3-1 3) 代表的な性ホルモン代用薬及び拮抗薬





性ホルモン代用薬及び拮抗薬は
作用機序に基づき
大きく 8 つに分類されます。


   ⅰ.合成男性ホルモン(合成アンドロゲン)
   ⅱ.タンパク質同化合成ステロイド
   ⅲ.抗男性ホルモン
   ⅳ.合成卵胞ホルモン
 
   ⅴ.抗エストロゲン 
   ⅵ.アロマターゼ阻害薬
   ⅶ.合成黄体ホルモン 
   ⅷ.経口避妊薬




.合成男性ホルモン(合成アンドロゲン)

このタイプの代表的な薬は
   ・メチルテストステロン(エナルモン)
   ・テストステロンプロピオン酸エステル(エナルモン)
などが挙げられます。


メチルテストステロン、テストステロンプロピオン酸エステルは
合成男性ホルモン(合成アンドロゲン)です。





ⅱ.タンパク質同化合成ステロイド

このタイプの代表的な薬は
   ・メテノロン酢酸エステル(プリモボラン)
   ・ナンドロロンデカン酸エステル(デカ・デュラミン)
などが挙げられます。


メテノロン酢酸エステル、ナンドロロンデカン酸エステルは
テストステロンの男性化作用を弱め
タンパク質同化作用を増強した合成ステロイド薬です。




ⅲ.抗男性ホルモン

このタイプの代表的な薬は
   ・クロルマジノン酢酸エステル(プロスタール)
   ・オキセンドロン(プロステチン)
   ・フルタミド(オダイン)
   ・ピカルタミド(カソデックス)
などが挙げられます。

クロルマジノン酢酸エステル
オキセンドロン、フルタミド、ビカルタミドは
抗男性ホルモン薬です。
前立腺がん、前立腺肥大症に用いられます。

フルタミド、ビカルタミドは
非ステロイドであることが特徴です。




ⅳ.合成卵胞ホルモン 

このタイプの代表的な薬は
   ・エチニルエストラジオール(プロセキソール)
などが挙げられます。


エチニルエストラジオールは
合成卵胞ホルモンです。
前立腺がん、更年期障害などに用いられます。
又、経口避妊薬として黄体ホルモンと併用されます。




.抗エストロゲン

このタイプの代表的な薬は
   ・クロミフェン(クロミッド)
   ・タモキシフェン(ノルバデックス)
   ・トレミフェン(フェアストン)
   ・メピチオスタン(チオデロン)
などが挙げられます。

クロミフェン、タモキシフェン、トレミフェン、メピチオスタンは
抗エストロゲン薬です。

クロミフェンは
結果的にフィードバック作用を介して
エストロゲン放出が増加します。
不妊症の排卵誘発剤として用いられます。



タモキシフェン、トレミフェン、メピチオスタンは
抗エストロゲン作用を示します。
適応は乳がんです。


ラロキシフェンは
選択的エストロゲン受容体調節薬
(SERM:selective estrogen receptor modulator)と呼ばれる薬です。
適応は、閉経後骨粗しょう症です。

ラロキシフェンの特徴は
骨に選択的に作用することです。

女性はある程度の年齢を超えると
加齢に伴い女性ホルモンの分泌が減少します。
女性ホルモンの様々な作用の1つに
骨量の維持があります。
女性ホルモン減少により、骨密度が減少していくことを防ぐため
従来は女性ホルモン補充法が用いられていました。

しかし、女性ホルモン投与法には
過剰な女性ホルモンによる乳がん、子宮がんのリスクがありました。
そこで開発されたのが SERM です。
SERM は、骨には女性ホルモン様に作用しますが
子宮や乳においては抗女性ホルモン作用を示すのです。
そのため、乳がんや子宮がんのリスクが小さい骨粗しょう症薬として
広く用いられています。




ⅵ.アロマターゼ阻害薬

このタイプの代表的な薬は
   ・アナストロゾール(アリミデックス)
   ・エキセメスタン(アロマシン)
などが挙げられます。


アナストロゾール、エキセメスタンは
アロマターゼと呼ばれる酵素を阻害することにより
エストロゲンの合成を阻害する薬です。
適応は閉経後乳がんです。





.合成黄体ホルモン

このタイプの代表的な薬は
   ・メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(ヒスロン)
   ・ジヒドロゲステロン(デュファストン)
   ・ノルエチステロン(ノアルテン)
   ・アリルエストレノール(パーセリン)
などが挙げられます。

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル
ジヒドロゲステロン、ノルエチステロン、アリルエストレノールは
合成黄体ホルモンです。
適応は、早産、前立腺肥大症、前立腺がんです。





ⅷ.経口避妊薬

このタイプの代表的な薬は
   ・エチニルエストラジオール+ノルエチステロン(ルナベル)
   ・エチニルエストラジオール+デソゲストレル(マーベロン)
   ・エチニルエストラジオール+ノルゲストレル(プラノバール)
   ・エチニルエストラジオール+レボノルゲストレル(アンジュ)


などが挙げられます。

エチニルエストラジオール
+ノルエチステロン/デソゲストレル/ノルゲストレル/レボノルゲストレル
は、経口避妊薬として用いられます。
副作用として、血栓症が知られています。




代表的な性ホルモン代用薬及び拮抗薬をまとめると
以下の表になります。