3-1 2) 代表的な糖質コルチコイド代用薬




糖質コルチコイドとは
副腎皮質(副腎の外側)で産生されるホルモンの一つです。


タンパク質を糖化して血糖値を上昇させる働きを始めとして
様々な働きを持つホルモンです。
ステロイドホルモンとも呼ばれます。


ステロイドとは
環が4つ連なった特徴的構造を持つ化合物群の総称です。



(ステロイドの1例:コレステロールの構造式)




生体で合成される天然の糖質コルチコイドには
鉱質コルチコイド作用と呼ばれる作用もあります。

鉱質コルチコイドの代表例はアルドステロンです。


代表的な鉱質コルチコイド作用とは
腎臓におけるNaの再吸収促進です。
その結果抗利尿作用をもたらします。

鉱質コルチコイド作用が過剰になると
血圧上昇・浮腫といった症状をもたらします。

糖質コルチコイド代用薬は
様々な作用のうち、抗炎症作用、免疫抑制作用を期待して
主に用いられます。




糖質コルチコイド代用薬は
大きく 2 種類に分類されます。


   ⅰ.糖質コルチコイド代用薬(ステロイド)
   ⅱ.抗副腎皮質ホルモン薬




.糖質コルチコイド代用薬(ステロイド)

このタイプの代表的な薬は
   ・プレドニゾロン(プレドニン)
   ・デキサメタゾン(デカドロン)
   ・ベタメタゾン(リンデロン)
   ・トリアムシノロン(レダコート)
   ・トリアムシノロンアセトニド(レダコート)
   ・フルオシノロンアセトニド(フルコート)
などが挙げられます。


これらの名前を見た時
ステロイドだとすぐ連想し
免疫抑制や抗炎症に使われるということを意識し
又、全身性の薬であるため
多くの副作用に注意する必要があると
連想できることが重要です。




ⅱ.抗副腎皮質ホルモン薬

このタイプの代表的な薬は
   ・メチラポン(メトピロン)
   ・トリロスタン(デソパン)
   ・スピロノラクトン(アルダクトンA)
   ・カンレノ酸ナトリウム(ソルダクトン)
   ・エプレレノン(セララ)
などが挙げられます。


メチラポンは
11β-水酸化酵素阻害薬です。
生体内の糖質コルチコイドの生成を抑制します。
この結果、下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH:adrenocorticotropic hormone)の生成が
フィードバック作用により促進されます。

メチラポンを投与して
ACTH が過剰分泌される状態をクッシング病と呼びます。

メチラポンを投与しても
ACTH の分泌がかわらない状態をクッシング症候群と呼びます。

どちらも慢性の糖質コルチコイド過剰症候群です。
原因を調査するためにメチラポンが投与されます。


トリロスタンは
3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素を
特異的かつ競合的に阻害する薬です。
その結果、アルドステロン及び糖質コルチコイドの生合成を阻害します。
これらのホルモンの過剰症に対して用いられます。


スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、エプレレノンは
抗アルドステロン薬です。
浮腫や高血圧に用いられます。
特にエプレレノンは
アルドステロン受容体に選択的に結合することが知られています。




代表的な糖質コルチコイド代用薬をまとめると
以下の表になります。