1-1 4) 代表的な薬物受容体、細胞内情報伝達系





代表的な薬物受容体は2つあります。
1つめは、Gタンパク質共役受容体(GPCR : G Protein-coupled receptor)です。
Gは、グアニンヌクレオチド結合の略です。

GPCRは、受容体とGタンパク質が結合した構造をしています。
イメージと、実際のタンパク質結晶のリボン図の1例が以下になります。










共役する代表的なGタンパク質が
大きく3つ存在します。


1つめはGsタンパク質です。
sはstimulate(刺激)の略です。


Gsタンパク質と共役する受容体に基質が結合すると、Gsタンパク質を介して
アデニル酸シクラーゼ(AC:adenylate cyclase)が刺激(活性化)されます。

アデニル酸シクラーゼが活性化されると、細胞内サイクリックAMP(cAMP:cyclic AMP)が増加します。
細胞内cAMPが増加することで、様々な生理的反応が引き起こされます。
「受容体に基質(メッセンジャー)がやってきた」というメッセージを
細胞内に伝える役割に注目しcAMPをセカンドメッセンジャーと呼びます。
cAMPの構造は以下のようなものです。
iはinhibit(抑制)の略です。

Giタンパク質と共役する受容体に基質が結合すると
Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ(AC:adenylate cyclase)が抑制されます。

アデニル酸シクラーゼが抑制されると、細胞内サイクリックAMP(cAMP:cyclic AMP)が減少します。
細胞内cAMPが減少することで、様々な生理的反応が引き起こされます。



3つめはGqタンパク質です。 
qの由来には決まった説がありません

Gqタンパク質と共役する受容体に基質が結合すると
Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化されます。

ホスホリパーゼCは、細胞膜を原料として
ジアシルグリセロール(DG)とイノシトール三リン酸(IP3)を生成します。
これらがセカンドメッセンジャーとなって、様々な生理的反応が引き起こされます。



Gタンパク質、Gタンパク質を介して何がおきるか
セカンドメッセンジャーは何かをまとめると以下になります。






代表的なGs、Gi、Gq共役受容体は以下のようになります。

参考)生化学まとめました(1) 1-2 (3) 自律神経系

Gs→β,β、H2、D1
Gi→α,M2,D2、GABA
Gq→α,M1、M3、H1


覚え方ですが
「β受
容体なら、Gs」。
「Gsの残りは、D1(博士1年生)のH2(水素)」。
後は「2とかbとかつい
たらGi」。
残りがGqとすると覚えやすいかもしれません。



う1つの代表的な薬物受容体は、イオンチャネル内蔵型受容体です。
5量体からなる膜貫通タンパク質です。受容体そのものがイオンチャネルを形成しています。


イメージは以下のようになります。





代表的なイオンチャネル内蔵型の受容体と、通過するイオンは以下のようになります。

NN , NM 受容体→Na+ チャネル
GABAA 、グリシン受容体→ Cl - チャネル
グルタミン酸受容体 NMDA 型→ Ca 2+ チャネル
グルタミン酸受容体 non-NMDA型→ Na+,K+ チャネル
5-HT3 受容体→ Na+,K+ チャネル

特に 
Na+ チャネルが N 受容体
Clチャネルが GABA 、グリシン受容体であることが重要です。