1-2 5) 分散粒子の沈降現象






固体粒子が液体に分散したものを懸濁剤と呼びます。
懸濁剤の多くは粗大分散系(粒子が1μm以上)に分類されます。


分散している粒子は、そのままにしていると
粒子の密度が液体の密度よりも大きければ沈みます。
これを沈降現象と呼びます。

沈降現象は、粒子が凝集体をつくらずに沈降する自由沈降と
凝集体をつくって沈降する凝集沈降に分類されます。

凝集沈降の場合は
軽く振ると、もとの分散状態に戻すことができます(再分散)。

自由沈降の場合は
再分散ができません。
再分散が困難になってしまうことをケーキングとよびます。

ちなみに、自由沈降における沈降速度は、Stokes式に従います。
(参考 物理化学まとめました 4-2 2)


この沈降における再分散の可否は
クーロン力とファンデルワールス力の観点から理解することができます。

すなわち、分散している状態とは
粒子が水和されており
水和された状態を安定させている力とはクーロン力です。
ちなみに、電解質を懸濁剤に入れると
イオン強度が高いものほど、粒子の沈降を促します。

一方、沈降により粒子同士の距離が近づくと
ファンデルワールス力が強く働きます。


懸濁粒子の沈降速度を遅くし
ひいては懸濁剤を安定化させるための方法として
スト-クス式から大きく2つの方法が考案され
実際に応用されています。

すなわち
粒子径を小さくすることと
増粘剤を加えて分散媒の粘度を大きくすることです。