懸濁剤の多くは粗大分散系(粒子が1μm以上)に分類されます。 分散している粒子は、そのままにしていると 粒子の密度が液体の密度よりも大きければ沈みます。 これを沈降現象と呼びます。 沈降現象は、粒子が凝集体をつくらずに沈降する自由沈降と 凝集体をつくって沈降する凝集沈降に分類されます。 凝集沈降の場合は 軽く振ると、もとの分散状態に戻すことができます(再分散)。 自由沈降の場合は 再分散ができません。 再分散が困難になってしまうことをケーキングとよびます。 ちなみに、自由沈降における沈降速度は、Stokes式に従います。 (参考 物理化学まとめました 4-2 2)) この沈降における再分散の可否は クーロン力とファンデルワールス力の観点から理解することができます。 すなわち、分散している状態とは 粒子が水和されており 水和された状態を安定させている力とはクーロン力です。 ちなみに、電解質を懸濁剤に入れると イオン強度が高いものほど、粒子の沈降を促します。 一方、沈降により粒子同士の距離が近づくと ファンデルワールス力が強く働きます。 懸濁粒子の沈降速度を遅くし ひいては懸濁剤を安定化させるための方法として スト-クス式から大きく2つの方法が考案され 実際に応用されています。 すなわち 粒子径を小さくすることと |