ・グアイフェネシン(フストジル)
   ・ペントキシベリン(トクレス)
などが挙げられます。
( )の中に書いたのは、商品名の一例です。


ノスカピン、デキストロメトルファン、チペピジン
グアイフェネシン、ペントキシベリンは
非麻薬性中枢性鎮咳薬です。

非麻薬性は、依存性がありません。





ⅲ.末梢性鎮咳薬
このタイプの代表的な薬は
   ・ベンゾナテート
などが挙げられます。


ベンゾナテートは末梢性鎮咳薬です。
肺の伸長受容器を抑制することにより
鎮咳作用を示します。



代表的な鎮咳薬をまとめると
以下の表になります。










去痰薬とは
痰をさらさらにすることで、痰の排出を容易にする薬です。
去痰薬は、大きく 2 つに分類されます。



   ⅰ.気道粘液溶解薬
   ⅱ.気道粘膜潤滑薬




.気道粘液溶解薬
このタイプの代表的な薬は
   ・ブロムヘキシン(ビソルボン)
   ・アセチルシステイン
   ・エチルシステイン(チスタニン)
   ・メチルシステイン(ベクタイト)
などが挙げられます。


ブロムヘキシン、◯◯システイン(アセチルシステイン
エチルシステイン、メチルシステイン)は
気道粘液溶解薬です。


ブロムヘキシンは
気道粘液分泌促進作用、痰の溶解作用
肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌促進
などを介して、粘液の粘性を低下させます。


◯◯システインは、カルボシステインを除き
粘液のムコタンパク質のS-S結合を切断することで
粘液の粘度を低下させます。


※カルボシステインは
去痰薬の中で少し特殊です。

まず、構造に注目すると
他の◯◯システインと違い
カルボシステインには、SH基がありません。

このため、他の◯◯システインのように
S-S結合切断による作用機序ではありません。

カルボシステインは
痰中のシアル酸とフコースの構成比の調節により
分泌細胞を正常化させたり
気道粘膜の修復を行ったりする去痰薬です。




ⅱ.気道粘膜潤滑薬

このタイプの代表的な薬は
   ・アンブロキソール(ムコソルバン)
などが挙げられます。


アンブロキソールは、気道粘膜潤滑薬です。
この薬はブロムヘキシンの活性代謝物です。
肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌促進を
主な作用として持ちます。



代表的な去痰薬をまとめると
以下の表になります。