1-3 7) 粉末X線回折測定法の原理と利用法






粉末X線回析測定法とは
粉末試料にX線を照射し、回折したX線を検出することにより
粉末の結晶がどのような構造をしているか、結晶の純度
といった情報を取得することができる測定法です。

X線回折測定法の原理の理解のために
結晶格子について理解をする必要があります。

結晶中の原子、又は分子を代表する点を格子点として表し
単位格子を3次元的に並べたものが空間格子です。
イメージは下図のようになります。






空間格子は、単位格子をなす、各辺の長さと、それぞれの辺のなす角により
7種の結晶系に分類されることが知られています。
さらにそれぞれの結晶系においても分類があり
あわせて14種類の格子(ブラベー格子)が知られています。

参考) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E6%99%B6%E6%A7%8B%E9%80%A0


空間格子は、平行した結晶面が連続していると見ることができます。
結晶面の1例のイメージが下図になります。
結晶面は、他にもいくつかの面を考えることができ
面を表現する方法として、ミラー指数が知られています。


ミラー指数とは、(100)といった表現をする数のことです。
それぞれの数字の定義は
「単位格子の1辺の長さ ÷ その方向の面間隔」です。
それぞれの数字の求め方の具体例を以下に示します。


単位格子のそれぞれの辺を、以下のように名づけます。


そして、どこかの面のどこかの点から
まずa方向に向かって空間格子を突っ切ります。

上の結晶の1例では、a進むたびに、次の面にぶつかります。
この時、1つめのミラー指数(1番左のミラー指数)は、a ÷ a = 1 です。

ミラー指数に、1はよく出る数値です。
「a方向のミラー指数が1である」というのは
「面を構成する辺に、a方向と平行であるものは存在しない」と読み替えてもよいです。

次にb方向に進んでみると、いつまでたっても次の面にぶつかりません。
この時、次の面にぶつかるまで∞(無限大)かかると考えます。
ミラー指数(左から2番目のミラー指数)は、b ÷ ∞ = 0 です。

同様にc方向に進んでも、いつまでたっても次の面にぶつかりません。
やはり、次の面にぶつかるまで∞(無限大)かかると考えます。
ミラー指数(左から3番目のミラー指数)は、c ÷ ∞ = 0 です。


よって、この面を表現するミラー指数は(100)となります。




さて、面間隔dの結晶面に
入射角θでX線が入射すると
それぞれの面でX線が反射されます。
この時、隣合う面から反射する光路差が
波長の整数倍ならば干渉効果により強めあいます。

この結果が、干渉パターンという情報として得られます。
このパターンが、空間格子のパターンを反映します。

この情報を回析することにより
粉末の結晶がどのような構造をしているかや
結晶の純度といった情報を取得することができるのです。

利用法としては、結晶多形の評価などに用いられます。