1-3 1) 流動と変形(レオロジー)の概念







レオロジーとは、物体の流動あるいは変形に関する科学のことです。

物体として、まず固体を考えます。
固体に力を加えた時、のびたりへこんだりする事を変形とよびます。
ここで、力を除いたら、元に戻ろうとする性質を弾性とよびます。

次に液体の場合です。
液体に力を加えて変形すると、元には戻りません。
このような液体の変形を流動とよびます。

流動している液体(流体)中では、流動速度が異なる部分があり、速度を一定に使用とする内部摩擦力が働きます。このような液体の性質を粘性とよびます。

流動には、大きく2つ、すなわちニュートン流動と、非ニュートン流動と呼ばれる流動があります。
ニュートン流動とは、せん断応力が、せん断速度に比例する流動のことです。

せん断応力(S:shear stress)とは、液体を2つの板で挟みこんで、上の板をずらす時の力のことです。
せん断速度(英語ではshear velocityなのだが、よくDを用いる。)とは、せん断応力がかかった時の、下の板から距離rだけ離れた点の速度をvとした時の速度勾配dv/drの事です。
せん断速度のイメージは、トランプの束の上に手を置いて、すっとすべらせた時のトランプの移動速度です。

そして、せん断応力をS、液体の粘度をη、せん断速度をDとした時
S=ηDが成り立つ時、それをニュートン流動と呼びます。
イメージとしては、ねばねばしてるほど、速くずらすのに力がいることを示している式です。

ちなみに、ηは、アンドレートの式と呼ばれる関係に従います。式は以下のとおりです。



※Aは定数、Eaは、流動を開始させるために必要な活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶対温度です。

つまり、温度上昇に従い、粘度は低下します。


ニュートン流動以外の流動は、大きく4つあります。
すなわち、塑性(ヒンガム)流動、準(擬)粘性流動、準(擬)塑性流動、ダイラタント流動です。
それぞれの特徴的なレオグラムと、代表的な例を覚えるとよいです。

レオグラムとは、横軸にせん断応力(S)、縦軸にせん断速度(D)をとったグラフのことです。
ニュートン流体では、原点を通る直線になります。

下図が、ニュートン流体及び非ニュートン流体のレオグラム、及び代表例をまとめたものになります。




※「塑」がついたら右側スタート、「準(擬)」がついたら、曲線と覚えると覚えやすいかもしれません。
又、応力を加えた時に、粘度が一時的に低下し、放置すると元に戻る現象をチキソトロピーと呼びます。これは、溶質分子の網目構造が力により破壊された後、時間の経過とともに構造が回復することによる現象です。

チキソトロピーを有する物質のレオグラムは、下図のような特徴的なものになります。




すなわち、応力を強めていく場合と弱めていく場合において流動曲線が重なりません。このような曲線を、ヒステリシスループと呼びます。このループの面積が大きいほど、チキソトロピー性が強いと判断されます。


軟膏剤のように、弾性と粘性の両方をあわせた性質のことを粘弾性といいます。
粘弾性を表すモデルとして、大きく2つのモデルが知られています。
すなわち、マックスウェルモデル(直列)と、フォークトモデル(並列)です。

マックスウェルモデルとは、スプリング(ばね)と、ダッシュポット(ねばねばした液体が入ったつつ)
がまっすぐつながったものを1単位とするモデルです。

フォークトモデルとは、スプリングとダッシュポットが並列に結合したものを1単位とするモデルです。


粘度の測定には、大きく2つの種類の粘度計が用いられます。
すなわち、毛細管粘度計と、回転粘度計です。

ポイントは、非ニュートン液体の粘度を測定できるのは、回転粘度計だけであるという点です。
ニュートン液体は、どちらの粘度計でも測定することができます。

又、毛細管粘度計とは、ウベローデ型及び、オストワルド型粘度計のことです。
回転粘度計とは、共軸二重円筒型回転粘度計(クウェット型)及び、円すい-平板型回転粘度計(コーンプレート型)のことです。